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まさに「アイドル」だったAKB48柏木由紀 そして思い出される「まゆゆきりん」

TABLO / 2024年3月29日 17時1分

まさに「アイドル」だったAKB48柏木由紀 そして思い出される「まゆゆきりん」

ファンとメンバーに愛された、まさに「アイドル」柏木由紀。

あの当時――2009年ころ。AKB48はまさに「社会現象」でした。メディアはもちろんのこと、社会学者、文壇、スポーツ選手などなどを巻き込んだ熱気は、今の坂道グループの勢いに劣りませんでした。当時、神7と言われていた人気メンバーを中心にして、また選抜メンバーの個性とキラキラ感は社会にブームを巻き起こしました。

ブームの立役者の1人、最後の3期生柏木由紀が16日に卒コンを開催しました。柏木由紀の残した功績を少し考えたいと思います。

柏木由紀はまさに、「アイドルが好きになるアイドル」でした。例えば、若手メンバーに取材したり話を聞くと「誰を目標にしていますか」「なぜAKBに入ったのですか」という問いに多くのメンバーが「柏木由紀さんが好きだからです」という旨の返答があったのをよく覚えています。後輩からも同期からも先輩からも、そしてファンからも「高いアイドル性」を持っていると認められた人、それが柏木由紀です。

握手会の神対応は2006、7年ころからファンの間では有名でした。笑顔を絶やさず、そして多少無理な質問にも功名に返信をするところなどが、ファンに認められじわじわと人気を上げていきます。

それを証明するかのようなこんな番組がありました。2014年から始まったテレビ番組「AKB調べ」(フジテレビ系列)。その中で「メンバーが選ぶ一番●●な人」のようなアンケートをする企画が放送されました。

印象に残っているのが「一番怒らないメンバーは?」というもの。その中で柏木由紀さんが選ばれました。後輩が打ち合かわせの最中、柏木由紀の髪の毛をグシャグシャにするのですが「え?え?」と言って穏やかに笑い、驚くだけでした。それをさらに繰り返すものの、反応は同じ。結局「何をされても怒らない」という性格に番組上、認定されたのです。本人は「怒っていますよー」と一応、怒り顔を見せていますが、表情がどう見ても怒っていない。観音様のようでした。

前述した神7ですが、第1回総選挙の上位7人を指すという説があります。その、ほぼ神7で歌った楽曲があり個人的に好きなのですが、「心の羽根」です。「チームドラゴンfromAKB」で歌ったこの曲は、惜しくも最近逝去された鳥山明先生原作の「ドラゴンボール改」(フジテレビ系列)のエンディングテーマでした。

メンバーは前田敦子、大島優子、高橋みなみ、板野友美、渡辺麻友、小嶋陽菜、そして柏木由紀。柏木由紀のユニットというと「フレンチキス」が代表ですが、「ほぼ神7」がそろったこの楽曲は実は最も好みです。

当時、柏木由紀が所属していたチームBはチームA、チームKと比べると「妹分」キャラでした。ダンスや歌で魅せるのと同時に、このチームBでは一つの「ユニット」が出来上がっていました。それが、「アイドルサイボーグ」(当時)と呼ばれていた渡辺麻友とのコンビでした。「まゆゆきりん」は劇場だけでなく、コンサートでもたびたび仲の良さを発揮。楽曲を披露します。

また、チームBは劇場曲の中でも「名曲」との評判が高い「チームB推し」を歌い、チームA、kの妹分ではなく台頭になっていくかのように成長していきました。因みに、「チームB推し」「初日」はAKBの根幹にあるソウルといってもよいと思います。

卒コンには数多くのOGが駆け付けました。そこに「まゆゆきりん」の渡辺麻友さんの姿はありませんでした。選抜組や上位になったほとんどのOGが(特に渡辺麻友さんは1位になっている)卒業後の進路を明らかにしている中、渡辺麻友さんは一切明らかにしていません。これで良いのです。アイドル・芸能界から完璧に身を引いた潔さは拍手するに値します。柏木由紀さんも名前を出していません。それもメンバー愛だと受け取っています。柏木由紀さんはアイドルを卒業してもその「アイドル性」は失われにないでしょう。(文@久田将義 写真@AKB48)

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