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涙を勇気に変えて 「FINALIST」『タマ』インタビュー「王道を歩いていきたいです」

TABLO / 2024年9月1日 19時30分

涙を勇気に変えて 「FINALIST」『タマ』インタビュー「王道を歩いていきたいです」

挫折から這い上がった「FINALIST」。最終審査で涙のアピールをした「タマ」インタビュー。

インタビュー後、清々しい気分になったのは久しぶりです。アイドルユニット「FINALIST」のメンバー「タマ」。実はこのアイドルユニットは順調に来た訳ではありません。苦難を乗り越えてようやく、デビューにたどりついた経緯があります。

秋元康プロデュースで、1万人の中から11人が選ばれ「WHITE SCORPION」としてデビューしました。その中で最終選考に残ったけれど、選ばれなかった17人で「FINALIST」が組まれました。そしてデビュー曲『命しか捧げるものがない』を発表。いわば、一度挫折を味わったアイドル達。それが「FINALIST」な訳です。

こんなエピソードを思い出しました。池袋サンシャインシティで「WHITE SCORPION」がデビュー曲「眼差しSniper」をお披露目している時、取材席の僕の後ろで泣いている女性がいました。と、これについてはこのサイトで前記しましたが、その涙の訳は推測でしか出来ません。恐らく最終オーディションに残った人たちだと思われますが、悔しさと仲間を応援したい気持ちなど色々入り混じった涙だったのでしょう。その涙は尊くもあります。そのメンバーの努力の結晶ですから。

最終オーディションでの涙のアピールをしたメンバーが、印象的でした。それが「タマ」でした。その熱い想いを聞いてみたいと思いました。インタビュー現場には、緊張しているように見えつつ、非常に凛とした姿で現れました。そして、終始口調は穏やかで、かつしっかりしているのが印象深かったです。それでいて時折見せる笑顔が「王道アイドル」でした(最後までお読みいただけるとこの言葉の意味が分かります)。

 

●「オーディションの時は控室から泣いていました」

――オーディションから取材させて頂いて、涙のマイクの写真もサイトに掲載したんですが、「WHITE SCORPION」になれなかったときの心境はいかがでした?

タマ 落ちた時は17人で結成するとは言われていなかったんです。あの時は、私自身これが受けられる最後のアイドルの大きなオーディションだろうなと思って受けていました。高校3年生で大学受験も控えていましたがオーディションに集中していました。

――今は大学生ですよね。

タマ はい。

――じゃあ、オーディションに集中しながらも大学に受かったってことですか。

タマ そうですね。

――頭が良いんですね?

タマ いえ、ハハハ。

――いつ頃からアイドルになろうと思ったのですか?

タマ 少学5、6年生です。姉が乃木坂さんが好きで、その影響で一緒に観るようになりました。小学6年生のときに事務所に入っていて、期間限定でユニットを組んでステージに立っていたこともありました。それまではモデルさんか女優さんになりたかったんですけど、そこでアイドルって良いなと思って目指し始めました。

――アイドルの良さはどこで感じられたでしょうか?

タマ ライブ映像を観ていると、ステージに立っているアイドルの方がとてもキラキラしていたんですね。そのキラキラした景色を見てみたかったのがあります。それと私はすごく負けず嫌いなんです(笑)。ライブを観に行ったときに感動させられたんですけれど、それがちょっと悔しいというか(苦笑)、自分が感動させる側になりたいと思ったっていうのもありました。

――その負けず嫌いが、上手く回転したのですね。オーディションの時の最後のアピールで涙をこぼされていました。

タマ 周りの子が控室で歌ったり踊ったりしていたんです。でも、私は秀でているものがないなと思っていました。

――いえいえ、ありますよ!

タマ フフフ。有難うございます。なので、自分はお話しをしようと思ったのですけど、それだとインパクトが薄いかなとか感じていました。最後のアピールの場で、全部が決まる訳ではないけど、プレッシャーと緊張でワッと来ましたね。

――なるほど。止められなかったんですね。

タマ はい。実は控室にいる時から緊張で泣いていて(笑)。

――そうなりますよね。あの待っている時はキツいですよね。

タマ そうなんですよ。そのまま、ステージに上がってという感じでした。

――「FINALIST」というユニットが出来るかも、というのはいつ頃聞かされたんでしょう?

タマ オーディションの結果発表が終わったあと、17人が控室に集められて、そこで事務所に残りませんかっていうのを聞きました。

――その時の感想はどうでした?

タマ デビュー出来るかも分からないという感じでしたし、もし他のオーディションがあった場合そっちを受けられなくなるから、どうしようかなって迷っていました。

――すぐ「わかりました!」って感じではなく。

タマ そうですね。

――17人のなかで「どうしよう?」みたいな相談はあったのですか?

タマ 相談はしました。社会人の子もいたので、お仕事を辞めるってなるとどうしようっていうのは話していました。

――タマさんは大学に行くという選択とアイドルになるという選択と二つあったといことなんですかね?

タマ というか「アイドルを目指してもいいけど大学だけは絶対出てね」っていうのが親の意向だったので。

――なるほど、しっかりしています。素晴らしいです。

タマ 私はもうアイドルの道に進んでいるから、大学に行っても自分の力になる訳でもないから行きたくないという話になったんですけど、「でもこの先、何があるかわからないから行っておいて」と言われました。

――このIDOL3.0 PROJECTはアイドルのセカンドキャリアをフォローしてくれる元AKB48の島田晴香さんの会社も提携していますから、その点は普通のアイドルと違いますものね。大学では何を専攻しているんですか?

タマ 保育です。

――お子さんがお好きなんですね?

タマ 興味ないことを4年間学ぶのは苦痛だなと思って、小さい子が好きなので、じゃあ保育に行こうかなと思ったんですけど、意外と授業のコマ数が多くて大変です(笑)。

――1~2年は特に大変ですよね。

タマ そうなんです。ちゃんと単位取らないと実習にも行けなくなっちゃうので。

 

●「バラエティ枠って言われています(笑)」

――「WHITE SCORPION」の皆さんとコミュニケーション取られたりはしてるんですか?

タマ めちゃめちゃ仲いいと思います!(笑)

――そうですよね。一緒に頑張ってきたんですもんね。

タマ どちらかというと「WHITE SCORPION」と「FINALIST」になってから仲良くなった子のほうが多いかもしれないです。

――アイドルになってからいろんな共通の話が出来るからってことですかね。

タマ そうですね。

――誰と一番よく話しますか?

タマ ACEですかね。

――あ、ACEさん。こないだお台場(「お台場冒険王」)のステージで頑張っていましたね! ああいったバラエティもやると思うんですけど、どうですか?

タマ まー……イケるかな(笑)。はい、大丈夫だと思います! SHOWROOMでもファンの人に「バラエティ枠」って言われていますし(笑)。

――え? そうなんですか?

タマ はい。褒められているのか褒められてないのかわかんないですけど、ハハハ(笑)。

――褒められていると思います! 個性がないと、このアイドル戦国時代、きついですから。ということはSHOWROOMでは何か一発芸とかやられているんですか?

タマ 何もやってないんです(笑)。私は別に狙ってるわけではなく。

――心当たりがあるところはありますか?

タマ 私もわからないんですよー(笑)。

――モノマネやってるわけでもなく。

タマ はい、全然やってないです、ハハハ。

――普通にしゃべっているだけで。

タマ はい。

――何で、ですかね(苦笑)。

タマ 私は王道アイドルでいきたかったんですけど、いつからか道を逸れていたみたいです、フフフ(笑)。

――いやいや、まだでしょ。その判断は。

タマ ハハハ。まだですか。大丈夫ですか(笑)。

――いや僕は王道アイドルだなと思っていますけど。ところで髪の毛切りましたよね。

タマ はい、切りました。

――心境の変化ですか?

タマ 「FINALIST」って髪の毛が長い子が多いんですよ。短くしたほうが「あのボブの子は誰だろう?」ってなると思って切りました。

●「TIFは緊張しましたが、久しぶりにお客さんに姿を見せる事が出来ました」

――デビュー前に日本最大のアイドルフェスティバル「TIF」に出たれた感想を聞いても良いですか?

タマ スマイルガーデンに出させて頂いたんですけれど、結構大きいステージで、すごく嬉しかったですね。けれど、朝イチだったしお客さんがどれくらい入るかわからないっていうのもあって怖かったんです(苦笑)。でも意外とたくさんお客さんもいらして、いつも応援してくれているファンの方もいました。オーディションから含めたら約1年間ぐらい、アイドルとして活動している姿を見せられていなかったので、やっとファンの皆さんに自分がやりたいことを見せられたなと思って嬉しかったですね。

――お披露目みたいな感じですもんね。

タマ はい!

――嬉しさとドキドキとどっちが強かったですか?

タマ えー……。ドキドキが強かったですね。

――緊張される方ですか?

タマ めちゃめちゃ緊張します。

――緊張はどうやってほぐしているんですか?

タマ え。「緊張して」「涙流して」「本番」みたいな感じです(笑)。

――涙! それはひとつの緊張解消方法ですね。

タマ そうですね、フフフ。

 

●デビューライブで音のトラブル続きでも歌い切る「FINALIST」の勇気にファンが絶賛

――YouTubeに上がっている8月18日の「有明ガーデンみんなのテラス」でのステージについて聞きたいです。

タマ はい。

――色々ハプニングがありましたね(笑)。

タマ 曲は『命しか捧げるものがない』ですが、まず2倍速から始まりました(苦笑)。

――因みに、あれはそういうバージョンなのかなと思っていました。

タマ いえいえ(笑)。最初から皆、おかしいなって気づいていたんですけど。

――何人か笑っていましたよね。

タマ はい(笑)。でも止められないので。私たちも初めての事ですし、まずリリースイベントでパフォーマンスするのが初めてだったうえにそんなハプニングが起こるとは思わず(笑)。でも止めることは出来ませんでしたね。

――僕もライブで曲が途切れるとかは見たことがありますが、2倍速は初めて見ました。

タマ ビックリしました、ハハハ。

――2倍速はダンスが大変でしたでしょう。

タマ サビはダンスが追いつかなくて(笑)、それで曲が止まってくれたんですけど。

――その後、みなさんちゃんと笑顔で立て直しましたもんね。でも内心はビックリですよね。

タマ そうですね、ホントにビックリでしたね、フフフ。

――で、途中で音も止まったじゃないですか。

タマ そうですね、仕切り直したと思ったらラスサビで音が止まっちゃって。生歌で乗り切りました(笑)。

――でもあの生歌は結果的に、凄く良かったと思います。

タマ (うなずく)

――以前『AKB48紅白対抗歌合戦』を生歌で開催した事があるんですよ。あれは僕が取材したファンの間ではめっちゃ評判が良かったんです。つまり「曲が途切れても、多少間違えても声がかすれても推しのアイドルが一生懸命歌うことを見たい。そしてそれを応援したい」というファン心理。アイドルの原点だと思いました。今回は偶然の産物ですけど、生歌の良さってあると思いませんか?

タマ (うなずきながら)そうですね。音源では得られないものが生歌にはあるなって、他のアイドルの方を観ていて思っていました。熱量や想いがちゃんと乗るじゃないですか。それが伝わりやすいパフォーマンスにはなったと思うんです。けど……やっぱり初披露だったので悔しい部分はありました。

――あ、そうですよね。

タマ でも貴重な経験をさせて頂いたと思います!

――将来、絶対に糧になりますよ。そういうお披露目って聞いたことがないので。今後、ステージ上で何があっても動じずに対処できると思いますし。

タマ そう言えば、あまり「FINALIST」を知らない「WHITE SCORPION」のファンの方が「音が止まってもそのまま乗り切れるFINALISTはすごい」ってSNSで書いてくださっていました!

――僕も見ました。ファンの方が「FINALISTすごい! 最初の段階でもうおかしいのに最後まで歌い切っている!」みたいな。これはデビュー前とはとても思えないので、ポテンシャルが凄いなと思いましたよ。伝説のライブになるかも知れません。

タマ ありがとうございます(笑)。

――あれを観てライブって改めて大事だと思いました。ライブに対する意気込みはいかがですか?

タマ 私もアイドルをやる上でステージを大事にしたいなと思っているんです。今は誰でもライブは観られるんですけれど、ゆくゆくはお金を払った人しか(入場料など)観られなくなるようになる訳じゃないですか。その日のためにお金を貯めて、お金を払って来てくださる方にはそれ相応のものを返さないと失礼ですし。アイドルって歌って踊ってライブしているときが一番キラキラしていると思うので、高い熱量を持ってやりたいなと思っています。

――全然バラエティ担当じゃないですね、仰っていることが王道アイドルですよ!

タマ アハハハ! ありがとうございます!

――……「バラエティの意味」がわからないな…(半分独り言)。

タマ アハハハハ!

 

●「私たちは一回落ちた経験がある。そこが逆に強みかなと思っています」

――ところで「WHITE SCORPION」さんは少しずつ認識されてきた感覚があるんですけど、当たり前ですけど「FINALIST」はこれからじゃないですか。そのなかでこれからのアイドルとしてアピールしたいところはありますか?

タマ 「FINALIST」としては1回落ちた経験があるっていうのが強いと思っています。皆が同じところで一緒に落ちているので、追う方ですよね。逆に強みになったというか。

――むしろマイナスからのスタートかも知れませんものね。そのへんの17人の共通認識みたいなものは感じられますか?

タマ そうですね。最初は17人全員が仲良かったわけではなくて、バラバラで集まったので、最初はちょっとよそよそしい感じだったんですけど、レッスンが始まってだんだん皆でやっていかなきゃという気持ちが芽生えてきて、そこでオリジナル曲をもらって結束が固くなりました。

――オリジナル曲のタイトルか『命しか捧げるものがない』ってタイトルは刺激的ですよね。もらったときはいかがでした?

タマ 私たちとしては、「WHITE SCORPION」がカッコいい系だから同じ系統じゃないかなと思ってたら、壮大なカッコいい系の感じでビックリしたんです。みんなで歌詞を解釈したときに、私たちの状況とリンクしているところがあるなと思いました。一番最初にもらった曲ってたぶんずっと歌い継がれていくものじゃないですか。だからどんどん好きになりました。

――初期のAKBのあの感じをちょっと思い出しましたね。17人の結束が固まってきたなかでよく話す人はいます?

タマ イチとニイです。

――気が合いますか。

タマ そうですね。イチは仲良かった子が全員「WHITE SCORPION」に行っちゃったので心配だったんですけど。

――どんな話をされるんですか?

タマ 好きなアイドルが一緒なので、その話とか。

――誰が好きだったんですか?

タマ 乃木坂さんも櫻坂さん(欅坂)も日向坂さんも。

――坂道グループですね。

タマ はい。

――「FINALIST」は欅坂っぽいスタイリッシュな感じですよね。坂道のなかで特に影響を受けた人は?

タマ 白石麻衣さんと小坂菜緒さんです(即答)。

――やっぱり王道アイドルですね。

タマ はい(笑)。

――ちょっと小坂さんに似てらっしゃる感じしますね。

タマ いや! いやいやいやいや!

――僕だけですか? あと、「美味しそうに食べるのが好き」なんですね。

タマ フフフ、そうですね。

――千葉出身ということですけど海とか山とか自然が多いですね?

タマ そうですね、海ありますね。

――何がお好きなんですか? やはり魚とか。

タマ 全然、千葉と関係ないんですけどイチゴと唐揚げが好きです。ハハハ。

――魚介類じゃないんですね(笑)。唐揚げはこだわりありますか?

タマ カリカリしているのが好きです。

――コンビニだと?

タマ セブンイレブンのからあげ棒が好きです。

――お腹すいてきましたね。

タマ フフフフ。

 

●「『放課後、恋した』『初×婚』がドラマ化されたらヒロインをやりたいです」

――映画とかドラマとか、将来的な夢があったら教えてください。

タマ 少女漫画が好きなので、少女漫画のヒロインの役をやりたいです。

――具体的にどんな作品が好きなんですか?

タマ 『放課後、恋した』と『初×婚』が好きです。

――どんなヒロインなんですか? 「聞くより読めって」話ですけれど。

タマ いえいえ、ハハハ。『放課後、恋した』はバレーボール部のマネージャーになった子の話なんですけど、それを読んで高校はバレー部のマネージャーになろうと思ったぐらいで。ならなかったんですけど。

――『初×婚』はタイトルから見て、結婚の話ですよね。

タマ そうですね。高校に入って相性がいいパートナーと同じ部屋に住んで、みたいなお話です。

――これがドラマ化したらぜひ出たい。

タマ はい。

――ヒロインで。

タマ はい!

――バラエティとして出られるよりこちらで出てほしいですね

タマ フフフフ!

――ところで僕は事件現場を取材する編集者で、アイドルは分からなかったんです。でも15年ぐらい前にAKB劇場に連れて行ってもらったんですけど、小さな子が「まゆゆー!」(言わずと知れた渡辺麻友さん。元AKB48)とか言っていて、これはホントに夢を与える仕事なんだな、現場に行かなければ分からなかったと思ったので、応援する立場になろうと思ったんですけど。タマさんにとってアイドルってどういう存在ですか?

タマ 私はアイドルに夢ももらったし、こうやって私がアイドルを目指すようになったのはアイドルの方のおかげなので。辛いときとか気分が落ちているときにアイドルのライブ映像を観ると元気になったり、心が救われたから。だから、そういう背中を押したり、誰かの心の支えになったり、遠いんだけど身近な存在になれるようなアイドルになりたいです。

――今日は有難うございました。笑顔が素敵だと思います。「王道」ですよ。

タマ 有難うございます!(笑)

 

一言でいえば、透明感があり清風が吹いているかのような、雰囲気のタマさんでした。そしてたくさんの笑顔を振りまいてくれました。が、笑顔の裏には挫折を経験し、悔しさも経験している訳です。だからこそ「FINALIST」17人の結束も堅い。そして、ライブで音が倍速になり途中で無音になっても歌いきるステージ度胸もあります(これは一見の価値アリです)。

悔しさも知っている。アイドルが何たるかも理解している、まさにこれから「王道」を上って歩いていくんだな、とタマさんからは感じました。男性にも女性にも愛されるハートウォーミングなアイドルになれる、と期待をせずにはいられませんでした。(文@久田将義 写真@菊池茂夫)

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