女きき酒師の葉石かおりさんに聞いた"酒席のマナー"
きき酒師、焼酎アドバイザーの資格を持ち、酒ジャーナリストとして全国の酒造や酒場をめぐり、お酒の魅力や文化を発信しつづけている葉石かおりさん。テレビや雑誌などの各メディアでも活躍している女きき酒師の葉石かおりさんに、大人の女性なら知っておきたい酒の席での常識を教えてもらいました。
●酒席の常識その1: 悪酔いしない
酔っ払ってあられもない姿をさらすことは、女性としての魅力を落とすことにもつながります。基本は飲み過ぎないことですが、お酒を飲むときにちょっと工夫することで悪酔いをしない方法があります。
たとえば、お酒の量と同量の水を合間に飲むことで体内のアルコールが加水分解されて、悪酔いを防ぐといわれています。チェイサー代わりにもなり、口の中をリセットしてお酒をより美味しく感じることができます。
どうしても飲み過ぎたという場合は、ドラッグストアなどに売っている経口補水液(食塩とブドウ糖を水に溶かしたもの)を飲むと二日酔いになりにくいそうです。お酒の量はもちろんのこと、自分の意識も上手にコントロールすることが大切です。
●酒席の常識その2:お酒を注ぐとき、注がれるとき
お酒を注ぐときや注がれるときのマナーにも気を配れる女性は素敵です。お酌をする際は、必ず両手でお酒の瓶を持つようにしましょう。利き手で瓶を持ち、もう片方の手を添えるようにすると女性らしい所作で美しく見えます。もちろん女性がお酌をしなくてはいけないということではなく、自分と相手のタイミングでお酒を注ぐ、注いでもらうことが重要です。
たとえばワインの場合、女性がワインを注ぐことはNGです。また、ビールなどの場合はグラスが空になってから、相手に「良かったらお注ぎしましょうか?」と一声かけてからお酒を注ぐと良いでしょう。お酌をされるときも、必ず両手でグラス(猪口)を持って注いでもらうようにしましょう。ただし、ワインはグラスを持ってはいけません。
●酒席の常識その3:お酒の作り方
最近人気の高い焼酎。秋から冬の時期になると焼酎のお湯割りも人気です。お湯割りを頼まれた場合に、先に焼酎をグラスに入れる人がいますが、本当はお湯が先です。最初にお湯を入れて、後から焼酎を入れることでグラスの中で対流が起こり、お酒とお湯がよく混ざってより美味しいお湯割りができます。
●酒席の常識その4:お酒の上手な断り方
お酒が弱い女性にとって、酒席での対応は悩むところ。お酒を勧められた場合、たんに断ると角が立ちます。そんなときは、お酒を飲んでいるように見せながらも、グラスの中身を減らさないようにすると、注いでもらう量を少なくすることができます。
注いでもらう際には一言お礼を言いながら、「美味しいお酒ですからゆっくり飲みたいので少しで結構です」と付け加えても良いでしょう。もちろん、本当にもう飲めないときはグラスの口を手で覆い、「もう結構です」とやんわりと断りましょう。
●酒席の常識その5:ハメをはずし過ぎない
楽しい酒の席だからこそ、節度をもって大人の女性らしい行動をとることが大切です。男女を問わず、酔っ払って必要以上にスキンシップをとる方がいますが、相手にとっては迷惑になることも十分に考えられます。酒席での行動は、普段以上に周囲の人たちから見られる場だということを意識しましょう。大人としての自分の価値を下げないためにも、「人の悪口は言わない」「泣いたり愚痴を言ったりしない」など、お酒の場を常識の範囲内で楽しむように心がけることが大人のマナーといえます。