三鷹高3女子高生ストーカー殺人、非合法対策業者「うちなら被害防げた」
TABLO / 2013年10月11日 13時0分
罰則が強化されるなど法的整備は進んでいるようにも思えるが、それでも今回のような事件は防げなかった。警察からの警告では9割前後のストーカーは大人しくなり行為をやめるという。犯行の直前、携帯電話へ警察から3度の連絡を受けていた池永容疑者は、それでもストーカー行為をやめない残り1割だった。では、その「1割」に狙われたら諦めるしかないのか。
「そんなことはない。うちなら被害を防ぐことができた。今までもケースバイケースで100%の確率でストーカーを止めさせてきた。こんな事件になるなら、相談してほしかったですね」
そう語るのは、ストーカー対策専門のセキュリティ業者の男性(46)。彼らは表立って宣伝活動はしていない。なぜなら裏社会でのみ活動しているからだ。顧客はストーカーに悩むキャバクラ店や風俗店、さらにはAV系プロダクションなどの経営者、それらで働く女性個人などが中心だ。ではなぜ彼らは表立って活動しないのか。その理由は明確だった。対策には非合法な手段を使うことが多いからだという。
「ストーカーをやめさせるには動けなくするのが一番簡単なんです。身体的に動けなくするために集団で暴行して足に大怪我を負わせるなんていうのは序の口。骨を折る、筋を切る。身体が動かないんじゃ、ストーカー行為もできませんから。あとはこっそり持ち物やポケットに覚せい剤や違法薬物を入れて通報とか。場合によっては部屋に侵入して、そのまま置いていくこともある。覚せい剤はいろいろ使えて、喫茶店や居酒屋で飲み物にこっそり混入して通報するパターンもあります。こういった活動内容は事前にも事後にも依頼人にはいっさい知らせません。被害者とはまったく無関係の場所、時間帯、状況ですべてを終わらせますので」
今回の事件で池永容疑者は鈴木さんに「殺す」というメールを送り付けていたという。事件が起こる度に警察の対応の遅れが指摘されてきたが、現実的にはこれ以上多くは望めないだろう。ストーカー問題の根深さは「心の闇」にある。これを理解しない限り、このような事件は今後も続くかもしれない。
Written by 北里雅俊
Photo by 桶川ストーカー殺人事件―遺言 (新潮文庫)
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