生々しいカネの話で紛糾...みんなの党、分裂騒動の原因となった極秘テープを入手6
TABLO / 2013年11月2日 18時0分
秋の臨時国会が召集されたが、みんなの党の不安定さが目立っている。幹事長を解任された江田憲司氏の新党構想への動きなどが表立ってきて、すでに政党の体を成していないという党関係者もいる。
そのきっかけとなった、「みんなの党両院議員総会」の音声を入手した。テープを起こしてみたので、ご一読いただきたい。
※聞き取りにくい箇所や発言者の名前が不明な箇所があります。
◇
【みんなの党両院議員総会 2013年8月7日午後3時から】
◇
??)話を聞いていて、今回の人事の提案は、役員で一任を巡って意見の相違があった。それを両院議員総会で多数決をとるというのは、ガバナンス、組織という話があるのだが、多数決をとるというのは、大きな関門をかすということになるので...。
江口)要するに......。
江田)容認しないことを確認するんですか。すみません、今まで私が幹事長としてみなさんに説明する機会が与えられなかった。かつ私の幹事長職を解くというのが議題となっているので、私は真意を述べさせていただきたい。私がなぜ党改革を提起したのかというと、今突然起こったことではなく、昨年不幸なことに3人の離党騒ぎがあり、代表再選の時もこうした両院議員総会を何度も開いた。そこでも忌憚のない意見が出た。その中で今回問題を提起している政党助成金の問題、立法事務費の問題、さらには事務局体制の問題が出た。その時は代表が全会一致で選ばれ、代表が民主的で風通しのいい党運営をするという発言があって、みんなが快諾した。しかし引き続き、突然私がこういったものを外で提起しているわけではなく、年始以来、代表とは1対1で、外には出ない形で、政党助成金は税金、立法事務費も税金であると。したがって我が党は、人一倍税金の無駄遣い解消や使途の厳しいチェックを訴えている政党として、やはり政党助成金の配布の問題、立法事務費の問題については党内で厳しいチェック体制をしくようにするように言った。公認手続きのガバナンスの問題、これもしっかりと徹底してほしい。さらに事務局の体制も、誰がどういう分担で働いているのかを役員ですら把握していない。このようなおかしいことを解消してほしいと言った。30年以上、組織人としてやってきた。だから1対1で内密にやった。残念ながら改善の兆しが見られなかった。これが2月4日のこと。4月2日には役員有志で、私と水野、小野、柴田、柿沢、山内の6人で、代表に申し入れた。紙にすると「内紛」と騒がれるので、口頭で改革案について申し入れた。しかし改善がなかった。私も選挙の責任者である幹事長だから、選挙の前に「内紛騒ぎ」と書かれると、候補者にマイナスになるし、党にもマイナスになるのはわかっている。だから我慢に我慢を重ねてきた。投票日が終わって、外で言うのではなく、役員会で是非両院議員総会の場で、選挙の総括、政党助成金、政治資金の問題、透明化、公正化の問題、さらに政界再編についてみなさんの意見を聞いた方がいいと申し上げたところ、「議題を設定しない」と言われた。だからいま、意を決してこういうことをやっているわけだ。私には全く邪心がない。まさにみんなの党が発展していくために松沢さんが言ったように、ガバナンスをきかせないと。これは組織の基本だ。ましてや17億円の政党助成金が入る、立法事務費が入る政党は、人一倍身を律して、しっかりとガバナンスをきかしていくことが必要だ。ということで、提起し、代表も受け入れていただき、せっかく前回の総会では、中西財務委員長に骨を折ってもらって、非常に前向きな案が出て、大筋で承認してもらった。そして今週の役員会では、私の方から公認手続きについての案を出し、柴田組織委員長からも地方組織の充実強化についての基本方針が出され、小野倫理委員長からは、党員資格、規律の問題が出されているという、まさに改革の途上で幹事長を辞めなければならないのか、全く理解に苦しむ。私は代表の人事権の行使といえば、それに従う。しかし言っとくが、私も筋を通しているのであって、ここは私の政治生命がかかっている。解任というのは。しっかり記者会見をさせていただき、真意を説明させてもらう。税金の解消を必死に訴えてきた我が党が、これまでの政党助成金の使い道が誰にもわからない、どうやって割り振っているのか、わかりますか。水野さん、わかりますか。薬師寺さんに何千万円いっているのか、わからないでしょう。
水野)政党助成金は、幹事長。あれでしょう。公開されているわけでしょう。
江田)公開って事務的でしょう。
水野)いまこの瞬間はわからないけど、しかしそれは収支報告されているんだから。
江田)そんなことを言っているわけではない。収支報告の監査を言っているのではなく、どの政党もですね、この間、中西さんの案で審議した、自民党であれば何百万円以上あれば幹事長決済、民主党であれば50万円以上、維新であれば5万円以上、というふうに、決済手続きはどこでもやっている。
水野)幹事長の「何十万円」というのはわかる。しかし今言っているのは、解任されたら記者会見でこんなことを言ってやろうというのは違うと思う。
(争う声)
江田)申し訳ないけど、私がこのような形で一方的に解任される以上、私は説明責任を果たさないと政治家ではない。いま申し上げている。私も組織人だから、私の真意を申し上げている。おかしいと思うならどんどん言ってもらっていいが、私は公党たるみんなの党にガバナンスをきかせて、さらに一致団結して、次の総選挙にむかって政権を目指していきたいという思いでやってきたということは申し上げておきたい。
水野)真意ではなく脅迫としか聞こえない。
江田)脅迫ではない。国民に判断してもらう。
(水野らの争う声)
江口)あなた、ちょっと黙って。幹事長、そのくらいにして。意見でつくしましたね。
真山)私がみんなの党に入ったのはみんなの党というブランドで、代表の冒頭の挨拶にあったような結党のこういう日に、こんなことがあるのはちょっと残気がする。私自身もそうだが、有権者からは「どうなっているのか」と言われるが、それは渡辺代表と江田幹事長のブランドで信用してくれて支持してくれているというところがあるんじゃないかと思う。人事について、企業に例える意見があるが、決定的に違うのは、私たちの歳費は社長からもらっているわけではなく、国民の税金だ。
いわば一人ひとりが独立した存在。だから私たちが恩を返すのは有権者であり国民という気がする。だから私もそうだが、みんなの党ということで当選した人は、そういう意識を持っていると思う。
みんなの党だから議員になれた。みんなの党が信用されているのは、渡辺代表と江田幹事長があってこそだと思う。代表が人事を決めるものだが、非常に気になるのは国民と党の間でねじれがおきないかが心配だ。新しい人事について国民にどう説明すればいいのか。
これは多数決ではない。私たちが代表を信任した限りは、代表が決めた以上はそれでやるべきだと思うし、4年たったみんなの党がここで顔を変えて、みんなの党が伸びればそれでいいが、私は不安が残る。ただ代表が決めた人事は尊重しないといけないし、みんなの党がこれ以上にアップしていかないといけない。みんなが認める形になればいいなと思う。
江口)いろいろ出ましたけど、出尽くしましたね。2度目(の発言)は控えて下さい。議論しても、24時間1週間やっても堂々めぐりだと思います。毎日こんなことをやっていたら、党ばかりやっていないで、我々は政治家ですからね。
国家国民を考えなければいけないという使命があるわけですよ。そういうことからすると、議論を繰り返してもしかたない。ただ規約には「両院議員総会の承認を得る」というのがある。この方法をどうするかについて、意見をいただきたい。
もうひとつ、代表選という話が佐藤さんから出てきた。これについて前回終わっていると私は思うわけで。代表選の議論は終わって、いまの代表でいこうということで拍手で承認したわけで。だからこれでまた代表選といいだすと、かえって大きな問題になり、ひょっとしたら党が四分五裂になる可能性も出てくる。
そういう意味で代表選をやるというのも。またここで挙手をするというのも、代表や幹事長を前にしてやりにくい。中にはひじだけ上げるという人も出てくるかもしれない。これは代表がいちおう方向を人事に出してきたということであるなら、いちおう...。
渡辺)私にも一言言わせて下さい。今日は率直な意見を聞かせていただき、有難う。いろいろ話したいことは山ほどあるが、時間が限られているので端的に。さきほど幹事長から政治資金について不正があったかのような発言が出た。例えば薬師寺道代に何千万円いっているのかという発言があった。私が不正をして...。
江田)不正とは言っていない。
渡辺)薬師寺道代にお金を送った。とんでもない話だ。
江田)不正とは言っていない。
渡辺)薬師寺道代はみんなの党の3公認として参院選に出て、また知事選までやっている。お金がかかる。
江田)もちろん。
渡辺)そういうお金を流すことが、あたかも不正であるような...。
江田)配分について透明であるべきと言っている。
渡辺)そんなことは断じてまかりならん。私は怒ります。
江田)わかっています。
渡辺)私が資金繰りのためにどれくらい苦労してきたか。言いたくないが、本当に大変だった。この間の参院選で候補者に配ったお金は政党交付金ではない。政党交付金は使い勝手が悪い。一般の政治資金として配る。でも残念ながら、寄付金はない。党費も少ない。
借金するしかないんですよ。そうやって借金をして、政治資金をまかなっている。そういうことで、何も言わずに私は自分で責任を背負ってきた。改革が遅れているかのような発言があった。しかし私は真剣に取り組んできた。こうした現実と向き合いながら。だから選挙が終わったとたん。改革プランが簡単に出てきたんじゃありませんか。
今までずっと積み重ねて考えてきたから、改革プランがすぐ出てくる。今まで選挙が連続してあった。毎年あったんですよ。昨年の衆院選から今年の参院選まで、半年ですよ。その間に、金の工面をしなくてはいけなかった。候補者も擁立しなければいけなかった。そんな時に私を補佐する幹事長が、大変能力があり、立派に仕事をいてきたと思う。しかし一般論としていいますよ......。
江口)そこまで。おっしゃらない方がいいですよ。
渡辺)代表が苦労している時に......。
江口)やめたほうがいい。
【次号に続く】
Written by 日刊ナックルズ編集部
Photo by DS80s
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