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アダルトグッズ進化論「アキバカルチャーとの接近」【取材協力:卸大手エーワン】

TABLO / 2013年11月1日 22時0分

アダルトグッズ進化論「アキバカルチャーとの接近」【取材協力:卸大手エーワン】

 かつては日陰の存在だったアダルトグッズ業界だが、時代とともにその中身は大きく様変わりしている。商品の形状、デザイン面での進化に関しては前回記事を参照してほしい。

【前回記事】

 アダルトグッズの進化に、インターネット通販(EC)が果たした役割は大きい。「ユーザーレビュー」によって初めて使用者の生の声が売り手側に届くようになると業界全体に競争意識が高まり、商品の品質も劇的に向上した。次第に商品が横並びになると各社は商品パッケージのデザイン、ブランディングに力を入れるようになる。

「5~6年前までは、AV女優の名前と画像を借りてパッケージデザインしている商品が中心でしたが、ここ3年ほどは、いわゆる"アニメ絵"を使ったオタクっぽいものが増えてきました。このところ、スター級のAV女優が出ていないということも影響しているでしょうが、ユーザーのニーズはよりアキバっぽい方向へ向かっているようですね」

 そう語るのは、アダルトグッズ卸問屋で業界最大手エーワンの横田さん。たとえばオナホールの場合はそれが顕著だ。オナホール自体は見た目もグロテスクで、商品そのものをビジュアル面で押し出すことはできない。そこで各オナホールはユーザーの妄想を喚起するイメージ画像をパッケージデザインすることになるのだが、そんな現場で男たち欲望がリアル(AV女優)から二次元イラストへ流れているというのは興味深い。

http://n-knuckles.com/culture/img/va-jinnfera.jpg http://n-knuckles.com/culture/img/va-jinnfera2.jpg

「オナホールの商品パッケージがリアル画像の場合、AV女優本人の人気に商品の売り上げが左右されてしまうことがありましたが、二次元イラストのほうは売上が安定しています。最近では有名なイラスト絵師を起用するなど、商品パッケージのクオリティもひじょうに高くなっていて、この傾向は今後も続くのではないでしょうか」(前出のアダルトグッズ卸の最大手エーワンの横田さん)

 アダルトアニメ調の商品パッケージはいかにもアキバ然としているが、じつはこの路線は日本国内の傾向のみならず、グローバルスタンダードでもある。日本製アダルトアニメは海外市場では「HENTAI」と呼ばれる人気ジャンルとなっているのだ。欲望が色濃く反映されるマーケットなのだから、アダルトグッズ業界は時代を映す鏡でもあるのは当然だ。日本独特のアニメ、アキバカルチャーが日本のアダルトグッズ業界を大きく変えようとしている。

<次回:アダルトグッズ進化論『M化する男たちの性嗜好』に続く>

Written by 北里雅俊

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