アイドルの恋愛事情「ユー、何してるの?」 でレッスン場から姿を消したジャニーズJr.

TABLO / 2013年11月6日 9時0分

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 バレて地方に飛ばされたり、ボウズになったりと涙の謝罪をするのも人気アイドルの必須なのか。そう「恋愛禁止ルール」だ。これはAKB48でも有名になったが、70年代、80年代からある「アイドルたちの掟」とも表現されるものだ。

 超アイドル事務所ジャニーズ出身者の身として強く言わせてもらうが、アイドルたちの「恋愛禁止」は当然のルールだろう。日本で言う男女のアイドルとは公然のものであり、また誰からも愛される存在として立場が求められる。それが日本のアイドル文化の伝統で、大衆に愛される存在を目指すなら、アイドルは誰かのものであってはならないというのは単純なことだ。アイドルは芸能人だが、芸能人なら誰でもアイドルなわけではない。アイドルとは特別な存在なのだ。

 業界の多くの事務所がそれを当然と考えているし、その方針に沿ってタレントを教育、管理している。特に若い男女を抱えるところは「恋愛問題」が事務所の存続だって危うくした事例も多くあるので、「恋愛は自由」だとは冗談でも言えない雰囲気だ。

 これはタレントがスキャンダルに見舞われるのを恐れているのではなく、仕事面で物理的な問題が多く発生するからだ。一般世間で考えてみても二十歳前後の若者であれば誰でも「恋愛事情」でちょっとした問題を抱えている。若くて多感な時期であればなおさらで、恋愛に関しては些細なことでも心が揺れ動き、仕事面に大きな悪影響を与えてしまうのだ。

 とくに女性アイドルの場合はそれが顕著になる。水着でグラビアを飾る子が「彼氏に反対されたっから辞めたい」というようなことを現場で平気で口にする。このように個人の諸問題を現場に持ち込まれるのはひじょうに面倒だ。実際、グラビア界隈ではこの「彼氏が...」というトラブルは多い。

 アイドルに理解あるのはやはり同業者だ。だから芸能人は芸能人同士と繋がることが多く、また生活も安定しやすいのだ。しかしそんな恋愛が芸能界でのポジションを確保して安定期にならないと無理。管理するプロダクション側からしたら、ちょっとしたことでもすぐに足元を掬われてしまう芸能界だけに「恋愛解禁」はなるべく認めたくないのが本音なのだ。

 それでも若いうちは無謀にも「恋愛も冒険」みたいに楽しむアイドルは多くいる。バレたら前出のような処遇や反省も然るべきだが、逆にバレなきゃイイみたいな例も少なくはない。そこまで余裕があるのは、既にそこそこの立場を持っていると自覚しているということだ。

「恋愛禁止」を支持する高橋みなみや松井珠理奈は、アイドルとはどういう存在なのか、よく理解している。「恋愛はいつだってできる。アイドルは今しかできない」と自身の所在をハッキリさせている姿勢はまさにプロであり、そうでないとファンへの裏切り行為となるのは言うまでもなく、芸能人だからといって恋愛してはいけないのではなく、「アイドル」という立場の自覚が必然的にそのように強くさせるのだ。

 プロデューサーの秋元康さんが恋愛禁止について「(たぶん)僕は言ってない」という発言も物議を醸したが、誰も言ってないことがひとつの大きなルールとして成立し、またメンバーも世間もそれを認めている。あえて言わなくても常識の範疇にある意識だ。「アイドル」という世界で生きるなら、「恋愛禁止」は暗黙の了解というレベルではないのが分かる。

 競争が激しく厳しいこの芸能界で、その中でも競争が過酷な「アイドル」のトップに君臨する超人気グループの一員で、その中でも生き残れるかどうかという戦いの最中で、愛だの恋だのって、そんなところに意識がいってしまうほど暇と余裕があるのは中途半端な連中でしかない。つまり、プロ意識が低くて、最終的には芸能界に残れないタイプの人間だということだ。

 もちろん、それは俺がいたジャニーズだって同じだ。昔、ジュニアの後輩が彼女と写った写真が雑誌に掲載されたことがあった。そいつはバカだから、その雑誌をレッスン場に持ってきて、みんなに見せびらかしていたのだ。

 そうしたら案の定、ジャニーさんにバレてしまった。

「ユー......、はぁ(ため息)......何してんの......」

 ジャニーさんは落胆したような呆れたような複雑な表情でつぶやいた。言うまでもなく、そのジュニアは間もなくレッスン場から姿を消した。

「金八先生シリーズ」に生徒役で出演していジャニーズの某アイドルも恋愛問題で表舞台から姿を消した。この男はドラマ出演の他にもグループでレギュラーを持つほどの人気があり、歌手デビューも大きく期待されていたが、突如として辞めて(消えて)しまった。

 この男は、ドラマで共演していた同じ生徒役の女子に恋してしまったのだ。すぐに付き合っていたことがバレて、ジャニーさんに「仕事と彼女のどちらを取るか?」という選択を迫られ、迷わず「彼女」と答えたという。

 ジャニーズを去った彼はその後、彼女と結婚をして今に至るというから本物だ。ここまで潔い生き方なら誰もが応援はしたいだろうが、当時の同僚(ジャニーズ仲間)は誰も彼の味方をせず「アイツはバカだ」の一言で吐き捨てられた。

 それから数年後のこと。「金八シリーズ」の同窓会で久々に彼と再会した。

 久しぶり~。今なにやってんの?

「今は普通に働いてるよ」

 そこで俺は以前から聞きたかった、あの時のジャニーさんから迫られた選択について聞いた。今でも後悔はないのかい?

「辞めて良かったよ。自由になれた気がしたね」

 尾崎豊の歌詞のように彼は表現した。アイドルの世界というのは、それほど息苦しい、過酷な世界なのだ。

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「帰ってきたカルチャースタァ☆平本淳也」

Profile●ジャニーズ出身の実業家、作家、投資家。10歳でジャニーズ事務所から芸能界入り、30歳過ぎまでアイ ドルを続け、現在もテレビや雑誌で活躍を続けるなか、月間100万アクセスを獲るカリスマブロガーとしても知られる。22歳のときに物書きデビューして以 来、34冊の書籍を発表。http://ameblo.jp/junya-hiramoto/

Written by 平本淳也

Photo by Will Foster Photography

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