闇サイトで定番の裏アルバイト「携帯買付、短時間で即金」業者に接触した

東京ブレイキングニュース / 2013年11月15日 20時30分

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 田園調布の女子中学生誘拐事件で再びその存在がクローズアップされた「闇サイト/闇の職業安定所」。その実態が、貧困者を詐欺行為で使い捨てるための場であることは前回の記事でも書いたとおりだ。

 そんな闇サイトには、ある定番の求人がある。非合法なやり取りが多く交わされる闇サイトの中で妙に現実味を感じてしまうのが、頻繁に見かける、通称「携帯買付」といわれる裏バイトだ。闇の職業安定所の掲示板では、「携帯買付1万以上即金」とか「携帯の買付バイト短時間で高収入可能」「生活保護OK携帯即金」というようなテキストで書き込まれている。この携帯電話、スマホの現物を売買するビジネスはどのようにして成り立っているのか。その錬金術が気になった。

 そこで先日からいくつかの「携帯買付」業者に取材オファーを出したところ、ある一業者から絶対匿名を条件に詳しい話を聞けることになった。その理由は、「日刊ナックルズ、いつも見てるんで!」という実に有難いものだった。携帯買付即金バイトの裏側に迫りたい。

――これは、どんなビジネスになっているのか。本当に誰でも短時間で即金をもらえるんですか?

「まあ、ほぼ誰でも即金でカネは渡せますね。それも数時間で4~5万にすることもできます」

――ほぼ......というのは、例外もある?

「最低限、身分証明書がないとダメですね。だからむしろ、生活保護者のほうが有難いんです。彼らは免許証がなくても生活保護をもらうために住民基本台帳カードは持っているんで。つまり、携帯電話を契約させるための最低限の資料というものがあればOKです。間違いなく即金でカネ渡せます」

――とはいっても貧困者をターゲットにしているのなら、当然のように過去に携帯を未払いでトバしている可能性もある。それでも、新規に携帯会社と契約できるんでしょうか。

「そんなの関係ないです。住基カードにはフリガナが振ってないんです。だから読み仮名を変えるだけで、全然いけるんです。たとえば、鈴木一郎だったら、『イチロウ』は諦めて『カズロウ』とか言い張らせるだけ。それは本人が言い張ればそうなんだからしょうがないでしょ」

――まだそれが通るんですか? 携帯を買う場合には当然、個人の信用情報がチェックされるはずですが。

「それがクレジットカードほど厳しくないんです。まあ、店舗にもよるというか、そのへんのことは詳しく言うとマズいんで(笑)」

――では、募集で集まった応募者は一体いくらになるんですか?

「1人で契約出来る最大限まで買い付けてもらうので個人差があります。例えばその人がドコモとソフトバンクを飛ばしてたら、その2社はもガードが厳しくなるので、それ以外のキャリアで買えるところまで買ってもらいますけど」

――それ以外のキャリアといっても、今はドコモ、au、ソフトバンク、イーモバイル、ウィルコムだけですよね。

「まだまだあるんですよ。カネになる通信キャリアってのが。プリペでも結構業者ありますし。あまりこれ以上は詳しく言えないですけど」

――それらの携帯電話の現物を、一台どの程度の金額で契約した人から買い取るのか?

「いろいろな値段付けがあるんですけど、基本的には一台で1万円前後にはなります。だけど、キャリアによっては一ヶ月目に料金払わないとすぐ止まるんで、買い取り金額には差が出ます。だから応募者は携帯の契約をするだけだから短時間でカネになるんです。今はやっぱり、プリペイド方面が美味しいですね」

――以前はプリペイドの方が価値が低かったという話ですが、今はそうではない?

「今はスマホのプリペイドもありますからね。最終的には一台4~5万で売れますから」

――他人名義の携帯電話、スマホを欲しがる人はどう考えても言えないワケありだ。犯罪に使われる可能性は高いはずですが......。

「そんなの知りません。万が一犯罪に使われても契約者は見知らぬ奴に売って、さらに闇市場に流れて、どこの誰だかわからない人間に渡っているので、逆に契約者も安心ですよと。そう説明しているくらいです。彼らにとってもすぐにカネになるし、身の安全も保証されているわけですからね。いつもお礼を言われますよ」

――闇サイトを見てアクセスしてくる応募者を騙している自覚はないんですか?

「騙しちゃいません。だから説明するんですよ。買付のことは全部。でも、闇サイトを見て連絡してくる連中って結局、サラ金はブラック、闇金で多重債務、毎週のように金利ジャンプで何十万の支払いに追われてるような連中ですからね。今すぐ即金で5000円でも欲しい、昨日も飯食ってないっていう人ばかりですから、みんな口々に『助かりました!』って頭を下げていきますよ。騙してるとは思いません」

 犯罪に使われる可能性の高い他人名義の携帯電話。闇市場に流れ、最後にたどり着くのは常習詐欺グループだ。ほとんどの契約者が薄々やばいことに気付きながら、目先のカネにつられて売り飛ばしてしまう。闇サイトで見かける「携帯買付のバイト」は、貧困者、社会的弱者を犯罪に巻き込む裏ビジネスの典型例だった。だが、契約者にも犯罪に加担しているという自覚は持っていただきたいと思う。

Written by 西郷正興

Photo by j u s t i n .

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