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中国で拘束の稲沢市議はハメられた?「日本人の老人は運び屋に最適」密輸マフィアが証言

TABLO / 2013年11月21日 13時0分

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 中国外務省の洪磊副報道局長は15日の定例記者会見で、愛知県稲沢市の桜木琢磨市議(70)が広東省広州の白雲国際空港で、覚せい剤所持の疑いで中国公安当局に拘束されたと発表した。

 桜木市議は、覚せい剤の入ったスーツケースを持っていた。「広州市で自称ナイジェリア人の黒人から預かった。中身は知らなかった」と話しているという。所持していた覚せい剤は、3キロあまり。末端価格にして2億1000万円という大きなものだった。

 過去、2003年から2006年の間に覚醒剤を日本に密輸しようとした疑いで4人が逮捕、起訴され、いずれも死刑が確定した。罪状名は、麻薬密輸罪(日本の営利目的麻薬輸出罪または営利目的覚醒剤輸出罪に相当)だった。

 これらは全て死刑が執行された。20011年にも40代の日本人男性に死刑判決が下されている。こんな危険を承知で多くの日本人が、違法薬物の密輸に手を染めているのが現実だ。

 日本人が関わる麻薬密輸の実態を聞くために、このビジネスに詳しいイランマフィアに連絡を取った。

――この事件の背景はわかる?

「わからないけど、広東省から何かを運ぶのは難しいよ」

――なぜ?

「あそこはマカオの近くで、薬物がかなり蔓延している。だから警備も厳しいので私たちは絶対にあの地域は避けていた」

――過去にイランマフィアが中国で麻薬密輸で拘束されたことは。

「友人が中国で捕まって死刑になった。家族は死刑に使われた弾薬の金まで中国から請求された、と嘆いていたよ」

――桜木市議は自称ナイジェリア人から荷物を預かったといっているが、そんなケースはあるものか。

「桜木市議の地位を利用して、運び屋に仕立てようとしていたのかも。中身のことは本人に言わないで荷物を預けるのは、密輸の手口。それに日本人のお年寄りは運び屋としてはいちばん確実だからね」

――運び屋にはどのような人間を使うのか。

「お年寄りであまり海外に行かない人間。いちばんいいのは、ツアーの団体客でお年寄り。若くて何度も海外に個人旅行してる人間は使わない。そういうのは捕まる確率が高くなるから」

――本人にはどこまで事前に説明するのか。

「最初に荷物を運んでほしいと説明する。だけど怪しいものとは言わない。中身は知らないほうがいいと話している。航空運賃は出して、現地で荷物を持って帰ってきたら謝礼を渡す。それだけなので簡単だよ」

――では、最悪の場合、死刑になることも話さない?

「話すわけないよ。みんな捕まるとは思っていないんだから」

――運び屋になりたい人間などいるものなのか。

「逮捕されてない人間は何回でもやりたがる。それと紹介が多いね」

 過去の例をみても、桜木市議の「中身は知らなかった」という弁解は認められそうにない。広州市に消えた自称ナイジェリア人だけが真相を知っているが、身柄の確保は不可能に近い。中国当局は近く桜木市議を逮捕するとみられ、その後、裁判の手続きが進められる。

Written by 西郷正興

Photo by Memories/ユニバーサル インターナショナル

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