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暴排条例で激増中? ヤクザが密漁で荒稼ぎ「俺たちはアワビ専門だ」

TABLO / 2013年12月15日 11時0分

暴排条例で激増中? ヤクザが密漁で荒稼ぎ「俺たちはアワビ専門だ」

 暴排条例施行後、追い詰められたヤクザがこれまで考えられなかった業種に進出するなどして混乱が起きている。その中でも深刻なのは漁業へ食い込みだろう。地元漁師や監視カメラの目をかいくぐり、彼らは「密漁」で荒稼ぎしているという。

 暴力団関係者の関与が表面化してきた「密漁」の実態に迫るべく、暴力団関係者で構成された「密漁団」のリーダー男性(44)に話を聞いた。彼らの拠点は海沿いの中規模な地方都市だ。

――いつ頃から密漁を?

「もうかれこれ3年にはなるかな」

――密漁を始めた理由は?

「一番の理由は安定したシノギが無かったからだよ。密漁は北海道や東北じゃかなり多かったんだけど、この辺りは目立った海産物がなかったので、ヤクザものは誰も目を付けなかった。それなら俺たちがやるしかないなと。今では密漁する奴も増えてきたけどな」

――密漁のために準備したものは?

「中古のプレジャーボート買って、エンジンをいじったくらいだな。ボートが約100万、強力なエンジンが約200万くらい。そのほかの道具はメンバーから集めた」

――メンバーとは?

「密漁団といっても、ド素人を集めてるわけじゃない。若い衆は漁師上がりが結構いるんだよ。足りない道具はそいつらが持ってきたものを使っている」

――主に何の漁をしているのか?

「俺らはアワビ専門だ。大きさによって全然変わるが、1キロで平均して5000円にはなる。それを一日によって、最低でも20~30キロは上げるようにしている」

――捕まることはないのか?

「基本的に密漁は禁漁期間の春から秋にかけてやることが多いので、それほど簡単に見つかることはない。海上保安庁から逃げるのは簡単だし、海上で見つかっても道具を全部捨てて海釣りしてればいい。今までにも何回かあったけど、港に戻ったら警察が待っていたということはあった。これはほとんど地元の漁協からの密告だな。だけど初犯は罰金のみ。その後もたいていは執行猶予で出てこれる。3回逮捕されたけど密漁では懲役は行ってないよ」

――漁協が稚貝を放流して育てているなら密告も当然だと思われるが。

「俺たちは養殖場を荒らしてるわけじゃない。それじゃ窃盗になるだろ。ヤクザは窃盗はしないよ。アワビは海の幸だ。天の恵みだろ。それに捕ってるアワビが全部、漁協の権利なわけがない」

――アワビはどのようにして現金化するのか?

「知り合いの店に流すことがほとんど。仲買人に卸すことも多い」

――今までどの位儲けたのですか?

「1年で2000~3000万にはなる。どう考えても陸のシノギでこの金額を稼ぐのは無理。だから最近、この辺にも密漁が増えてきているんだよ」

 暴力団関係者による密漁は増加傾向にある。今年の9月には、愛知県田原市で大アサリの密漁をするなど漁業法違反の疑いで山口組系暴力団組長(50)が逮捕されたばかり。県警によると暴力団組長が密漁を指示し、組の資金源にしていたとみられている。暴排条例によって暴力団の資金繰りが苦しくなった現在、組織ぐるみの「密漁」は今後も増え続けていくだろう。

Written by 西郷正興

Photo by oktanik

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