アダルトグッズ進化論:広がる女装...ジョソコの時代へ【取材協力:卸大手エーワン】

TABLO / 2013年12月13日 22時0分

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 アダルトグッズの進化が止まらない。技術革新もさることながら、カップルで使うものから個人向けへ時代に合わせて用途も中身も変わり、デザイン面でも様変わりした。世界の流行とも無縁なところで独自の市場と商品構成を築いてきた。オタクカルチャーとともに海外からも注目される日本独特の「大人のクール・トイ」の現場を数回に渡ってリポートしたい。

 前回は日本人男性に進むM化と、それに合わせて変化していくアダルトグッズ業界の変遷を伝えた。日本人男性の性的指向を考える上で、このM化現象と無関係とは思えないのが、ここ数年の「女装」ブームである。

 日本では古くから女装を趣味とする男性は少なくなかったが、今回の女装ブームはその流れを汲むものではない。また、クラブカルチャーと密接なドラァグクィーンとも明確には異なっている。これらの文脈からはかけ離れた場所で発生したのが「女装子(ジョソコ)」ブームなのだ。

「今までの女装と違うのは、『女装子』はコスプレの延長に近いということ。性的指向は同性愛に限定されず、両性愛、異性愛も多い。とくに若い少年が女装して、見た目が女の子として成立する場合は『男の娘(オトコノコ)』と呼ぶ場合もあります」(女装子としてイベントにも出演する男性)

 この新たな女装ブームが、アダルトグッズ業界全体にも大きく影響した。いわゆるボンテージやベビードール、制服系などの「アダルトコスチューム」の購買層が、女装子の登場によって男性側へ大きくシフトしたという。アダルトグッズ卸問屋で業界最大手エーワンの横田さんが証言する。

「3~4年前から、女性用のアダルト系コスチュームに『大きなサイズはないのか』という要望が急速に増えてきました。アダルトグッズ業界が取り扱うコスチュームというのは、あくまでカップルが二人だけで密室で楽しむためのものでしたが、『女装子用』の場合は人に見られることが前提です。今では男性でも着用できるフリーサイズのものも増えています」

 かつての女装者といえば人目に付かないようにひっそりと暮らし、活動の中心は同好の士が集める女装サロンと相場が決まっていた。だが「女装子」は、クラブイベントやパーティーなども積極的に参加し、多くの目に触れようとしている。

 趣味としての「女装」は大きく様変わりした。その一因として、テレビで活躍するマツコ・デラックスやミッツ・マングローブといったオネエタレントの存在もあるだろう。世間の空気では、ここ数年で急速に「女装」に対しての嫌悪感が減ってはいないか。

「すでに動きの早い店舗は女装用コスチュームの充実化を進めています。アダルトグッズ業界全体がこのジャンルの広がりに期待している状態ですね」(前出・横田さん)

 今回の女装ブームは、かつての小さなコミュニティにとどまる規模ではない。いつ時代も日本の性産業は欲望溢れる若者たちが牽引していくのだ。

Written by 北里雅俊

Photo by CEBImagery.com

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