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街頭の手相占いが詐欺商法の入り口に!? 「30人に1人は騙されますよ...」

TABLO / 2013年12月25日 19時55分

街頭の手相占いが詐欺商法の入り口に!? 「30人に1人は騙されますよ...」

 宗教は儲かるというのは、このクリスマスの大騒ぎをみれば誰もが同意するだろう。そしてこの宗教は、裏社会との接点が多く、シノギの温床となっているケースがある。それは何よりも「宗教法人は課税されない」という点が裏社会の人間には都合がいいからだ。宗教ビジネスには様々な形態があるが、年末になると急激に増える街頭の「手相占い」に関する怖い話を紹介したい。

 都内で暮らすフリーターの植村一樹さん(仮名・27歳)は、ネットの掲示板で「短期で稼げます。法律には触れません」との書き込みを見てそのアルバイトに応募した。仕事内容は本当に簡単だった。指定された人間の尾行を数日行うだけ。その間の毎日の服装のほか、家の特徴や分かる範囲で家族構成、毎日の通勤時間、行動の特徴を、雇い主の「本部」へリポートするという内容だったのだ。

「探偵の真似事して日給1万円でした。これは楽でいいやと、そのまま言われるがままに指定された人数分のリポートをし続けたんです」

 植村さんに本部から調査終了の指示が入ったのはそれから2週間後のこと。まもなくその町周辺には大勢の易者が出現した。植村さんが指示されて尾行リポートした対象人物の最寄駅付近、通り道、会社の付近に「手相占い」が待ち構えたのだ。

 そこで、いきなり声を掛ける。

「あなたの家には、大きないちょうの木がありますね」

 何でもいいから、その人間の住居の特徴を言い当てるのだ。植村さんの尾行リポート通りなのだが、当人からしたらびっくり仰天だ。これは当たる占い師に違いないとなる。当然、まったく信用しない人間がいるが、それはすぐに諦めて次のターゲットに的を絞るのだ。対象の多くは若い女性、オタクっぽい男性だという。これらの中から反応があれば、手相占いを入り口として徐々に不安感をあおり、高額な開運グッズを売りつけたり、セミナーへ誘い込む。そして最終的には宗教団体へ勧誘するという流れになる。ここで前出の植村さんが証言する。

「出会い系は1000人に1人のコンバージョン(割合)だとしたら、宗教は30人に1人は騙されます。宗教は出会い系と比べても断然に効率がいいビジネスなんですよ」

 植村さんはこのバイトにはまった。

「こんなおいしい金儲けがあるんだ。それならもっと儲けてやろう」

 そう考えると、すぐに「本部」の人間へ直訴した。植村さんが単なるアルバイトから運営側に回るのにはそんな時間はかからなかった。1年も経たずに「手相占い」でも売り上げ上位となり、幹部に出世したという。

「今は総勢で10人前後で日本列島を縦断しています。一つの土地に滞在するのは1ヶ月から2ヶ月。その間に1人が数人を落とせば、十分にペイするんですよ。尾行アルバイトはその土地の人間から集めています」

 彼の話はまるでビートたけし原作の『教祖誕生』そのままの世界である。くれぐれも街頭の「手相占い」には用心してほしい。

Written by 西郷正興

Photo by 教祖誕生

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