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震災後の渋谷アンダーグラウンドを描いた問題映画『HO~欲望の爪痕』原案D.Oインタビュー【前編】

TABLO / 2014年1月1日 18時0分

震災後の渋谷アンダーグラウンドを描いた問題映画『HO~欲望の爪痕』原案D.Oインタビュー【前編】

 2014年の1月11日に、なんとも日刊ナックルズ的な映画が公開される。 東日本大震災直後の渋谷を舞台とした 「和製反権威主義映画(ジャパニーズ・アンダーグラウンド・オペラ)」 と銘打った超問題作である。この映画の何が問題なのか、まずは関わっているメンバーの名前を見て欲しい。

 主演が大人気セクシー女優の横山美雪、そして原案が練マザファッカーのD.O、さらにベテラン俳優陣や、レイパー佐藤や黒田勇樹ら強烈な個性を持つキャストが脇を固めるという、あまりにもナックルズ度の高すぎる布陣。D.Oといえば、ダウンタウンの番組『リンカーン』(TBS)で中川家の剛にラップを教えるという役回りで一躍有名になり、エイベックスと組んで大きな展開が決定した矢先に不祥事(オクスリで逮捕) を起こし、すべての音源の発売・配信が中止、さらにはゲスト参加したZEEBRAのライブDVDからも出演シーンが全カットという辛酸を舐めた男である。そんな彼が見て来たストリートやアンダーグラウンドの 「リアル」 をとことん追求した内容になっているという。

 今回はそのD.Oと盟友のPIT GOb、そして映画の企画者YOCCHIに、荒井禎雄・草下シンヤ・松本和彦のNDOトリオ(http://ch.nicovideo.jp/ndo)が、酒を呑ませて口を割らせるといういつもの手段で取材(というか事情聴取) を敢行しました。

ーーHOについて色々とお聞きしたいのですが。

「はい、最近のTHCの研究によると、ロールして摂取できたのは2000年頃はたかが20~30%です。 それが最近の研究ではアイソレーターによってTHCを分離させ、固形化してより成分を抽出し、なんと60%まで摂取できるようになったんです。さらに、今年になってその抽出した成分を薬品と融合する事によって、99%まで摂取できるようになりました。これがワックスというヤツです。形状はハシシに似ているんですが、色も違うし中身も濃いと。そして液体のTHCも登場しています。今アメリカでは州によって大麻が合法化され、少しずつ流れが変わって来ています。まだ医療解禁レベルですが」(D.O) 

ーーなるほど、それがHOであると。世界中の人間がハッピーになればイジメ問題はじめ様々な社会問題が解決すると、そう主張するジョン・レノンみたいな思想ですね。

「そうです。 色々とややこしい法律で制御されてしまっている部分を解放すれば、社会問題どころか世界の歪みまで無くなるんじゃないかと」(D.O)

ーー例えばイジメ問題だったら、イジメっ子をさらって来て、薬漬けにして、その時に使った薬代を返済できるまで山小屋に閉じ込めて単純作業をさせ続けるとか、そういう解決案ですね。

「いや~さすがにそこまでの話はさせて貰ってませんね!」(D.O)

(探り合い終了)

ーーでは映画の話にしましょう。まず上映がオーディトリウム渋谷との事ですが、ここって高相が捕まった場所の近くですよね?

「近くというかまさにソコって話ですね。でもそういう連中のいる界隈で起きてる現実とか、震災以降の渋谷やアンダーグラウンドな世界で何があったのかを、可能な限りのリアルを追求して描いているので、オーディトリウム渋谷から始まるというのは合ってると思います」(D.O)

ーー出演陣が豪華というか、かなりカオスですが、印象に残っている方はおりますか?

「みんなそれぞれの持ち場で頑張ってくれました。横山さんや桃宮さんも、段々と役柄の名前で呼び合ったり入り込んでくれて。本当にいい現場になりました。他にも素晴らしい役者さん達が出演して下さいまして、元男闘呼組の前田耕陽さんをはじめ、黒田勇樹さんなんかも出てくれていますし、現場で強烈だったといえばレイパー佐藤さんはキャラが凄かったですね。それに我々の世代だと宇宙刑事が出てくれたのが嬉しかった」(D.O)

ーーホントだ! 渡洋史さんて書いてある! シャリバンだ! JAC出身だからアクションもスタントも何でもござれじゃないですか!

「他にもクセの強い面白いメンバーが揃ってますので、それぞれどんな役なのか楽しみにしてください。裏話をひとつすると、後藤○樹さんには出演を断られました(笑)」(YOCCHI)

ーーえ~? 銅線パクって捕まるような子にも断られる映画ってどんな内容なんですか!?

「いやいや、彼も複雑な立場ですし、映画の内容が内容なので仕方ないっすよ」(D.O)

ーーそういえば協力にクランチと書いてありますが、これって格闘技団体のクランチですか?

「そうです。リング上以外でも試合が起きる事で有名なクランチです。彼らが極道役として何十人規模で出てくれてます。クランチといえば、ボクらもゲストで出たことがあったんですが、我々の出番の前に乱闘が起きてドンガラガッシャ~ンになっちゃったんですよ。それぞれどこの組だ~! とか、看板出しやがったな~とか、会場中で100人単位の殴り合いになって。そしたらどっかのバカが投げた鉄柵が人に当たって、歯が折れて失神しちゃう事故になったんです。そしたら犯人はカモフラの坊主だ! そいつを捕まえろ! という声が挙がりまして。 その日って運悪くメンバー全員がお揃いの迷彩柄の衣装を着てたんです。ふと隣を見たら、PITGObがまさに迷彩服を着た坊主頭で、今からゲストでライブやるってのに、ボクらが降りて行ったらアイツらじゃね? と会場がザワついて。今まで掴み合いしてた連中が一斉にボクらを見るんですよ。ライブの最中もボクらを指さしてコイツだ! コイツだ! とガラガラ言ってるヤツがいるし。それで危ねえから早いとこ出ようかと思ったら会場の外で検問張ってるんです。そいつらもPITGObを見てカモフラの坊主頭を通すなって言われてんだけどお前らじゃね? なんて囲んで来まして。 あれは非常に困りましたね」(D.O)

ーーD.Oさんのそういった体験なんかも作品に盛り込まれています?

「なんせ活動してる場所が深夜のクラブとか盛り場が多いので、夜な夜な想像を絶する出来事がありますからね。そういう未知との遭遇が多い現場をサバイブしてきた経験が作品に込めてあります。これは現場を知ってる人間にしか描けないだろって」(D.O)

 こちらがあの手この手で揺さぶったり、わざとおちょくるような聞き方をしても、全てを陽気に温厚に受け流すD.Oの懐の深さにシビレました。 あまりにいい人だったので、ついつい調子に乗ってオクスリで逮捕された時の話なども聞いてしまいました。 それと現場で起きた事件や失敗談などは次回お届けします。(※後編に続く)

『HO~欲望の爪痕』

1月11日(土)~17日(金)オーディトリウム渋谷で1週間限定レイトショー(21:10より上映)。それを皮切りに全国主要都市を中心に上映予定。 

企画:YOCCHI

原案:D.O

監督:柴田愛之助 

脚本:久保田浩康

音楽:JASHWON、柴田新之助

プロデューサー:D.O、吉村正人、柴田愛之助

制作・配給:株式会社ギルド

公式サイト:http://ho.glow-united.com/

公式Twitter:@ho_movie2013

キャスト:横山美雪、虎牙光揮、桃宮もも

友情出演:杉原勇武、川連廣明、D.O PITGOb、渡洋史、レイパー佐藤、木更津与兵衛、鈴川真一、紅井ユキヒデ、小沢アリス

特別出演:中原翔子、島津健太郎、黒田勇樹、前田耕陽

<ストーリー>

 2011年3月11日、東日本大震災が日本を襲った。 その後の東京、渋谷。アンナ(横山美雪)は渋谷の街角に立ち、客を取る"売春婦"。 ある日、アンナは警察に捕まりそうな所、偶然居合わせたもう一人の"売春婦"ミク(桃宮もも)に助けられる。 人なつこいミクはアンナに生きて行く為に体を売らずに金を手に入れる"クールな仕事"を教える。 次第に友情を深めて行く2人だったが"クールな仕事"を地回りのヤクザである神崎(前田耕陽)に知られ、神崎組の魔の手が伸びる。 追われる身となった2人にマル暴の川村(虎牙光揮)が助けに来るが......。

Written by 荒井禎雄

Photo by 『HO~欲望の爪痕』公式サイト

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NDO(日本のダメなオトナたち)http://ch.nicovideo.jp/ndo

※様々なジャンルの、何かしらの専門知識を持つ様々な業界の人間(オトナ)「ダメそうなオトナたち」による、マジメなんだかいい加減なんだか解らな い情報バラエティチャンネル。毎週日曜の昼間に、日刊ナックルズの(勝手に)公開編集会議を放送しています。記事に対するご意見ご要望などありましたら、ぜひご参加ください。

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