「結婚しないことは悪なのか?」アラサー独女が毒を吐きたくなる瞬間(神崎桃子)
KOIGAKU / 2017年1月2日 11時0分
あなたは独女だろうか?
決まった彼氏はいるだろうか?
ただ単に「好んで一人でいる」のならいい。「独りが寂しいなんて思わない」と開き直れるなら構わない。生涯独身として貫くのも人生。
それは不幸なんかではない。自分で選びとった生き方なのだから。
しかし問題なのは“なにも好き好んで独女になっているわけではない”場合である。
それを放置しているといつしか「独身の独」としての“独女”ではなく「毒を吐く」“毒女”としてバージョンアップしてしまうのである。
そう、こんなふうに……。
「なんであの子が結婚できるの?」人の幸せは喜べない毒女
友人の吉報に「わ~~~おめでとう!」の歓声を上げるよりも先に「え? なんで? アンタが?」という心の叫びの方が早いのではないだろうか?
そう、友達の結婚報告を受ける独女が味わうのは焦燥感と敗北感! でもその“負け”は決して認めたくはない。
「なんであの子が先に? 結婚?」
「顔だって中の下じゃない……取り柄もなにもないくせに」
「どうみたって彼女よか私のが上……」
こんな風にドス黒い感情が湧き出てしまうのである。
アラサー独女は「人の不幸こそ蜜の味!」……それには喜んで食らいつくくせに人の幸せには毒を吐いてしまうのである。
結婚は愚か彼氏もいないとなると独女の嫉妬ややっかみは増長する。
キャピキャピした若い子や男性社員にチヤホヤされている女子社員にも牙を向ける。
「……ったく最近の若い子は……」
「男漁りに会社にきてんじゃね~よ」
「仕事もできないくせに男に媚びるのだけは上手いんだから」
と重箱の隅をつつくように他人の粗探しをしてしまうのだ。
「生理的にムリ!!」「この男、ないわ~」とタイプじゃない男にめちゃくちゃ手厳しいのが毒女
「いい人かもしれないけど、男として見られない」
「ぶっちゃけ、ありえない!生理的に絶対ムリ!」
「1度のデートで『残念な人』として終了~」
などと“最近いい男がいないと嘆くアラサー独女”は自分の好みじゃない男にすぐにダメ出ししてしまう。
「真面目な男性とはデートしててもなんかつまらない、それより会話が楽しくて美味しいお店とか知っててスマートにエスコートしてくれる男性といるほうが気分いいもん」と20代の頃から女慣れしている年上男性と遊んできたあなたは立派な毒女の仲間入りかもしれない。
誰かに問われても
「え? 理想? ううんううん、理想なんてこれっぽっちもないの」
「わたしが好きになった人がわたしの理想かな」
「贅沢なんて言わない。自分が好きになれる人なら誰でもいいの」
などと下手に出たふりをしながら実は男への注文がうるさいのが特徴。
「理想なんかない」といいながら自分のタイプではない男性に対しては手厳しい態度を取る。好みじゃない男はぞんざいに扱い、ないがしろにしてしまうのだ。
優しすぎて物足りない、強引さが足りなくて頼りない、固すぎてつまらない……そんな理由で男を見下す。たとえ彼らが自分に好意を抱いていたとしても面白味のない誠実な男をバカにする傾向にある。
そんな男たちが本当は結婚向きの優良物件の男とは知らずに、この先もっとイイ男が現れるはず……とバッサバッサ潔く切り捨ててゆく。そしてキチンとした男性に見向きもしなかったアラサー毒女はのちにしっぺ返しを食うのである。
アラフォーになった彼女に彼らはもう声は掛けない……。
「男としてみれない」と断言していたその男性に「もう女としてみれない」と素通りされてしまうのだ。
「寂しい女と思われてる?」「誘ってくるのは既婚者ばかり……」不倫の餌食になるのが毒女
歳を重ねると合コンや独身男性からの誘いは徐々に減り、逆に妻帯者からの誘いの方が多くなってくるもの。アラサーにもなれば職場での責任やポジションが上がっていくと同時に仕事のストレスや悩みも抱え込むだろう。
入社当初は仕事帰りに気軽に飲みに行っていた女子社員や同僚達も年々減り、いつの間にか愚痴や弱音を言える人間がいなくなってゆく……。そこにつけこんでくるのが既婚者の男だ!!
「キミは誰よりも頑張ってる。僕はキミをちゃんと見ているよ」
「君はぜんぜん悪くない。悪いのは部長の方だ」
「実をいうとね、妻とはずっとうまくいっていないんだ……キミみたいな子ともっと早く出会いたかった」
これこそアラサー独女にとっては甘美な毒薬である。
既婚男性の”女の褒め方”はとても巧妙だ。
彼らのその慰めに心地よさを覚えてしまう。
「彼はわたしのことを認めてくれている」
「本当の私を理解してくれるのは彼だけ」
と本命ができるまでのつなぎのはずがいつしか不倫ワールドにどっぷりハマりなかなか抜け出せなくなくなるのである……。
“その場しのぎの愛の戯言”を山ほど身体に流し込まれたあなたは「わたしは女として奥さんなんかよりも愛されている」と毒づき「愛してない奥さんといるより私といたほうが幸せに決まってる」などと厄介な自信を持ってしまうのだ。
親は顔をみるたび「誰かいないの?」……この詰問に「結婚しないことが犯罪なのか!?」と反撃してしまうのが毒女
親からの電話しかり実家に帰省してもしかり「アンタ、誰かいないの?」……。
このセリフを耳にタコができるくらいリフレインされるあなたは「チッ、ウザい」「ほっとけよ」「結婚しないことであんたに迷惑掛けてないじゃん」「もう口聞きたくない」と親に対し思春期以来の反抗期に突入してしまうのだ。
そしてその愚問を繰り返すのはなにも親だけではない。親戚から実家の近所のオバサン達もこぞって「●●ちゃん、誰かいい人いないの? より好みしてちゃだめよ」「早く親を安心させてあげなよ」「孫の顔見せてあげることが1番の親孝行」「そんなこと言ってるとあとで後悔するよ」とお節介にも攻撃してくるのだ。
女がいくら自立しようが、仕事を頑張ろうが、収入やキャリアがUPしようが親や親戚は褒めてなどくれない。
「おめでとう!」
「よくやった!」
「でかした!」
と親に称賛されるのは結婚するときと出産においてだけなのだ。
しかし周囲がこれほどまでに結婚をまくしたてるのは悲しいかな「出産のタイムリミット」があるから。独身の男ならそこまで“結婚”について追求されなくとも女となれば話は別。
親は高齢出産に差し掛かる前に「ここでなんとか手を打ってくれ」と思うからこそ圧力を掛けてくるのだ。
そして出産は“産んで終わり”でなくそのあとには“育児”というエネルギーを消耗する果てしない戦いが待っているからこそ「早くしろ」と急かすのである。しまいにはあんなに男関係に厳しかった父親でさえ、
「もう順番なんてどうでもいい」
「デキ婚でも構わない」
「早く片付いてくれ」
などと言い出すことだろう。
親からのプレッシャーがハンパないのはアラサー世代の独女ならではのことである。
しかし思春期以降のその反抗期は必ず終止符が打たれる。
時が経ち、結婚や出産が困難な年齢になれば周囲も一切忠告しなくなるからだ。「子どもを生むか? 生まないか?」という選択の余地はなく諦めるしかないのである。
独女でいることが罪ではない
結婚しないことが“悪”ではない。独身でいることが“罪”ではない。
ひとりで生きてゆく、結婚しないことが決して不幸なことではない。
しかし「あの人ホント毒女。いつまでも結婚出来ない女性は毒があるよね」となるのは不幸なことである。
“結婚しないこと”で周囲に迷惑や悪影響をもたらすことはしてはならない。
1人でいることでストレスが溜まってイライラしたり、人に当たったりトゲトゲしくなることがいけないのだ。
“結婚しないことが不満につながる”のはいいことではない。
独身でいることが自分にも周囲にも「毒」にならないようにしよう。
周りに“毒を吐くばかりの人生”は決して幸せとはいえないのだ。
体験型恋愛コラムニスト・神崎桃子
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