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「Q:女子力ってなんなんですかね?(33歳女性・OL)」(ラブホの上野さん)

KOIGAKU / 2017年2月19日 10時0分

ご質問誠に有難う御座います。

「一緒に歩くときは、自分が車道側を歩く」

これはどなたでも1度くらいは聞いたことのある「デートのマナー」で御座います。さすがに、このマナーを「そんなマナーがあるんだ!知らなかった!」と仰る方はそうそういらっしゃらないことでしょう。

たとえこれまで恋人がいたことのない方であっても「俺、もし恋人が出来たら、車道側を歩くんだ」と妄想くらいしたことがあることと思います。

しかし、街を歩いて街行くカップルを眺めてみれば、このマナーが守られていないカップルというのは決して少なくありません。個人的な感覚としては5組に1組くらいは女性が車道側を歩いているように感じます。

もちろん、いくらこのマナーを知っているとはいても「忘れている」ということもあるでしょう。またマナーを知った上で「別にそんなもんどうでもいいだろう」と思っている方もいることと思います。

ですが、私は男性が車道側を歩かない理由というのは、この2つ以外にも、もう1つあるような気がしてなりません。「忘れている」というわけではなく、「知った上で無視している」というわけでもない、そんな理由が。

それはずばり端的に言えば「恥ずかしい」で御座います。

正直に言えば、私も人生で初めて「あ、このタイミングは俺が車道に立たなきゃ」と思ったとき、すぐに行動に移すことはできませんでした。理由は今にして思えば、完全に「恥ずかしい」で御座います。

女性の方からすると理解がしにくいかも知れませんが、男性にとって「レディファースト」的な行動というのは結構恥ずかしいもの。「女に媚を売ってる軟弱な男に見えてしまうのではないか」とか「そこまでして機嫌を取ろうとするのは男らしくない」とか、そんなことを考えてしまうのです。

女性からすれば「そんな小さな見栄を気取っている方が、ずっと恥ずかしい」とお思いになることと思いますが、思春期くらいの男性にとってはその小さな見栄が何よりも重要なのです。というか、私は26になりましたが、いまだに少なからずそんな気持ちは御座います。「恥ずかしいけど、やったほうがいい」からという理由で車道側を歩くことは出来ますが、それでも少しくらいは恥ずかしいと気持ちは御座います。

皆様はこんな小さな見栄を恥ずかしがって、女性に紳士的な行動が出来ない男性のことをどのように思いますか?

いじらしくて可愛い?
ださい?
男らしくない?

様々な感想があることでしょう。
しかし、その根本には「そんなこと気にしないで、車道側を歩けばいいのに」という気持ちはあることと思います。
こんなちっぽけな見栄を気にして、車道側を歩かない男性と、気にせず車道側を歩く男性のどちらの方が魅力的かということは聞くまでもないことでしょう。

さて、その「小さな見栄を気にして仕方がないなぁ、女の子は守ってほしいんだから、車道側を歩けばいいのに」という気持ちですが、これは「男性が、ぶりっこになれない不器用な女性」に感じる気持ちとほとんど同じで御座います。

「女の子どうしの見栄や関係を気にして仕方がないなぁ、男はぶりっこだ好きなんだから、ぶりっこになればいいのに」と言ったところでしょう。

今回のテーマである「女子力」で御座いますが、男性が考える「女子力」というのは9割方「ぶりっこ」と同じ意味だと思って頂いても問題御座いません。

「いかにも女の子らしい仕草や恰好」

それが「男に媚を売るためだけの演技かどうか」なんていうことはそこまで重要ではないのです。

ご質問者様は「女子力ってなんなんですかね?」とご質問をされておりますが、この聞き方からしても恐らくご質問者様は「女子力」に対してネガティブなイメージが多いことでしょう。

かなり恣意的(しいてき)な推測になりますが、会社の後輩社員である女性が、女性から見れば「演技でぶりっこでしかない」女子っぽい行動をしたときに、男性社員が「女子力高いね」と言ったのを見て「あの程度の演技すら見抜けないで、それを「女子力」なんて言っちゃう男ってなんなんだ?」というような事情があったのではないでしょうか?

もし「女子力」なんていうものが存在するのであれば、それは「ぶりっこ」のような「演技」で出来るものではなくて、もっと高尚なものであるはず。そんな「本物の女子力」を見抜けない男ばっかりで嫌になる。そんなお気持ちがあるのではないでしょうか?

しかしそれは残念ながら、自分勝手な意見でしか御座いません。

「あんな見え透いたレディーファーストをする男より、俺の方がずっと優しいのに、何で女の子は分かってくれないんだ」と思っている男は、この世界に腐るほどおります。ご質問者様はそんな男のことをどう思いますか?

「それが分かってるなら、あんたもレディファーストすればいいじゃん」と思いませんか?

「本物のやさしさ」も「本物の女子力」も、それは想像上の自分勝手な空想に過ぎません。なぜなら、それを届けるべき相手にその「優しさ」や「女子力」は届いていないのです。自分が勝手に作った「本物」が相手に受け入れられない、と怒る子供っぽい価値観でしかありません。

最後にご質問者様のお悩みに回答をさせて頂いて、今回の回答を終わらせて頂きます。

女子力とは何か、と聞かれれば、そこには2つの意味があると言えるでしょう。

1つは「女性が考える女子力」
これは、女性らしく活躍している、という意味合いであることが多いでしょう。バリバリ仕事をこなし、常にモテているものの男を軽くあしらうことも出来るような、そんな女性であるかもしれません。

2つは「男性が考える女子力」
これは、端的に言えば「ぶりっこ」で御座います。悪い言い方をすれば、自分を「女らしく着飾り」男性の好意を集める能力、と言っても良いでしょう。

別に私はどちらの女子力を高めろ、と言うつもりは御座いませんし、別にどの女子力も究めない、という人生を歩んでも良いと思っています。

ですが、もしご質問者様が男性にモテたいのであれば、それは間違いなく2つ目の女子力を究めなければなりません。どれだけ1つ目の女子力が理想的で美しく見えたとしても、それは客に届かぬ商品で御座います。

そのことをどうかご理解頂ければと思います。

Written by ラブホの上野さん

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