「ホイッスラー展」×街コンは相性バツグン！『横浜アートde街コン in 横浜美術館』

アメリカ、イギリス、フランスの20か所以上の美術館など所蔵機関から、油彩・水彩・版画作品約130点が集結！ ジャポニスムの巨匠、ジェームズ・マクニール・ホイッスラーの全貌を紹介する大回顧展が2014年から15年にかけて、日本では27年ぶり、世界でも20年ぶりに開催されました。

2月28日、「ホイッスラー展」会期の最終日前日ともあって混み合う横浜美術館では、この半世紀ぶりのこのレアな機会にあやからんとばかり（？）に、美術鑑賞で感性を高めつつ、街コンも楽しんじゃおうという『横浜アートde街コン in 横浜美術館』が行われ、総勢50名を越える男女が集合。さて、“街コン”と“美術鑑賞”という少しミスマッチにも思える組み合わせのこのイベントですが、果たしてどの様な雰囲気だったのでしょうか？ 当日の様子をレポートします！

ホイッスラー展には、スタイリッシュな大人が集う？

スタート前に参加者の男性に話を聞いてみると、「実は、街コンに参加するのは初めて。街コンといえばノリが若いイメージがあって、行くのをためらっていたんですが、美術鑑賞とセットなら落ち着いた雰囲気なんじゃないかと思って、思い切って参加しました」（32歳男性／技術職）とのこと。確かに、参加者の皆さんの顔ぶれを見てみると、一般的な街コンの参加者に比べて大人っぽい落ち着いた雰囲気です。大人っぽいといっても決して地味というわけではなく、美術に興味を持つ方たちとだけあって、スタイリッシュな方が多い印象を受けました。

ミニレクチャーで、展示の予習はバッチリ！

鑑賞する前に、まずはレクチャーホールにてホイッスラーに関する予習を。レクチャーを担当してくれた横浜美術館 主席学芸員の沼田さんは、ホイッスラーの作風についての説明や代表的な作品の解説に加えて「横浜美術館にもカップルや夫婦でいらっしゃる方がとても多く、“街コン”と“美術館巡り”って実はすごく相性がいいと思うんです。鑑賞し終えた後は、お食事をしたりカフェでお茶をしたりしながら、じっくり作品について話していただきたいですね」と、イベントの楽しみ方も提案してくれました。先ほどは“街コン”と“美術鑑賞”はミスマッチなんて言ってしまいましたが、なるほど、そう言われると相性バッチリに思えます（笑）。

「ダンディ」で「女性好き」？　ホイッスラーの意外な一面も

またレクチャーでは、今回の展示でも大きく取り上げられている《白のシンフォニー No.2：小さなホワイト・ガール》を始め、ホイッスラーの作品の数々でモデルとして描かれている「ジョー」ことジョアンナ・ヒファーナンとの恋愛にまつわる話や、ホイッスラーが「ダンディ」の代表的人物として名を馳せたエピソードなども明らかに。作家についてあらかじめ知っていれば、鑑賞する際にまた違った見方が出来そう！ 鑑賞への期待が高まります。

男女グループに分かれて鑑賞へGO！

レクチャー後は男女4人のグループに分かれて、まずは自己紹介を。一通り、グループの皆さんの名前を覚えたところで、さっそくスタッフからグループごとに渡されたチケットと、展示に隠された謎を解き明かす「謎解きラリー」のカードを持って入場します。

展示の中から「謎解きラリー」の答えを探さなければいけないことも手伝って、皆さん作品を観る目は真剣そのもの。休日で混み合う美術館内、あまり大きな声でおしゃべりも出来ないこともあり、男女間の心理的&物理的な距離がいつになく近かったのも印象的でした。

街コンタイムは「謎解きラリー」の答え合わせで大盛り上がり！

そして観賞後は、お待ちかねの街コンタイム！ 美術館内併設のフレンチレストラン「ブラッスリ―・ティーズ・ミュゼ」が街コン会場なので、移動も楽ちんです♪ ビュッフェを楽しみつつの「謎解きラリー」答え合わせは、正解が一番多いグループに美術館特製トートバッグが当たるとだけあって大盛り上がり！

答え合わせが終わった後にはすっかり打ち解けて、和気あいあいと談笑ムードでした。そんな中、参加者の皆さんに展示の感想を聞いてみると、とある男性が「ホイッスラーがデザインしたというピーコック・ルーム（《青と金色のハーモニー：ピーコック・ルーム》）の映像が印象的です。その色彩や存在感に圧倒されました。ずっと観ていたかったです」とあまりにも熱っぽく語ってくれたので、何だかちょっとドキドキしてしまいました（笑）。美術館の中の数多くの作品から特別な一枚に出会うように、素敵な運命の相手が見つかるといいですね♡