なぜ? カップルが素敵なバカンスや旅行のあとで”いさかい”が起きやすいワケ
KOIGAKU / 2015年11月20日 7時0分
強い愛情で結ばれていると確信を持ったすぐ後に、突然、パートナーが遠い存在に感じられたりすることはありませんか?
・ ある朝目覚めたら、なぜか彼(彼女)に対して言い知れぬ憤りや疎ましさを感じている自分に気づく。
・ 夢心地の旅行。幸せな気分で帰ってきた直後、ちょっとした言い争いが生じた途端、急に本当に好きなのか疑問に思ったり、思いもしなかった別れが頭を過ぎる。
・ 彼(彼女)の発した一言に批判的になって怒りを感じ、他の異性に魅力を感じるようになる。
激しい恋に落ちた方のほとんどが経験している“瞬間的心変わり”。
突然の心の変化は、しなくてもいい諍いを引き起こしたり、「冷却期間」を口にしたりして、せっかくの恋を早々に破壊してしまうことも。
そんなことにならないよう、なぜ”瞬間的心変わり”が起こるのかを解明しておきましょう。
過去の傷は「愛される」のを待っている
目の前の相手によって起きたと思い込んでいるその感情は、実は「過去の傷」という未解決で不安定な感情から引き起こされていることが多いのです。
過去に心の奥底にしまわれていた感情……それらは新しい恋に出会い、その愛情が安定し、ようやく表面に出てきても安全だと感じられるようになった途端、唐突にあふれ出てきます。
ハッピーな恋愛感情が胸の奥深くに凍結させてあった悲しみを溶かし、愛を信じることが急激に恐くなるという形になって。
それは愛情で大きく開かれ無防備になった心だからこそ生まれる苦痛です。
失恋経験なんかないよ! という方も胸に手を当てて思い出してください。
父母や教師や友人に1度も傷つけられたことのない人間なんていないでしょう?
恋愛だけに限りません。
過去に人によってもたらされた傷(苦痛や悲しみ)は、誰かから本当に愛されるのを待って表面に顔を出します。
問題はその感情を目の前の相手のせいだと勘違いしてしまうことです。
突然、パートナーに負の感情が湧きあがってきたときは、ぶつける前に、それが過去の傷が引き起こした不安感ではないのか、自分に問いかけてみましょう。
人の心理には「90対10の原則」が働いている
心理学では、恋人との関係の中で説明のつかない心の乱れを経験する原因の90%が自分の過去に関係があると考えられています。
自分では目の前の彼(彼女)とのことが原因だと思っていても、実際には今起こっていることが関係しているのは、わずか10%程度だということです。
たとえば、もし、いつも優しい彼氏があなたに少し反抗的な態度をとったとします。アレ?と思っても、「嫌なことでもあって八つ当たりしてるのね」と1度は許してあげられるでしょう。
でも、別の日にまた同じことがあると、今度はかなり傷つけられませんか?
それは、心の奥底に秘めていた過去の感情が頭をもたげてきた証拠です。
結果、あなたの神経は敏感になり、これまで取るに足らないことだと思えた相手の態度が耐えられないことのように思えてくる。……
パートナーが嫌な態度を示しているように感じた時、それに対する心の打撃のうち10%だけが直接的な彼(彼女)からの影響で、残りの90%は自分自身の過去がそうさせてるってことなんです。
分かりにくい方は、怪我を想定してみてください。
誰かに腕を軽く突っつかれたり、ぶつけられても大した痛みじゃない。
傷の跡だって残らない。
でも、すでに外傷や炎症を起こしている箇所を同じようにされたらどうでしょう?
おわりに
別の言い方をすれば、突然負の感情が湧いてくるのは、今の恋愛が充分に実り、次のステージへ入ったということになります。
安定して心が大きく開かれたからこそ、「裸の自分」が溶け出してくるのですから。
この理屈をしっかり覚えておいて、どんな時も相手に対する愛情と信頼を失わずにいられたら、不安はいつか和らぎ、さらに深い愛情を実感できるようになるはずです。
不安定な感情は、愛されているという充足感を実感できるようになるための「最初の試練」といえるかもしれません。
参考文献
「ベスト・パートナーになるために」 ジョン・グレイ 三笠書房
Photo by Vive La Palestina
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