韓国でコンサートの闇チケットが猛威…問題は「緩い処罰規定」
KOREA WAVE / 2024年1月17日 17時0分
【KOREA WAVE】韓国で最近、業界が闇チケットとの戦いを繰り広げており、弱点の多い処罰規定が闇チケット販売が幅を利かせている原因だと指摘されている。
歌手のチャン・ボムジュンはこのほど、闇チケット問題でコンサートをキャンセルした。2年ぶりに開く公演を控えて闇チケット取引が盛んになったため、チャン・ボムジュンは「闇チケット問題を解決できず、ひとまず公演チケット前売りを全て中止すことにした。今後もう少し公平で良い方法を探して改めて公表する」と明らかにした。
昨年開かれた歌手イム・ヨンウンの全国ツアーコンサートでもチケットが売り切れると、16万ウォン(1ウォン=約0.1円)相当のチケットが10倍を超える金額で取り引きされることもあった。
歌手IUは、昨年コンサートを控えて闇チケット取引を防ぐために不正取引申告者にチケットを贈呈するいわゆる「暗行御使(アメンオサ/朝鮮王朝時代地方官を秘密裏に監査した密使)制度」を試みた。
最近、ダフ屋らは主にコンピューター「マクロ」プログラムを活用してチケットを買い占めている。マクロは自動的に特定の命令を繰り返し入力する方式で、短時間で大量の情報を送ることができるプログラムだ。
キーを一度叩けば、同一命令が繰り返されるため、人が直接操作するよりチケット購入に成功する確率が高い。
闇チケットの申告件数は急増している。韓国コンテンツ振興院の資料によると、2020年から2022年までに申告された公演の闇チケット件数は2020年359件、2021年785件、2022年4244件で急激に増加している。
これに対し、コンサート主催社はマクロプログラムを利用した購入者を自主モニタリングしたり、現場で厳格に本人認証手続きをするなど、闇チケット取引を防ごうとする措置をしているが、闇チケット取引行為を根絶するには力不足だ。
処罰方法が適当でないという点も問題に挙げられる。ダフ屋を処罰できる法的規定は軽犯罪処罰法と刑法上の業務妨害罪などだ。
軽犯罪処罰法は公演会場や競技場などで、追加金を払ってチケットの転売を受けた者には20万ウォン以下の罰金を科すように定められている。罰金が小額なので抑止力が微々たるうえ、オンラインによる闇チケット売買には適用できず、現実とかけ離れた規定だという批判を避けられない。
業務妨害罪は5年以下の懲役または1500万ウォン以下の罰金に処することができるため、軽犯罪処罰法よりは重い制裁が可能だ。実際、2017年に野球試合の闇チケット販売のために1人当たりの前売り数制限があるにもかかわらずマクロを利用して数百枚のチケットを購入した者を偽計業務妨害と認定し、被告人に懲役10カ月、執行猶予2年を宣告した事例もある。
ただ、業務妨害罪の場合でも法的にポータルサイトまたは通信販売業者だけが被害者と認められるという点が限界に挙げられる。
(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News
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