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「さよなら、うちのワンちゃん」死に装束を着せて嗚咽…韓国の動物葬儀場に行ってみたら

KOREA WAVE / 2024年2月1日 17時0分

京畿道広州市(キョンギド・クァンジュシ)の動物葬儀場「21グラム」に設けられた白磁の骨壷のサンプル(c)MONEYTODAY

【KOREA WAVE】韓国京畿道広州市の動物葬儀場。1月23日、ある女性が泣き腫らした目で追慕室からとぼとぼと出てきた。彼女は突然の事故で死んだペット犬の葬儀を営むためにここを訪れた。

急いで出てきたせいか、トレーニングウエア姿だった。

彼女は5年以上育てたペットに死に装束を着せ、火葬場に移されるとしきりに涙を流した。ペットのそばには普段好きだったおやつが置かれた。女性は火葬の間、椅子に座りもせずにずっと足踏みしていた。

ペット人口1000万時代に入り、動物のための葬儀場が続々と登場している。これまで動物の死体は生活廃棄物に分類され、指定されたゴミ袋である従量制袋に入れて処理しなければならなかった。最近、このような葬儀場が増えたため、ペットを見送らなければならない飼い主の悲しみが、いささかなりとも癒やされるようになった。

(c)MONEYTODAY

この日訪問した動物葬儀場「21グラム」は1日15組の予約が可能なところだ。同日の予約はすべて埋まっていた。昨年は約4000匹の動物がここで葬儀を営んだ。葬儀指導士12人が勤務し、子犬、猫のほかにもヘビ、カメレオン、ハムスターなどさまざまな動物の死体を火葬に付すサービスを手掛けている。

葬儀は人の葬儀と変わらない。大きく分けて、納棺、追悼式、火葬、骨上げ、奉安などの順で進められる。葬儀指導士が動物の死体をきれいに拭いて、死に装束を着せ納棺を終えると、飼い主は1坪余りの部屋で最後の別れの挨拶を交わす。弔問客や香典なしに家族だけで1日葬を営むのが人の葬式と違う点だ。

飼い主は動物の足にインクをつけて足型を残したり、少量の毛を切って保存したりする。縁の紐を意味する赤い糸を足に結び、飼い主の髪の毛と結んだりもする。追悼式が終わると、飼い主は葬儀指導士と一緒に火葬場に移動する。2時間余りの火葬が終われば、骨上げをし奉安して保護者に引き渡す。飼い主たちは遺骨を家に持ち帰ったり、ネックレスとして身につけたりすることもある。

40代のチョ・セヨンさんも同日、16年以上飼っていたペット犬を見送るためにここを訪れた。

「ペットは家族のような存在だが、庭に埋めることや従量制袋に入れて処分することなどできない。このように子どもを送ると安心感もあり、傷んだ心が癒やされる。私たちだけの追慕空間で十分に別れができて良かった」

動物葬儀場は飼い主の心身を優先的に考える。特にここは飼い主が同行せずに動物だけを運んで葬儀を代行する「非同行葬儀サービス」もある。主に体の不自由な独居の高齢者や、葬儀を見守るのが辛い飼い主らがサービスを利用する。ハム・ジユン葬儀指導士は「最近はペットロス症候群に陥る飼い主も多い。非同行サービスの他にもペットロス克服ガイドブックを提供している」と話した。

(c)MONEYTODAY

動物葬儀情報ポータルによると、全国で合法的に運営される動物葬儀場は約58カ所だ。動物保護法によると、動物葬儀業をしようとすれば、葬儀場・火葬場及び納骨堂など必要な施設と人材を備え、市長・郡守・自治区の区庁長から承認を受けなければならない。

わずか数年前までは、動物の火葬場が不足して不法に運営されるところも多かったが、最近になって合法化した空間が大幅に増えた。これをめぐって地域住民と対立することもある。地域住民らは、ややもすれば住宅価格を下げ、環境を汚染させる恐れがあるとして、葬儀施設の建設に反対している。

ハム・ジユン葬儀指導士は「ペット葬儀場は依然として横行している不法火葬場や嫌悪施設などをなくすために作られた。一生を共にしたペットを見送るのはとても悲しいことであり、その方々に子どもと最後に美しい別れの挨拶を交わすことができるように使命を果たしている」と話した。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News

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