目の前が真っ暗、あっという間に気絶…韓国記者が体験した「地球重力の6倍」(上)
KOREA WAVE / 2024年3月10日 14時0分
【KOREA WAVE】確かに目を開けていると思ったが、一瞬目の前が真っ暗になり意識を失った。実際に戦闘機を操縦していたら、機体が墜落して命を失っただろう。話には聞いていた重力加速度耐性強化訓練を体験した瞬間だった。
記者は先月28日、韓国忠清北道清州(チュンチョンプクト・チョンジュ)にある空軍航空宇宙医学訓練センターでG-Test、非常脱出訓練、飛行錯覚体験、高空低圧環境訓練など「空軍飛行環境適応訓練」を受けた。この訓練はすべての空中勤務者が必ず履修しなければならないもので、飛行中に体験するさまざまな問題を事前に体験して対処する目的がある。
最もつらい練習はやはりG-Testだった。戦闘機が高速で飛行する際に発生する重力加速度で意識を失うことを防ぐための訓練だ。重力が大きくなると、圧力によってあっという間に体内の血液が下半身に集中し、目と耳には血が供給されず、視野がぼやけて(グレーアウト)、目の前が真っ暗になり(ブラックアウト)、一時的な意識喪失状態に陥ることもある。
戦闘機操縦席型の訓練装備に乗ってシートベルトを着用すると、装備がまるで遠心分離機のようにくるくる回りながら加速し始めた。搭乗者に加えられる重力を引き上げるためだ。
重力加速度が地球重力の2~3倍を超えると、顔が歪んでますます醜くなるのが感じられた。「6G」に近づくと、視野が狭くなるグレイアウトを感じ、まもなくブラックアウト状態に陥った。「練習した呼吸法をしなければなりません」という言葉は聞こえたが、前は見えず、体と魂が分離した気分だった。
気がついたら、ぐっすり寝て起きたようだった。わずか数秒しか経っていないが、この時、夢を見る人もいるという。不安感と恐怖感を感じる場合もあるというが、記者はむしろ安らぎを感じたので、運が良い方だと訓練教官は話した。
G-Testを克服するためには、血が頭に円滑に供給できるように、お腹と太もも、ふくらはぎの筋肉に力を入れ、約3秒間隔で素早く呼吸を繰り返す「加速度耐性増進技法」を駆使しなければならない。グレーアウト・ブラックアウトの段階でAGSMをきちん行えば、再び視野が広がり、緊急事態を避けることができる。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News
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