[KWレポート] 犯罪者が来たがる不思議な国 (1)
KOREA WAVE / 2024年4月7日 15時0分
【KOREA WAVE】「ルナ」と姉妹ステーブルコイン「テラ」。一時、時価総額100兆ウォン(約11兆円)まで急騰した韓国産暗号資産(仮想通貨)だが、2022年に暴落し、世界の暗号資産市場を混乱に陥れた。
開発者であり、ブロックチェーン企業「テラフォーム・ラブズ」のクォン・ドヒョン最高経営者は暴落直前の同年4月、シンガポールに出国し、姿をくらました。クォン氏は詐欺などの疑惑で訴えられた。
その後、アラブ首長国連邦とセルビアを経てモンテネグロに入国したことが確認された。そして昨年3月、偽造旅券でUAEに向かおうとしていたところ、逮捕された。
モンテネグロの裁判所はいったん、クォン氏の米国への送還を決めた。米国証券取引委員会やニューヨーク連邦検察が提訴・起訴していたためだ。米国で有罪となれば、量刑が100年以上になる可能性もあった。だが、上級審は「韓国の犯罪人引き渡し米国より先に届いた」という判断から一転、「韓国への引き渡し」とした。
「クォン氏は米国で一生、罰を受けてほしい」。韓国行きの可能性が語られていた今年3月。事件被害者の間ではこんな嘆きが相次いだ。韓国人は韓国で裁判を受けるのが当たり前なのに、皮肉にも被害者は反発した。
韓国では、法感情と判決のギャップを指摘する声は以前からあった。最近は、詐欺やファンド事件のような金融・証券犯罪の判決に対する反発が特に強くなっている。「法感情に反して、処罰が軽くなる傾向があり、金融・証券犯罪は“ぼろ儲けできる商売”だ」という認識すら垣間見える。
実際のところ法律自体は弱いわけではない。それでも判決ではこのような判例はなかなか見当たらない。
その理由は「量刑基準」にある。
◇加重・減軽要素など「採点表」
量刑基準とは、裁判所が刑を宣告するのに参考にするガイドラインを指す。
刑法の傷害罪の場合、7年以下の懲役に処することになっており、宣告できる量刑の幅は非常に広い。同じように人を傷つけたとしても、ある人は懲役1年、別の人は5年となれば、法に対する信頼度が下がるだろう。
このために最高裁は、量刑委員会を通じて傷害の種類に伴う量刑、加重・減軽要素など「採点表」を作った。
これが量刑基準だ。
判決文に登場する「真剣な反省」「犯罪手法が残酷だ」などの字句も、量刑基準に明示された「加重・減軽」要素となっている。
(つづく)
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News
この記事に関連するニュース
-
「私とずっと付き合おう」接近禁止命令を無視、元カノをストーキング…韓国男性に懲役2年
KOREA WAVE / 2024年7月5日 17時30分
-
スクールゾーンで一時停止せず…11歳の男児をケガさせた韓国60代女性に有罪判決
KOREA WAVE / 2024年6月24日 19時30分
-
虚偽事実で訴訟を起こし、元恋人の住所を割り出す「悪質」手口…韓国・40代男性の「ストーカー行為」認定
KOREA WAVE / 2024年6月15日 16時0分
-
「リンゴがなぜこんなに高い」ナイフ手に暴れる…韓国の男性に懲役1年
KOREA WAVE / 2024年6月11日 20時30分
-
「畑に埋められた新生児」「あざだらけ女子高生」…韓国・虐待殺人罪適用へのハードル
KOREA WAVE / 2024年6月11日 19時30分
ランキング
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)