韓国の子どもたちが体感した「東日本大震災」からの復興プロセス…南三陸「山と海が調和、きれい!」
KOREA WAVE / 2024年8月14日 15時0分
【KOREA WAVE】
韓国京畿道(キョンギド)富川(プチョン)の総合学習塾「クリムナラ美術・補習学院」のキム・ソンジン院長と生徒計16人が来日し、7月31日から8月3日にかけ、東日本大震災(2011年3月)で甚大な被害を受けた宮城県南三陸町を訪れた。地元住民と交流するとともに、震災遺構などの見学などを通じて防災意識を高めた。
窓口になったのは、NPO法人「ヴィレッジネーション」(静岡県富士宮市、村松広貴代表理事)。東日本大震災の直後から南三陸町で視覚障害者を中心に支援を続けている。
クリムナラ美術学院は、高校生ら300人以上が犠牲になった大型旅客船セウォル号沈没事故(2014年4月)を契機に「命を守る防災安全教育」を重視するようになった。
同学院が日本における子どもの防災活動について調べていた際、「ヴィレッジネーション」の活動を知るようになり、直接連絡を取ったことでつながりができた。「ヴィレッジネーション」を通して、南三陸町の復興に関する活動記録を受け取り、教材として活用してきた。こうした経緯から「ヴィレッジネーション」を介したクリムナラ美術学院と南三陸町の交流が深まった。
2018年には学院の生徒から南三陸病院に「南三陸町にいた人は今、元気ですか」というメッセージとともに絵画が届いた。こうしたメッセージに子どもたちが「町の名物、キラキラ丼を食べたい」「『南三陸さんさん商店街』に行ってみたい」などと記していたこともあり、地元の水産加工会社と同社の協力会社2社が出資して子どもたちを招待することを決め、南三陸観光協会などの協力も受けて今回の訪問が実現した。
韓国の一行は7月31日、仙台空港に到着した。8月3日までの滞在期間中、南三陸病院や震災遺構の見学のほか▽地元素材を使ったモノづくりを担う「南三陸YES工房」訪問▽水産加工会社の工場見学▽キラキラ丼体験・夕涼み会参加――など、多忙なスケジュールをこなした。
参加した子どもたちは「南三陸町は山と海が調和し、きれいでした」(ハン・イェリムさん)▽「地元の祭りで、村のみなさんと一緒に踊ったことが一番記憶に残っています」(イ・ヘジュさん)▽「韓国文化との違いをたくさん感じ、興味深かった」(イ・ガギョンさん)▽「南三陸で多くの人々に会いました。みな親切で、温かかったです」(ぺク・ジュナさん)――などの感想を語っていた。
キム・ソンジン院長は「災害の痕跡を感じ、失われた方々を追悼し、町の復興を体感する時間になった。今回の体験によって変化する子どもたちを見て、言葉が通じなくても心を通わせられるということを改めて実感できた。住民のみなさんに感謝を申し上げたい」などのメッセージを残した。
一連の行事を終えて、村松代表理事は「純粋に“人を思う”という気持ちで交流を続けてきた。情操教育や国際教育を重視しつつ、若者の交流を進め、異文化への理解を深める。こうした草の根の交流が、多様な波及効果を生み、未来を創造していることを実感している」と振り返った。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News
この記事に関連するニュース
-
「風評払拭のためできることは」全国の中高校生ら40人が福島県で被災地視察ツアー
福島中央テレビニュース / 2024年12月15日 17時43分
-
あの日から13年9か月…東日本大震災後自主避難した女性が講話 「できることから災害への備えを」
ABS秋田放送 / 2024年12月13日 17時56分
-
関西学院大学災害復興制度研究所2025年復興・減災フォーラム「阪神・淡路大震災30年、問い直そうー私たちの被災者責任・これからの被災地責任」開催のお知らせ
Digital PR Platform / 2024年12月12日 14時5分
-
大川小学校に再び子どもの笑顔を 卒業生ら、交流拠点目指す
共同通信 / 2024年12月10日 17時27分
-
NEC、港区のワーケーション促進事業に参加。岩手県住田町で自然とともに新しい働き方を体験。
PR TIMES / 2024年12月10日 12時45分
ランキング
-
1中国民主化活動家の草分け王炳章氏の釈放求め「フリーダムハウス」ら世界の人権団体がキャンペーン 広東省の刑務所の独房に22年間収監され生命の危機に
NEWSポストセブン / 2024年12月22日 7時15分
-
2ブラジル南東部でバス事故、38人死亡
AFPBB News / 2024年12月22日 9時40分
-
3トランプ氏、NATO各国に防衛費2・5倍要求か…GDP比2%目標から5%へ
読売新聞 / 2024年12月21日 17時41分
-
4ドイツの車暴走、容疑者は「反イスラム」主義者…移民に対する憎悪に拍車の恐れ
読売新聞 / 2024年12月22日 9時40分
-
5「受刑者はすべて殺人犯」ギャング4万人を収容 エルサルバドルの「巨大刑務所」の実態 食事はすべて手づかみ、運動時間は1日30分
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月22日 7時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください