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ATMから4億ウォン窃盗、狡猾に逃走した警備男性…韓国警察が執念で追い詰めた9日間

KOREA WAVE / 2024年9月24日 11時0分

野山に埋められた現金を掘り起こす捜査員=ソウル永登浦警察署提供(c)MONEYTODAY

【KOREA WAVE】ソウル永登浦警察署刑事課強力1チームに7月23日午後8時すぎ、1本の通報が寄せられた。「セキュリティ会社職員の男性が、自身が管理していた銀行ATMから現金を持って逃げた」

警察が事態を把握したころには、すでにその男性(40代)は連絡を断ち、行方をくらましていた。

永登浦署刑事課のハ・ジョンヒョン警衛(警部補)と強力1チームのメンバーは直ちに、男性の追跡に乗り出した。同日夕方に始まった追撃戦は、その後、9日間続いた。

強力1チームが防犯カメラと出入り記録などを確認してみると、男性はATMから現金を取り出し、輸送車両に移した。その後、自身が準備したリュックサックに移し、普段のように退勤しながら携帯電話を切って姿を消した。

警察は、男性が直ちにタクシーに乗ったことを確認した。追跡技法を動員して、男性が乗ったタクシーが京畿道安養に移動したことも突き止めた。同日夕、安養で下車した付近を隅々まで捜索したが、男性の足取りは見つけられなかった。

ハ・ジョンヒョン警衛と強力チームは、翌日午前、ようやく防犯カメラの映像を見つけて分析し、男性がタクシーを2回乗り換えて京畿道龍仁のある百貨店に移動したことを突き止めた。

男性は半日の間にソウル→安養→龍仁に移動したのだ。途中で服を着替える緻密さも。強力1チームは駐停車監視用防犯カメラ、駐車された車両のブラックボックス、私設防犯カメラなどを分析した。

◇「追跡をやめれば、未解決事件に」

通報3日目、強力1チームは男性がタクシーに乗って龍仁から忠清北道清州のある町に移動した痕跡を見つけた。真夏の炎天下、刑事らはその町を集中的に捜索した。モーテルを歩き回って男性の行方を追ったが、まだ足取りははっきりしない。

ハ・ジョンヒョン警衛は「追跡する間に、被害に遭った銀行から『8000万ウォンだと思っていた被害金が2億ウォンに増え、まもなく約4億ウォンを超える』と聞かされた」。追跡をやめれば、未解決事件になり得ると危機感を募らせた。

強力1チームは清州のあるガソリンスタンドの前で、客を乗せたタクシーを撮った防犯カメラを確保した。周辺のすべての防犯カメラを分析して見つけた手がかりだった。

同日、このガソリンスタンドの近くで運行したタクシーのリストを確保し、清州の繁華街に移動したタクシーを当たった。

その結果、男性は逃走中にも娯楽を楽しんでいると判断した。タクシー下車地点近くの防犯カメラを確保し、男性が乗ったタクシーを見つけた。

◇行動パターンを把握

強力1チームは男性の行動パターンをある程度把握できるようになった。男性はタクシーで移動し、現金だけを使った。男性は1万ウォン札と5万ウォン札による合計4億ウォンをリュックサックに入れていた。タクシーで他の地域に移動し、その土地のモーテルに入った。

行動パターンを把握したことで、追撃速度も速くなった。

男性はその後、大田と大邱、慶尚南道、忠清北道を経由して江原道に移動した。

一時、男性が動けば、その5日後に強力1チームがそれをとらえるという状況だったのが、

1週間以上追跡するうちにその時間差は縮まり、男性が江原道原州のあるモーテルを宿舎にした時は、半日の差になっていた。

モーテル周辺の防犯カメラを分析した結果、男性はシャベルと現金カバンを持って近くの野山の登山路に登った。山から降りる時はシャベルだけ持っていてカバンはなかった。

チームは約2時間潜伏した末、1日午後3時40分ごろ、男性を検挙した。逃走から9日後だった。

男性は4億2000万ウォンを盗んで借金を返済し、遊興費などに使った。約3億4000万ウォンは江原道原州市のある野山に埋めていた。

ハ・ジョンヒョン警衛は「私たちだけの追跡ノウハウがある」と自負する。「詳細を語ることはできないが、すべての犯罪には目的があり、追跡する時は木より森を見る」そうだ。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News

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