「消えた4分」…韓国・事故機ブラックボックス不具合で浮上する「重大な電気系統の欠陥」
KOREA WAVE / 2025年1月14日 5時30分
【KOREA WAVE】韓国・務安国際空港で発生した済州航空機の事故で、ブラックボックス(飛行記録装置)が事故直前の4分間の記録を欠いていることが確認され、事故調査期間が延長される可能性が高まった。航空機における電源の完全停止や重大な電気系統の欠陥が原因と推定されている。
国土交通省によると、事故機の飛行記録装置と音声記録装置は、昨年12月29日の事故当日、午前8時59分に機長が鳥衝突による「メイデー(遭難信号)」を発した直後から、午前9時3分に地上物体と衝突するまでの4分間の記録が保存されていなかった。専門家らは、この現象が極めて異例であるとしつつも、事故直前に航空機の電気系統に深刻な問題が発生した可能性を指摘している。
カトリック関東大学航空運航学科のチョン・ユンシク教授は「エンジンの不具合で発電ができなくなった場合、バッテリーからの自動電源が供給されるはずだが、この過程で問題が起きたようだ。バッテリーが正常でも、電流を変換する装置に障害が発生すればブラックボックスへの記録に影響を及ぼす可能性がある」と指摘する。
そのうえで「エンジンが両側同時に故障するのは非常に珍しい状況だが、鳥衝突後にエンジンと発電機の両方が停止する深刻なショックが発生した可能性がある」と分析した。
一方で、事故直前に管制官とパイロットが通信していたことについては「通信に必要な電力はバッテリーから供給されていたと考えられる。完全な電源シャットダウンではなく、ブラックボックスに接続された電源系統に限った障害だったのではないか」との見解を示した。
韓瑞大学航空整備学科のチェ・セジョン教授も「両側のエンジンが停止すれば電源供給が途絶え、ブラックボックスや着陸装置、フラップなどの作動に影響を与えた可能性が高い」と述べた。
事故調査委員会は、ブラックボックスの記録が欠損していることで、調査が当初の予想より長引く可能性を示唆している。チョン・ユンシク教授は「ブラックボックスのデータをもとに推定する調査が難しくなったため、破片やレーダー、管制官の証言など多方面から原因を追求する必要があり、調査が長期化する可能性がある」と指摘した。
チェ・セジョン教授も「ブラックボックスを中心とした調査が困難となり、他の資料に依存せざるを得なくなるため、推定原因の割合が増えるだろう」と述べた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News
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