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膨らんだダウンジャケット、揺れるKファッションの信頼 [韓国記者コラム]

KOREA WAVE / 2025年1月28日 7時0分

資料写真(c)MONEYTODAY

【KOREA WAVE】物価高の傾向が続く中、コストパフォーマンス(価格対品質)が流通業界の重要テーマとなって久しい。天井知らずに高騰する食材や生活必需品の価格に負担を感じた消費者は、限られた予算の中でも負担の少ない製品を探し始め、1着を購入するにしても長く着られる高価な製品を選ぶ傾向を見せている。その結果、流通業界はコストパフォーマンスに加え、プレミアムという選択肢も無視できない状況となっている。さらに、他ブランドよりも安く、かつ品質の良い製品を見つけ出すことが、中低価格ブランドのみならず、それを販売する流通業界全体の生存戦略となっている。

しかし最近、中低価格帯のダウンジャケットを中心に広がった「充填材混用比率偽装」の問題が、消費者に新たな悩みを投げかけている。

製品に記載された商品情報が実際とは異なることが明らかになり、価格だけを見て製品を購入するべきではないという不信感が広がっているのだ。充填材が本当にグースダウン(ガチョウの羽毛)なのか、素材がカシミアなのか、実際に目で確認しないと安心できない状況に悪化している。ついにはダウンジャケットを購入した消費者が、国家認証機関に問い合わせる事態にまで発展している。

情報が誤記された製品を販売したブランドの説明には納得がいかない。生産業者を信頼し、製品確認をおろそかにしていたという言い訳に終始しているからだ。これでは、製品品質やブランドの信頼をすべて生産業者に丸投げしてきたと言っているようなものだ。一部では、長年ファッション業界に根付いてきた悪習が表面化したのではないかという見方もある。消費者がダウンの充填材混用比率まで知るのは難しいと判断し、コスト削減の一環としてこのような偽装に手を染めたのではないかとの指摘だ。

アパレル業界は大半が自社工場を持たず、生産基盤を持つ業者に製造を委託している。中低価格のインディーズブランドから始まったこの問題が、大手製造ブランドにまで波及し、K-ファッション全体に危機感が広がっているのが現状だ。こうした中、問題となった流通業者やブランドが事後対応策の検討に着手したことは心もとない。拡大する消費者の不信感が業界全体に波及するのを防ぐための抜本的な対策が見当たらないからだ。

昨年から、世界のダウン生産量の70~80%を占める中国で供給が減少しており、今年はダウンジャケットの価格がさらに上昇するとの見通しが出ている。薄くなった財布で「膨らんだダウン」を見る消費者の視線がいっそう冷たくなるのは避けられない。アパレル企業と流通プラットフォームは、一時的に危機を回避しようと問題を曖昧に済ませるべきではない。変化した消費者の目線に応えるためには、真摯な謝罪と特段の措置が急務だ。【MONEYTODAY チョ・ファンソン記者】

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News

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