韓国エアプサン機火災…「大量の航空燃料」爆発防いだ「命懸け」消火作戦
KOREA WAVE / 2025年1月30日 17時46分
【KOREA WAVE】韓国・釜山の金海国際空港で28日発生した格安航空会社エアプサン機の火災事故は、176人の乗客・乗員が無事に脱出し、大惨事を防ぐことができた。その背景には、消防隊員らの迅速で果敢な消火活動があった。
当時、火災は機体後部から発生し、強風(秒速10メートル)にあおられながら機体中央へ延焼する危険な状況だった。特に、航空機の両翼には約3万5000ポンド(約2万リットル)の航空燃料が貯蔵されており、火が燃料に引火すれば大爆発を引き起こす恐れがあった。消防隊は防御線を築き、集中的な消火作戦を展開して火の拡大を阻止した。
釜山消防災害本部によると、火災は28日午後10時15分ごろ、空港駐機場で離陸準備をしていたエアプサンBX391便(香港行き)の機内後部で発生した。機内後方の厨房にいた客室乗務員が、後部座席上の手荷物棚から炎と煙が出ているのを目撃し、管制塔に通報。その後、最初の119番が午後10時26分に入った。
空港公社の消防隊、さらに空軍部隊の消防隊が次々と現場に到着し、初動対応を開始した。釜山・江西消防署は午後10時38分、現場到着からわずか3分で「対応1段階」を発令し、消火活動を開始した。
消防隊は、航空機の翼に燃料が貯蔵されているという情報を得ており、強風の影響で火が翼に燃え移れば爆発の危険があった。しかし、現場に到着する前に、乗客170人(整備士1人を含む)と乗務員6人は全員がスライドを使って脱出しており、人的被害は最小限に抑えられた。
その後、消防隊は火が燃料タンクに達するのを防ぐため、防御線を築き、ポンプ車13台、特殊高所放水車5台、防水塔車1台を含む68台の消火設備を動員。航空機に向けて集中的に放水し、延焼を阻止した。
機体上部の大きな炎を消し止めた後も、消防隊は機内に残る火種を完全に消し去るため、最終的に機内への突入を決断。空軍第5空輸機動飛行団の消防中隊に所属する隊員4人が先発隊として機内に進入し、残る炎を完全に消火した。火災は発生から約1時間後の午後11時31分に完全鎮火となった。
消防関係者は「航空燃料火災を消火するために使用する特殊泡消火剤と特殊消防車を駆使し、火の拡大を食い止めた。もし消火に失敗して爆発が起きていれば、現場にいた消防隊員や空港関係者全員が無事では済まなかっただろう」と振り返った。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News
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