未来を走る!下関で始まったディーゼル列車のバイオ燃料実証実験
KRY山口放送 / 2024年2月3日 19時1分
山口県のJR下関駅の8番ホームに姿を現したディーゼル列車キハ40、この日は人を運ぶのではなく、試験のために走ります。
試していたのは、燃料を軽油から「バイオディーゼル燃料」に代えて、走行環境への負荷が少ない燃料が走行性能にどう影響するかの検証です。
試運転列車に乗ったKRY山口放送の高橋良アナウンサーは
「さらに加速が増してきました。キハ40のうなりは、これまで乗ってきた軽油で走っている既存の列車と比べても何も大きな変化はないように感じます」
JR西日本は、将来的にグループ全体でのCO2排出量「実質ゼロ」を目指していて、下関総合車両所にバイオディーゼル燃料の給油所を設備しました。キハ40のタンク容量は最大600リットル。試験では、エンジンには何も手を加えず燃料だけを変えて、加速や燃費など走行性能に問題がないことを検証していきます。
2023年度は下関から小串の間で走行試験を行って問題がないかどうか確認を行い、これで問題がないことが確認できれば2024年度は長期間の営業列車での試験を予定。それで問題ないことが確認できれば、2025年度以降に本格的に導入するとしています。
山口県内の多くの鉄道路線、電化されていない山陰線や山口線などでは、燃料は軽油のディーゼルエンジンの列車が走っています。軽油は原油から精製される化石燃料、燃やすと大気中の二酸化炭素=CO2が増加します。
JR西日本ではディーゼル車の走行で、年間約5万5千トンのCO2を排出しています。一方、バイオ燃料の原料は植物や微細な藻の仲間、さらに使用済みの食用油などで、燃焼して出るCO2と植物が成長過程で吸収したCO2が相殺されるためCO2排出量は「実質ゼロ」とみなされます。しかし、コストが高いなど課題もあります。
バイオ燃料は、軽油と比べて色に違いはなく、臭いはちょっと薄い香りがして、基本的にはガソリンスタンドで嗅ぐ香りとは変わりませんでした。
2023年5月から試験を行っているJR西日本では、現段階、速報のデータでは「バイオ燃料が使える」という感触が得られているといいます。
100%バイオ燃料で走る列車はJR西日本が初めてといわれていて、JR西日本では環境負荷の低減に向けて何か一つになればなと考えています。
山口での試運転が鉄道の未来に生かされる日が楽しみです。
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