岩国基地周辺PFAS、岩国市が年内に独自調査実施へ 福田市長が発表、「するかしないかわからない」山口県の対応に不快感
KRY山口放送 / 2024年11月20日 14時33分
米軍と海上自衛隊が共同使用する岩国基地(山口県岩国市)周辺で有害性が指摘されるPFASが国の暫定目標値を超えて検出された問題で、岩国市の福田市長は20日、市独自の調査を年内にも行う方針を明らかにしました。
(岩国市 福田良彦市長)
「(回答まで)ひと月くらいかかったが、(県は)『来年度に向けて県内の環境基準点等での調査の必要性を検討』と。要はするのかしないのか分からないということ」
20日の記者会見で不快感をにじませた福田市長。その相手は…山口県です。
岩国基地近くの水域ではことし国際団体や岩国市の市民団体が水質を調査し、有害性が指摘されるPFASの該当物質(PFOAとPFOSの合計)がいずれも国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノグラム)を超過しました。
これを受け岩国市は10月22日、国や県に対し調査を依頼していましたが、県は19日午後、「環境省と協議した結果、来年度に向け、調査の必要性を検討する」と市に回答しました。
(岩国市 福田良彦市長)「かなり時間が経っていたので、実施する方向で検討してみるという回答が来るかなと思っていたが、そういった回答でないと理解をしたので、市の方で独自に年内に調査をすると結論付けた」
岩国市は「PFASの排出源を特定するのではなく、市民生活への影響を調べるために実施する」とし、採水地点などは今後検討する方針です。同市が水源地以外の場所でPFASの調査を行うのはこれが初めてです。
米軍岩国基地は取材に対し、「PFASは、軍の活動や民間の産業活動の際、日本中の各地でおのおのの国籍を問わず共通の懸念事項であると認識しております。我々は引き続き、軍人軍属やその家族、また我々も居住し奉仕している周辺地域の健康を堅守してまいります。我々は、持続可能な解決策に向かってともにまい進する日本政府の関係各位と緊密な連携を今後とも継続していくことを通して、基地施設および環境に対して責任を負う者として、本件に関連するすべての合意事項、守るべき義務、定められた手順を堅持していきます」とコメントしています。
また在日米軍は14日、米国政府が在日米軍施設における全ての旧式水成膜泡消火薬剤の廃棄を完了し、原料としてPFOSやPFOAを含まない新式組成の水成膜泡消火薬剤に交換したと発表しています。
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