【特集】とにかく明るい!? 同性パートナーと暮らす女性が語る…LGBTQ当事者の「リアル」 岡山
KSB瀬戸内海放送 / 2024年11月26日 21時0分
岡山市で同性パートナーと暮らす女性。LGBTQ当事者としての「リアルな思い」を、初めて人前で語りました。
岡山市に住む、大和美菜子さんとパートナーの香里さん。2人はシングルマザー同士の同性カップルです。
大和さんはこれまで、男性・女性の両方と交際したことがありますが、女性を好きになることが多いといいます。
(LGBTQ当事者/大和美菜子さん)
「どちらかというと、レズビアン寄りのバイセクシュアルかなと思っている。1回子どもを産んでいるから」
自分の子どもが欲しいという思いもあり、結婚・出産を経験しましたが、気持ちのすれ違いなどが原因で離婚しました。
(LGBTQ当事者/大和美菜子さん)
「自分的にはもう多分男性とお付き合いすることは今後ないので、レズビアンかなとも思っている」
パートナーの香里さんは大和さんに出会うまで、恋愛対象は「男性」でした。
(大和さんのパートナー/香里さん)
「まさか女性と付き合うことになるとは思わなかった。明るくて行動力があるところが自分と正反対なので、そこが男とか女とか関係なしにいいなと思った」
大和さん「(香里さんは)まじめで誠実で、1回好きになってくれたらずっと好きでいてくれるんじゃないかと思っているよ」
香里さん「ありがとう」
大和さん「ハハハ!ウケる」
パートナーとして支え合い、充実した日々を送っているという2人。食べることが大好きな大和さんは、最近、インスタグラムを始め……。
(大和さんのグルメアカウント)
「おいしそ~、サクッとジューシー!」
豪快な食べっぷりでファンが増えているそうです。
(大和さんのパートナー/香里さん)
「すごい明るいんですよとにかく。元気が出ます、毎日」
幼い頃から明るく育ってきたという大和さんですが、「女性が好き」だと意識し始めた高校生の頃には戸惑いもあったといいます。
(LGBTQ当事者/大和美菜子さん)
「最初の頃は自分も知識がなかったので、女性を好きになるのがちょっとおかしいことなんじゃないかと自分でも思って、誰にも相談できなかった時期がありました。バイセクシュアルという言葉が私にぴったりだと分かった時にすごくすっきりして腑に落ちた。自分が何者であるかがはっきりしないことに一番悩んでいたんだなと思って、そこからは悩むことはなかったですね。『自分はこうです』と周りに胸を張って言えるようになりました」
大和さんは、家族や身近な人にLGBTQの当事者であることを伝えていますが、今回初めて、自身の経験を人前で話すことにしました。
(LGBTQ当事者/大和美菜子さん)
「まったく悩んでこなかったか、つらいことはなかったかというと、それは嘘になると思うけど、本当に毎日楽しく暮らしている人はたくさんいるよっていうことは皆さんに伝えたい」
11月16日、大和さんは岡山市北区の足守公民館を訪れました。イベントの主催者、助産師の東海林みゆきさんは「性教育」を身近に感じてもらうための活動の一環として大和さんゲストに招きました。
(イベントを主催した/東海林みゆきさん)
「(大和さんは)『どんな質問をしてもらってもいいんだ、全部オープンにするから』って。LGBTQの方が特別で腫れ物を触るみたいにするのではなくて、いろんな人がいるということを知ってほしい」
本番を前に、さすがの大和さんも少し緊張気味? かと思いきや……。
(LGBTQ当事者/大和美菜子さん)
「(香里さんが)おにぎり作ってくれた。もう半分かじっちゃったけど。ツナマヨが一番好きって言ったらツナマヨで……」
と、おにぎりを頬張る、いつも通りの大和さんでした。
(LGBTQ当事者/大和美菜子さん)
「こういった場所で話すのが初めてで、緊張してどうかと思ったのですが、全然大丈夫そうです」
講演会には、約20人が参加しました。
(LGBTQ当事者/大和美菜子さん)
「(自覚し始めた頃は)すごいモヤモヤしていた時期で、親にも、もしそうだったら申し訳ないという気持ちも少しあった。友達との会話で『バイセクシュアル』という言葉を初めて聞いて、私『それや!』ってなったんです。『私、バイセクシュアルらしい』って言って」
そんな大和さんが初めて女性と交際したのは高校3年生の頃。両親にはそのことを伝えられずにいましたが、事態は思わぬ方向に……。
(LGBTQ当事者/大和美菜子さん)
「(母)『あんたさぁ、彼氏できたんよなぁ。泊まりにばっかり行ってるけどあんた学生なんよ。妊娠したらどうするん?』
(大和さん)『大丈夫、大丈夫、心配ない』(母)『よう分からんわ。(相手が)女の人だったら分からんでもないけどさ……。え?何?あんた付き合ってるの女の人なん?』(大和さん)『うん……』(母)『あんたおかしいわ~』って親が泣きました、号泣」
「(両親と)いろんなことを話したんですけど、当事者である私が言われてつらかったことがあって、『私の育て方が悪かったのかな』って言われたんですよ。1ミリもそんなことないんです。別に親のせいではないと思う。そもそも『私の育て方が悪かったのかな』っていうのに続く言葉って『私の育て方が悪かったから、変な子になった』。だけど同性を好きになるって、そもそも悪いことなんかなって。どう思いますか、皆さん。それはすぐに理解してもらえるわけもなく。ただその時、私はもう開き直っていて、親に何と言われようと(同性の恋人を)当たり前のように連れてくる」
そんな日々が2年ほど続き、両親にも心境の変化が……。
(LGBTQ当事者/大和美菜子さん)
「(親が)『年月が経つにつれて考えが変わったんよ』って。『どう変わったん?』って聞いたら『つらい思いや苦労をすると思っていたけど、あんたは毎日楽しそうじゃな』って。『分かってあげないといけないことだとだんだん思ってきて、今ではもうおかしいと思ってない』と言っていました。時間をかけて私のことを理解したいと思い続けてくれたから、今があるんだなと思います」
「身近な人にカミングアウトされた時に、すぐに受け入れることは難しいかもしれないけど、まったく何も知らないよりは考え方や声のかけ方も変わってくると思います」
(参加者は―)
「これだけ明るく前向きにポジティブな話をしてくれる方ってあまり身近なところにはいないので、本当に貴重だと思いました」
「性別を問わず、いろんな人との『幸せの作り方』を学ばせていただいた」
(LGBTQ当事者/大和美菜子さん)
「皆さん、うなずいて聞いてくれていたので、少しでも理解してくれていたらいいと思います」
Q.LGBTQの当事者へ
「未来は明るいものだと思ってほしい。そういう方はいっぱいいるし、現に私は今幸せなので、楽しく生きていけるという未来を想像して頑張って胸張って、生きていってほしいと思います」
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