豊かな瀬戸内海を取り戻す 「稚魚育む」アマモの種まき 高松市
KSB瀬戸内海放送 / 2024年11月27日 18時33分
海の環境の変化で漁獲量が激減しています。多くの魚が生息する豊かな瀬戸内海を取り戻そうと、高松市の海岸で海草の一種、アマモの種まきが行われました。
漁業者でつくるJF香川県漁協青壮年部連絡協議会が香川県水産課などと連携し、2023年から取り組んでいる活動です。
2024年は6月に備前市を訪問し、日生町漁業協同組合と共同でちぎれて海面を漂っているアマモを集めました。
日生町漁協は約40年前からアマモ場の造成に取り組んでいます。
(香川県漁連/白方孝幸さん)
「香川県でアマモ場が減少している状況を踏まえて、アマモ場造成の先進地である日生町漁協に出向いていろいろと学ばせてもらった」
(記者)
「海水をかけてごみやヘドロを取り除き、根付きやすい、重みがあるアマモの種を選別します。良く見るとイネのような種が沈んでいるのが分かります」
日生町で集めたアマモを高松市に持ち帰り、香川県水産試験場で約5カ月間、海水に浸けて保管しました。27日はアマモが入っている袋を海中から引き揚げ、海にまく種子を選びました。
アマモが生い茂るアマモ場は魚が産卵したり餌を食べたりし、稚魚の隠れ場にもなるため、「海のゆりかご」と呼ばれています。しかし、高度経済成長期の埋め立てや海砂採取の影響で水質が悪化し、貴重なアマモ場が衰退しています。
27日は約24万粒のアマモの種子を選別し、高松市の大的場海岸でまきました。
2023年、高松市沿岸と男木島でまいたアマモの種子は生育を確認できませんでしたが、2024年は波が穏やかで根付きやすい海岸を選びました。
魚のすみかとなるアマモ場の減少もあり、香川県の漁獲量はピークの1972年に約7万3300トンでしたが、2022年は6分の1の約1万3300トンまで落ち込んでいます。
(瀬戸内漁協 青年部/吉野将雄さん)
「今年は波風が少ないこの場所で、アマモが育って魚が増えればいいと思う」
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