1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

【解説】香川の新たなシンボル・県立アリーナの効果は?生き残るために必要なものは?

KSB瀬戸内海放送 / 2025年1月29日 19時23分

あなぶきアリーナ香川

 2月24日に香川県の新たなシンボル、県立アリーナ「あなぶきアリーナ香川」がオープンします。メインアリーナには最大1万人を収容でき、ライブやイベントなどで国内外から多くの人を呼び込むと期待されています。

 高松市のサンポート高松に、2月24日に開館予定の「あなぶきアリーナ香川」。

 世界的な建築家、丹下健三が設計した「船の体育館」として親しまれてきた旧香川県立体育館の老朽化に伴い、その代わりの施設として建てられました。

 建設費は202億円余り。

 中四国最大規模を誇るメインアリーナでは最大1万人を収容し、すでにビッグイベントが続々と発表されています。

 主なイベントは―

 こけら落とし公演として3月1日と2日にサザンオールスターズのライブ、4月5日と6日にはMISIAさん、19日はMAN WITH A MISSIONのライブが控えています。

 5月6日にはファッションイベント「東京ガールズコレクション」が開かれます。

 開館当初からこうしたビッグイベントを誘致できたことについて、全国のアリーナ整備について調査する会社はこう評価します。

(みずほリサーチ&テクノロジーズ/石川裕康さん)
「トップアーティストの方をこけら落としに呼ばれたことはすごいことだと思いますし、それだけこの施設が魅力があり期待されていることの『証し』だと思います」

 アリーナにアーティストを呼び込んだ、野外フェス・モンスターバッシュなどを主催するデュークは「四国4県で年間600本以上の公演を開催している。そのような経験と実績、つながりを誘致に役立てています」とコメントしています。

ホテルの予約が1.5倍に

 アリーナ周辺では早くも集客の効果が見え始めています。

(松木梨菜リポート)
「屋根が見えるのがあなぶきアリーナ香川です。あちらから徒歩5分ほどのところにあるホテルでは、ほぼ満室になっている日もあります」

(JRホテルクレメント高松 宿泊部/中山芳徳 マネージャー)
「おかげさまで、ご予約は順調に入ってきておりまして、土曜日、日曜日、週末にかけてイベントがあるところに関してはご予約はいただいております」

 アリーナでライブが開催される日の前後の宿泊予約は、前年と比べて約1.5倍になっている日もあるそうです。

(JRホテルクレメント高松 宿泊部/中山芳徳 マネージャー)
「これまでは大きな施設がなかったので、近隣の県だけではなくて全国的に香川県の方に来県いただけるのではないかと期待しています。高松の街が活気づくと想像しています」

 一方で地元の人や観光客は。

(香川県民は―)
「King & Prince 来てほしいです。大阪とかに行ってたので」

(岐阜から観光客は―)
「著名人の方が来られるんであれば、いいなと思います。来る人は来そうですね」

(高松市民は―)
「MISIAさんのライブ行きます。友だちが広島から来てくれて、その子が当ててくれて行けるんで楽しみ」
「いろんなところから人が来て、香川がより活性化したらいいなと思います」

中四国には複数のアリーナが存在

 あなぶきアリーナ香川は高松駅すぐそばの立地で、四国からはもちろん中国や近畿からもアクセスが良好です。一方で、中四国には複数のアリーナが存在します。

 主なアリーナをみてみると、広島県には広島グリーンアリーナがあります。こちらも1万人を収容できます。

 そして2025年4月には神戸市の神戸港の近くに1万人を収容できるアリーナが完成予定です。

 このほかにもまだ検討段階ではありますが、岡山市で1万人程度、松山市でも5000人程度を収容できるアリーナの建設が検討されています。

 みずほリサーチ&テクノロジーズの調べによると、全国では7000人以上を集客できるアリーナが40施設以上あり、このうち2020年以降に開業した施設は10施設にのぼるということです。

選ばれる理由は「機材搬入のしやすさ」

 なぜこんなにもアリーナが全国的に増えているのか。そうした中であなぶきアリーナ香川がアーティストなどに選ばれる理由とは?

(みずほリサーチ&テクノロジーズ/石川裕康さん)
「コンサート、イベントの需要が増えてきているということがあげられると思います。CDを買うのではなく、最近はライブに行かれて臨場感を味わうニーズが高くなってきているところです」

 ぴあ総研が調査した国内のライブ・エンターテインメントの2023年の市場規模は6857億円で、前の年と比べて約2割増えています。

 市場規模の推移をみてみると、2023年はコロナ禍前の2019年より伸びています。

 2025年はそれをさらに上回る7100億円と予測されていて、2030年には7360億円になると推計されています。

(みずほリサーチ&テクノロジーズ/石川裕康さん)
「ここ5年以内に4施設ほど7000人以上のアリーナが増えるといわれております。大規模アリーナは増えてくると思います」

 競合施設が増える中でも、あなぶきアリーナ香川が選ばれる理由の一つに、機材搬入のしやすさをあげます。

(みずほリサーチ&テクノロジーズ/石川裕康さん)
「全国ツアーのコンサートを開催するには大きな音響設備とか照明設備などを搬入しないといけないんですけど、コンクリート床の場合はそのまま11tトラックなどを搬入できて使い勝手がいいんですね」

 近隣の広島グリーンアリーナなどの施設は床が「木製」で、搬入トラックが入れません。さらにアリーナ席で観客を入れる時に、床にマットなどを敷いて保護する必要があるといいます。

 ほかにも照明などをつるす天井が40tの重みまで耐えられ、ライブ演出で欠かせない照明設備としては十分だということです。

成功の鍵は「ソフト面の満足度」

 ただ全国で同じ規模のアリーナが増える中で今後「生き残る」ために必要なものとは。

(みずほリサーチ&テクノロジーズ/石川裕康さん)
「成功を持続する鍵として、アリーナで音楽を聞くのみならず、5Gを活用していながらにしてコンサートを聴きながらいろんな情報が入ってくるような取り組み、今後はソフト面で利用者満足度を上げていくことができれば、かなり競争力のある施設として選ばれ続ける施設になると思います」

 香川に人を呼び込んでまた来たいと思えるような場所になるように、街全体でおもてなしができればと感じました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください