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初代「スープラ」はアメリカ生まれ トヨタ「セリカXX」が米国で「スープラ」になった理由

くるまのニュース / 2018年11月7日 6時30分

SEMA2018のトヨタブースで注目されたのはやはり、2019年1月の北米国際自動車ショーで量販型の新型が正式に世界発表される「スープラ」です。そんなスープラですが初代はアメリカで生まれたのです。

■初代「スープラ」はアメリカ生まれ

 SEMA2018のトヨタブースには今年も米国市場で人気のモデルが勢ぞろいしました。日本では販売されていないピックアップトラックのタコマやタンドラ、4ランナー、2018年夏に発売されたばかりの新型カローラハッチバック(日本名:カローラスポーツ)の超クールなカスタムモデルなど。アメリカにおけるトヨタ車人気を裏づけるように、会期中多くの来場者で賑わっていました。

 中でも来場者の注目を集めたのは、2019年1月の北米国際自動車ショーで、量販型の導入が正式に世界発表される新型スープラです。新型スープラのシルエットをまとったNASCAR参戦車両から1979年に発売された初代セリカ・スープラに始まる4世代のスープラが揃って展示されました。

 アメリカにおける「スープラ」の歴史は1970年代末に始まります。2代目 トヨタ セリカ 40/50系(1977年~1981年)の全幅と全長を拡大し、特徴的なリフトバックスタイルのロングノーズに6気筒エンジンを搭載した上級モデル「セリカ・スープラ」(日本名セリカXX(ダブルエックス)は米国カリフォルニア州に設立されたトヨタ自動車のデザイン拠点「Calty Design」(以下CALTY)で誕生しました。

 日本ではセリカXXとして大変な人気を誇った車ですが、もともとは米国のトヨタディーラーからの「日産フェアレディZ(S30型)に対抗できる車が欲しい!」という声に応えてCALTYで開発された経緯がありました。

「セリカXX」は3代目以降、日本でも「SUPRA」に名前が変わりますが、アメリカでは発売当時から「セリカ・スープラ」を名乗りました。その理由は「セリカXX」の「XX」の部分に問題があったためです。

 米国では、当時成人映画などのレーティングシステムとして「X指定」(現在の「R指定」に近い)なるものが存在しており、セリカXXの「XX」は、成人映画を連想させると判断したため、米国トヨタは車名に冠することをやめたのです。

■SUPRAの車名の意味は?

 もともと「セリカXX」とは、「史上最高のセリカ」「他を圧倒するパワーと装備をもった最上級グレード」を意味しました。それで、XXに代わる車名として、ラテン語で「~を超える」「~を超越した」の意味となる「SUPRA」が使われるようになったのです。

 米国車名の「CELICA-SUPRA」とは、これまでのセリカを超える史上最高のセリカの意味が込められていました。

 実際、セリカ・スープラの装備は70年代当時としては非常に充実しており、パワーステアリング、チルトステアリング、ディスクブレーキ、アルミホイール、AM/FMステレオラジオなどが標準装備されていました。オプション設定の装備としてはクルーズコントロール、オートエアコン、パワーウィンドウ、集中ドアロック、本革のインテリアがあり、アメリカ人が好むゴージャスな装備も選択可能だったのです。

 また、サイドミラーはドアミラーが採用されていますが、当時の日本ではまだドアミラーは認可されていなかった(1983年に解禁)ので、フェンダーミラーとなっています。

 そのような事情があったので、米国では第一世代のセリカ(A40/50系)から、スープラを名乗ったのです。ちなみに日本では第三世代となる「A70系」(1987年~1992年)年から独立して「SUPRA」の車名に変更されています。

あえてフェンダーミラー仕様にした米国版2代目セリカ・スープラ 車名CELICAの後にはXXの文字(撮影:加藤博人)

■カローラハッチバック(カローラスポーツ)のカスタムカー5台にも注目

 ところで、SEMA2018のトヨタブースには屋外にも歴代セリカが展示されていました。ここでユニークなセリカ・スープラ(2世代目)を発見したのでご紹介します。なんとこのセリカ・スープラ、サイドミラーがフェンダーミラーで、さらにリヤの車名には「XX」の文字があります。

 つまり、日本で販売されていたセリカXXそのものの仕様になっています。関係者に聞いてみたところ、この車は熱狂的なセリカ・スープラファンがオーナーで、JDMにこだわってフェンダーミラーに交換したそうです。また、車名も日本仕様と同様、『CELICA XX』に変更して、よりオリジナルの日本仕様に近づけたとのことでした。

セリカ・スープラの車名には「XX」の文字(撮影:加藤博人)

●Hoonigan (フーニガン)Custom Corolla Hatchback

フーニガンが作ったHoonigan Custom Corolla Hatchback(撮影:加藤博人)

 ケンブロックの激走動画「ジムカーナ」シリーズでおなじみのフーニガンは動画制作も手掛ける会社ですが、そのフーニガンが作ったのがこちらの撮影専用車(フィルムカー)です。最新鋭の撮影機材を装備していますが、すべての撮影システムは取り外しが可能。機材を外せばスポーティなハッチバックとしての機能が復活します。

●Papadakis (パパダキス)Racing Custom Corolla Hatchback

ターボチャージャーを装着し、最高出力は850馬力を発揮するPapadakis Racing Custom Corolla Hatchback(撮影:加藤博人)

 フォーミュラドリフト Proシリーズに参戦している米国のレーシングチーム、パパダキスによる大胆なチューニングに注目!ドライブトレインはなんと前輪駆動から後輪駆動に変換されており、エンジンパワーも強烈。2.7リッタートヨタ2ARエンジンにボルグワーナーのEFR 8374ターボチャージャーを装着し、最高出力は850馬力を発揮。

●Muscle Tuner Custom Corolla Hatchback

Muscle Tuner Custom Corolla Hatchback(撮影:加藤博人)

 形はカローラハッチバックですが、実はこの車、AE86へのオマージュとしてカスタムされています。AE86のビジュアルキューを備えたカスタムビニールラップを特徴としているとのことですが・・・日本人の感覚だとここからAE86を想像するのはやや難しいような?(笑)

●SoCal Kustomz Custom Corolla Hatchback

SoCal Kustomz Custom Corolla Hatchback(撮影:加藤博人)

 アメリカンマッスルカーのカスタムビルダーとして有名な、SoCal Kustomzによってカスタムされたカローラハッチバックです。ワイルドスピード1作目に登場したトヨタ・スープラをイメージしてデザインされています。

●Super Street Custom Corolla Hatchback Fact Sheet

Super Street Custom Corolla Hatchback Fact Sheet(撮影:加藤博人)

 Super Street Network(会員数700万人の自動車メディア)がカスタムした最強のストリートマシン。車高調はRS-R製、タイヤはファルケンFK510、ホイールはレイズの鍛造1ピースホイールVolk Racing TE37 Sagaを履いています。

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