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2世代ヒットは難しい? 先代爆売れでも次期型が低迷する理由とは

くるまのニュース / 2019年4月30日 18時0分

「大ヒットしたクルマがフルモデルチェンジすると売れなくなる」という、一種のジンクスのようなものがクルマ業界にあります。それはなぜなのでしょうか?

■大ヒットした初代がモデルチェンジすると残念なことになる?

 日本には、同じ車名を使いながら何年も販売されているモデルが数多く存在します。しかし、どんな人気車種であっても発表から時が経てば商品力が落ちてきてしまうものです。

 商品力が落ちてきたクルマの魅力を取り戻すためにメーカーが行うことといえば、シャーシーやエンジンを刷新して全く新しいモデルに作り変える「フルモデルチェンジ」が挙げられます。しかし、メーカーが期待を込めて行ったフルモデルチェンジも時として失敗に終わってしまうのも良くあることです。

 そして、大ヒットをした車種のフルモデルチェンジほど難しいものは無いといって良いでしょう。「2世代続けてクルマをヒットさせるのが難しい」ことは、クルマ業界ではジンクスにもなっているのです。

 大ヒットした初代に比べて販売が振るわなかったクルマの例として、トヨタの「bB」や「ヴィッツ」が挙げられます。コンパクトなボディとエンジンにアメ車のようなエクステリアが与えられた初代bBは、それまでにない独特のスタイルや、カスタマイズパーツの多さなどが若者にうけ、初期受注は目標の6.5倍にもなる3万2500台を記録しました。

 また、初代ヴィッツはそれまでのコンパクトカーの常識を変えたクルマといっても過言ではありません。ギリシャ人デザイナーによる洗練されたデザインや、室内の広さや使い勝手のよさ、そして衝突安全ボディGOAによる安全性能の高さなどが国内外で高く評価され、一躍グローバルモデルとなりました。

 しかし、この2台はモデルチェンジをして2代目になると、初代モデルのように爆発的に売れることはありませんでした。

■なぜ爆売れの次はコケる? その理由とは

 さらに例を挙げると、マツダ 2代目MPVも3代目に代わり販売台数を低迷させたクルマです。2代目MPVは国内初採用の両側スライドドアと、使い方で自由にアレンジできる「からくりシート」などがウケ、一躍ヒットモデルになりました。

 また、他社では考えられない大幅な値引きも売れた理由にあります(下取り額は悲惨でしたが)。

マツダ 2代目MPV

 2代目MPVは2回のマイナーチェンジを行い好調な販売を維持しますが、モデルチェンジ後の3代目では販売台数を低迷させます。ミニバンにユーティリティが求められるようになっていた時代に、走りを意識したパッケージングに舵を切ったことが大きな敗因です。

 これまでに挙げたクルマがヒットした理由は、「今までになかった全く新しいコンセプトを取り入れた」ことです。しかし、他メーカーがヒット車を出せばそれに追従するメーカーが出てくるのも自然なこと。

 大ヒットしたクルマがフルモデルチェンジで販売台数を低迷させてしまう理由は、ユーザーの選択肢が他メーカー車にも広がってしまうことが大きな原因なのです。

 そのほかにも、現行モデルもそれなりに売れているのに、先代モデルが売れすぎた為に目立たなくなってしまう場合もあります。これは、現行型のトヨタ プリウスなどに当てはまります。

 先代型プリウスは2012年に年間販売台数31万7675台という爆発的ヒットをしました。しかし、現行型プリウスも2016年に22万5066台という販売台数を叩き出しており、同年の登録車販売台数一位となっています。十分売れているのに売れていないと感じるだけの錯覚なのです。

 フルモデルチェンジで残念な結果を招いてしまうクルマもありますが、フルモデルチェンジをしても好調な販売を維持し続ける、ホンダの「フィット」や「N-BOX」のようなモデルもあります。

 正常進化でありながらユーザーの心を捉え続けるクルマを作るのは容易なことではありませんが、それを実現したクルマもたくさんあります。フルモデルチェンジで先代モデルを超える販売台数を実現したクルマを作る為には、ユーザーニーズを的確に捉える市場リサーチ力が必要だといえます。

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