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ドッカンターボのじゃじゃ馬ばかり 高性能コンパクトカー5選

くるまのニュース / 2019年5月16日 6時10分

高性能なコンパクトカーのことを「ホットハッチ」と呼びますが、1970年代から1980年代は多数のホットハッチが世に出ました。そこで、これまでに販売された国内外の高性能コンパクトカーを5車種ピックアップして紹介します。

■山椒は小粒でもぴりりと辛い。超ホットなコンパクトカー5車種

 現在、コンパクトカーに求められる性能は、経済性と安全性が重視されています。したがって、むやみに馬力があるコンパクトカーは極端に数が減ってしまいました。

 しかし、1970年代から1980年代にかけては、動力性能を飛躍的に向上させたコンパクトカーがたくさん出現し、いわゆる「ホットハッチ」と呼ばれました。

 そこで、かつて販売されていた国内外の高性能なコンパクトカーのなかから、5車種をピックアップして紹介します。

●日産「マーチスーパーターボ」

日本初のツインチャージャーが搭載された「マーチスーパーターボ」

 初代日産「マーチ」は1982年に発売され、世界戦略車として国内のみならずヨーロッパでもヒットしたコンパクトカーです。

 デザインは巨匠ジウジアーロによるもので、奇をてらうことなくシンプルな造形となっており、マーチをベースにした「Be-1」「パオ」といった派生車が登場するなど、優れたベーシックカーでした。

 1988年には、モータースポーツベース車の「マーチR」を発売。エンジンは1リッター(930cc)直列4気筒SOHCで、ターボに加えスーパーチャージャーも装着され、最高出力は110馬力を誇りました。

 翌年、このマーチRをベースに公道走行に適した仕様とした「マーチスーパーターボ」が発売されます。

 出力は110馬力とマーチRから変わらず、スーパーチャージャーによる低速域のパワーと、ターボによる高速域のパワーを両立しており、全域に渡って高い性能を発揮しました。

 770kg(5MT)と軽量なボディでしたから、その速さは他のリッターカーを凌駕していましたが、パワーステアリングなどは装備しておらず、ハイパワーなFF車にありがちな「じゃじゃ馬」的なハンドリングだったようです。

●ダイハツ「ブーンX4」

現代の羊の皮を被った狼「ブーンX4」

 かつてダイハツはモータースポーツ活動に力を入れていたころがあります。主に「ダートトライアル(フラットな土のコースで速さを競う)」や閉鎖した公道で行われる「ラリー」です。

 そのための競技車両として「ストーリアX4」や「ブーンX4」が開発されました。今回紹介する2006年発売のブーンX4は、ベーシックなコンパクトカーである初代ブーンをベースに、エンジンを936ccの直列4気筒DOHCターボに換装し、最高出力は133馬力と、同クラスで最高値をマークしています。

 駆動方式もフルタイム4WDが標準で、トランスミッションは5MTのみ。サスペンションも標準車よりチューニングされ、高い走行性能を誇っていました。

 通常のモータースポーツベース車のほかに、快適装備が充実した「ハイグレードパック」が用意され、普段使いに適したモデルとなっていました。

●フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」

元祖ホットハッチとの呼び声が高い「ゴルフGTI」

 現在販売している7代目フォルクスワーゲン「ゴルフ」には、スポーティグレード「GTI」がありますが、その最初のモデルは初代「ゴルフ」から設定されていました。

 初代ゴルフはマーチと同様にイタリアの工業デザイナー、ジウジアーロによるデザインで、すでに前時代的だった「タイプ1(ビートル)」に比べ、モダンでスタイリッシュな外観に。

 GTIは1976年に発売され、チューニングされた自然吸気の1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載。燃料噴射装置が採用され最高出力110馬力を発揮し、最高速度は180km/hに達しました。

 外観も大きめのフロントスポイラーや、オーバーフェンダーが追加され、スポーティに演出。さらにいまのGTIにも採用されている、フロントグリルの赤いラインとGTIのエンブレムも、すでに初代に装着されていました。

 なお、初代ゴルフGTIは残念ながら日本で正規販売されず、わずかな台数が並行輸入で入ってきているのみで、非常に希少な存在です。

■見た目も強烈なスーパーコンパクト

●ルノー「5ターボ」

見た目も性能もモンスター級のコンパクトカー「5ターボ」

 2019年時点のルノーラインナップでは「トゥインゴ」がもっともコンパクトなモデルですが、かつては「5(サンク)」というモデルが、そのポジションを担っていました。

 この5の特別なモデルとして、世界ラリー選手権に参戦するための「5ターボ」が開発されました。

 5ターボは1980年に発売され、最大の特徴としては、エンジンを後席部分に配置しリアタイヤを駆動するミッドシップリアドライブ(MR)の2シーターに作り変えられていることです。

 エンジン自体も1.4リッター直列4気筒OHVをベースにターボが装着され、最高出力は160馬力と、当時としては驚くべき高性能でした。

 さらに外観も大きく張り出したオーバーフェンダーで、とてもコンパクトな大衆車をベースしたとは思えないほど、強烈なオーラを放っていました。

 初期モデルでは、内装の色使いやデザインが非常に秀逸で、モータースポーツベース車とは思えないほど“アヴァンギャルド”なクルマに仕立てられていました。

●ホンダ「シティターボII」

これぞ本物のドッカンターボ「シティターボII」

 1972年、ホンダから発売された「シビック」は、コンパクトなFF車としてヒットします。それまでにない優れたパッケージングで、後のコンパクトカーに多大な影響を与えました。

 それから9年後の1981年に、シビックとは全く違うスタイルの「シティ」を発売。個性的な背の高い3ドアボディは広い室内空間を実現し、安価な価格も相まって、シビック以上の大ヒットを記録します。

 1982年にはターボを装着した「シティターボ」を発売。そして1983年には「シティターボII」が登場します。

 シティターボIIのエンジンは1.2リッター直列4気筒SOHCで、クラス初となるインタークーラーを装備することで、最高出力110馬力を発揮。735kgという軽量な車体ということもあり、高い加速性能と運動性能を誇りました。

 外装では前後ともにオーバーフェンダー化され、インタークーラーを収めるためボンネットの膨らみも大型されました。また、内装も専用のシートやメーターパネルに変えられ、スポーティさを演出します。

 しかし、「マーチスーパーターボ」同様、ノンパワステのハイパワーなFF車ということで、滑りやすい路面ではアクセルワークにかなり気を使い、また、2220mmと短いホイールベースのためか、コーナーリング時の挙動も尖ったもので、まさに「じゃじゃ馬」だったといいます。

※ ※ ※

 近年のクルマは電子デバイスの普及により、安心かつ安全にドライブできるようになっています。もしもの時もクルマ側が出力を制御し、ブレーキをかけ、安定したコーナーリングが可能です。

 一方で、今回紹介した5台は先進的な電子デバイスは装着されておらず(ブーンX4以外はABSもない)、ドライバーの腕が試されます。

 もちろん、安定した走行は理想的ですが、本当の意味でのスポーティさという点では、かつてのクルマに分があるのではないでしょうか。

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