なぜスバルは青色多い? シビックタイプRは白など車によって定番色がある理由
くるまのニュース / 2019年6月15日 10時10分
スバルといえば「青」、スズキ「スイフトスポーツ」といえば「黄色」が定番のボディカラーですが、メーカーや車種によってイメージカラーが存在するのはなぜなのでしょうか。
■スバルのイメージカラー「WRブルー」の由来は?
スポーツカーを中心に「このクルマならこの色」という印象の強い色の組み合わせがあります。その色がイメージカラーとなっているのはなぜなのでしょうか
スバルには「WRブルー」と呼ばれるイメージカラーがあります。現在のラインナップでは、フラッグシップパフォーマンスモデルの「WRX」やトヨタ「86」の兄弟車である「BRZ」、スポーツワゴン「レヴォーグ」の一部グレードに設定されています。
「WRブルー」は、「スバルといえば青」というくらい強いイメージを持ったカラーといえるでしょう。
イメージカラーについて、スバル広報部は次のようにコメントします。
「正式な記録はないのですが、スバルのロゴマークと関係があると思われます。ロゴマークの六連星(むつらぼし)は地の部分が青、そのなかに6つの星が書かれています。その青がイメージカラーとして定着したようです。
現行モデルのWRXでは、約30%の人がこの『WRブルー』を選択するほど、人気のボディカラーとなっています」
スバルのイメージカラーとして青の組み合わせが広まったのは、かつて世界ラリー選手権に参戦したときの「インプレッサWRX」です。「WRブルー」の「WR」とは、ワールドラリー(世界ラリー)の略で、ブルーの車両が世界の頂点を競うのは、見る人に鮮烈なイメージを与えました。
前出のように、WRブルーはスポーツモデルに設定されることがほとんどですが、かつては「レガシィ」や「フォレスター」の特別仕様車に設定されたり、軽トラック&バンである「サンバー」の最終記念限定車に採用されるなど、スバルにとって特別な色となっています。
いっぽうで、メーカーというよりも車種限定でイメージカラーがあるのはスズキ「スイフトスポーツ」の黄色です。この黄色のルーツは、スズキのモータースポーツのイメージカラーが由来となっています。
2000年代前半に、スイフトをベースにしたジュニア世界ラリー選手権の参戦車両が黄色く塗られていたことから、そのイメージや走りのこだわりを市販車に反映。
2003年に発売された初代「スイフトスポーツ」に専用色として「チャンピオンイエロー」が設定されました。カラー名称からして、モータースポーツとの関連がうかがえます。
スズキ広報部によると「販売比率は非公表ですが、直近の動向では6色のボディカラーのうちホワイト、シルバーの次にイエローが人気です」とのことです。
■ホンダの「タイプR」はチャンピオンシップホワイトで統一
長い時間が経過しても、シリーズを通し一貫して同じ色がイメージカラーというパターンがあります。それはホンダの「タイプR」シリーズです。
チャンピオンシップホワイトを初採用したホンダ「NSX タイプR」
最初に登場したのは、1992年の「NSX タイプR」でした。その後、1995年に「インテグラ タイプR」、1997年に「シビック タイプR」、そして海外では1997年に「アコード タイプR」も発売されていますが、すべてイメージカラーは「チャンピオンシップホワイト」という白に統一されています。四半世紀以上続いているのだから驚きです。
この白もタイプRの専用色で、現行型のシビックでは、タイプRの白いボディカラーは「チャンピオンシップホワイト」ですが、標準車の白は「ホワイトーキッド・パール」という別の色が設定されているほどこだわりがあります。
なお、日本では現行型シビック タイプR購入者のうち、約7割がチャンピオンシップホワイトを選んでいるそうです。
タイプRのチャンピオンシップホワイトもモータースポーツにルーツがあり、「1965年にホンダがF1で初優勝したマシン(RA272)を彷彿させる色として設定しています」とホンダ広報部はいいます。
ちなみにホンダF1が白に塗られていた理由は、当時の国際格式のレースでは国籍を示すナショナルカラーが国ごとに指定されており、日本は国旗の「日の丸」をモチーフとした「白地に赤」だったからです。
イギリスのクルマは緑、ドイツはメルセデス・ベンツやアウディのシルバー、そしてイタリアは赤というイメージなのも、その時代のナショナルカラーの名残りです。
※ ※ ※
スポーティモデルのイメージカラーはモータースポーツと密接な関係があるのです。それは競技車両の高性能イメージを、市販車のイメージ向上に役立てるのに最適な手法という狙いがあり、ファンを獲得するのに一役買っているのは間違いないでしょう。
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