R32・AE86・FDっていったいナニ!? クルマ好きが型式で呼びがちなクルマ5選
くるまのニュース / 2019年7月13日 6時30分
日本のクルマのなかには、通常のモデル名ではなく、国土交通省への届出型式名で語られるクルマが少なくありません。日本におけるモータリーゼーション黎明期から成熟期に登場した、クルマ好きの記憶に残るクルマ5台を紹介します。
■型式名で呼ばれがちなクルマ、何を思い浮かべる?
日産車ではZ32型、R34型、S13型など、トヨタ車でTE27型、AE86型、KP61型など、マツダ車ではFC型、NA型など、クルマ好きにはよく知られています。
そこで、型式で呼ばれがちな国産スポーツモデルを5台紹介します。
●日産「スカイラインGT-R」(BNR32型)
型式名で語られる日産車で、圧倒的な人気モデルはBNR32型「スカイラインGT-R」でしょう。略して「R32 GT-R」が一般的な呼び方です。
バブル経済真っ只中の1989年5月22日、日産の売れ筋だったスカイラインが8代目にモデルチェンジし、その3か月後の同年8月21日に、KPGC110型以来16年ぶりに復活したGT-Rです。
R32 GT-R以前のモデルは通称「ケンメリGT-R」とか「ハコスカGT-R」と愛称で呼ばれ、型式ではあまり語られません。
R32 GT-Rに搭載されるエンジンは、専用設計のRB26DETT型と称する2.6リッター直列6気筒DOHC24バルブ+ツインターボで、最高出力280馬力/6800rpm、最大トルク36.0kg.m/4400rpmというスペックで登場。トランスミッションは5速MTのみでした。
駆動方式は、「ATTESA E-TS」と呼ばれる4WDです。ふだんは後輪駆動で走行し、素直なハンドリング特性を持っていましたが、大パワーを後輪に与えてテールスライドに移行しはじめる前に、前輪にトルクを与えて姿勢を回復させるというアクティブ制御をおこなう4WDシステムを採用していました。
さらに、後輪側にも操舵システム「Super HICAS(スーパーハイキャス)」を組み合わせ、いわゆる四輪操舵システムでエンジン性能を存分に引き出せるセッティングとなっていました。
このR32 GT-Rは、当時の日本ツーリングカーレースの最高峰「全日本ツーリングカー選手権(JTC)」に送り込むことを前提に開発されたモデルで、2568ccという中途半端な排気量は、レースのレギュレーションに基づいたためです。
●ホンダ「シビックタイプR」(EK9型)
ホンダ車はあまり型式名で語られないのですが、EK型として1995年に登場した6代目「シビックハッチバック」に、1997年に追加でラインナップされたEK9型「タイプR」が有名です。
搭載された1.6リッターのDOHC-VTECエンジンは、185馬力/8500rpm、16.3kg.m/7500rpm、レブリミット9000rpmという超高回転型NAエンジンで、前輪を駆動するスーパースポーツハッチバック車でした。
ホンダ車のスポーツグレードとして「NSX」「インテグラ」に続き、最後に登場したシビックタイプRですが、唯一現行モデルでも販売されています。
●スバル「インプレッサ」(GC8型)
1992年にスバルからまったく新しいクルマがデビューしました。それは、スバルのCセグメント世界戦略車、GC系「インプレッサ」です。
セダンとスポーツワゴンのふたつのボディタイプで、水平対向4気筒エンジンを搭載し、駆動方式はFFのほかに4WDをラインナップしました。
初代「レガシィRS」から譲り受けた2リッター水平対向4気筒DOHCターボ+フルタイム4WDで武装した「WRX」グレード(GC8型)は、世界ラリー選手権(WRC)を目指して開発されたマシンで、強烈な印象を与えてくれたモデルでした。
WRCでは、マニュファクチャラーズチャンピオンを3回獲得し、三菱「ランサーエボリューション」とともにラリーマシンとして名を馳せました。
●マツダ「RX-7」(FC3S型/FD3S型)
ロータリーエンジンを積んだマツダのピュアスポーツ「RX-7」も忘れられません。
1985年9月にモデルチェンジした2代目のFC3S型「サバンナRX-7」は、654cc×2ローターの13B型ロータリーエンジンを搭載し、当初からターボで武装していました。
そのターボチャージャーは、電子制御ツインスクロール化+インタークーラーなどで強化され、1290kgの軽量なFC3S型に最高出力185馬力/6500rpm、最大トルク25.0kg.m/3500rpmのスペックが与えられました。
ボディは初代よりも大きくなり、2シーター風のプロポーションでしたが、2+2のクーペモデルでした。この外観デザインは、ポルシェ「944」にあまりに似ていると揶揄され、北米でも“プアマンズ・ポルシェ”と呼ばれました。
FC3S型「RX-7」は、後のF1ドライバーとなる片山右京氏が若い頃にドライビングスキルを習得したマシンだったことでも有名です。
最後の「セブン」であるFD系は、最終的に最高出力280馬力の13B型ロータリーエンジンを搭載していました。
●トヨタ「カローラレビン/スプリンタートレノ」(AE86型)
現在のトヨタ「86(ハチロク)」、スバル「BRZ」につながるモデルを紹介しましょう。
1990年代にコミック「頭文字D」の主人公の愛車として登場した“白&黒”ツートーンのクルマは、AE86型スプリンタートレノでした。
この漫画に影響されて人気が沸騰したAE86型「カローラレビン/スプリンタートレノ」は、1983年の「カローラ」のモデルチェンジで登場した最後のFRスポーツです。
AE86型は、名機といわれた「2T-G」エンジンの後継となる、最高出力130馬力/6600rpm、最大トルク15.2kg.m/5200rpmを発生した新世代4A-GEU型1.6リッターDOHCエンジンを搭載。
全長×全幅×全高は、4180mm(カローラレビン)/4215mm(スプリンタートレノ)×1625mm×1335mmで、ホイールベースは2400mm。車重900kg強という軽量コンパクトなボディで、国内のレースシーンを席巻します。
※ ※ ※
「型式名で語られがちなクルマ」をみると日産車が多いことに気付きます。熱狂的なエンスージアストに愛されてきた名車が日産車に多かった証でしょう。まさに“技術の日産”といったところですね。
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