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何が変わった? ホンダ「N-BOX」弟分の新型「N-WGN」の進化したポイントとは

くるまのニュース / 2019年9月8日 16時30分

日本一売れているホンダ「N-BOX」の弟分「N-WGN」がフルモデルチェンジ! さまざまな面で新しくなったN-WGN/N-WGN Customは、どのような部分が進化したのでしょうか。

■日本一売れているN-BOXの弟分が進化した!

 ホンダは、軽自動車から高級セダンまで幅広く手掛ける総合自動車メーカーですが、国内では軽自動車が売れ筋です。
 同社の人気軽自動車「N-BOX」だけで、国内で売られるホンダ車の30%以上を占めます。軽自動車というカテゴリーで捉えると、約50%に達します。

 今後は、軽自動車の比率がさらに高まるかも知れません。2019年8月9日に「N-WGN/N-WGN Custom」がフルモデルチェンジを受けて、機能を大幅に刷新したからです。

 新型N-WGNシリーズは、どんな進化を遂げているのでしょうか。

 N-WGNのグレード構成は、標準ボディと、専用のフロントマスクやエアロパーツを装着するカスタムに大別されます。エンジンはノーマルタイプとターボを用意しました。

 試乗車は、標準ボディにノーマルエンジンを搭載する「N-WGN L・Honda SENSING」と、「N-WGN Custom L・Honda SENSING」です。

 車内に入って周囲を見まわすと、視界が優れています。先代型ではサイドウインドウの下端を後ろに向けて持ち上げましたが、新型は水平基調になっています。

 そのために斜め後方と真後ろが見やすいです。最小回転半径は4.5mで、小回りの利きも良く、縦列駐車や車庫入れもしやすいです。

 前方も見やすく、軽自動車では珍しくボンネットの手前が少し視野に入ります。総じて運転しやすい印象です。

 インパネは、エアコンのスイッチが比較的高い位置に装着され操作しやすく、先代型に装着されていたテーブル状の引き出し式トレイが省かれたのは残念ですが、ATレバーなどは使いやすいと思います。

 運転席の座り心地は良好です。現行N-BOXと同様、軽自動車としては座面を柔軟に仕上げました。乗員の体が適度に沈んだところで確実に支えます。とくに腰からヒップの近辺をしっかりと造り、長距離移動時の疲労を抑え、着座姿勢が乱れにくいので、峠道などを走るときも安心です。

 気になったのは、座面の長さが少し短く感じることです。開発者に尋ねると「小柄なドライバーに配慮して、足を動かしやすくしました」と説明しています。

 N-BOXはファミリーユーザーが中心ですが、N-WGNには高齢者のユーザーも多く、体格が小柄な場合も想定されるため、ペダル操作がしやすいように、座面を少し短く抑えたのです。

 後席は頭上と足元が広いです。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は、握りコブシ3つ半に達します。Lサイズセダンでもふたつ半なので、前後方向の足元空間には相当な余裕があります。

 座面の角度は水平に近く、腰の収まりはいま一歩です。座面の前側を少し持ち上げると座りやすくなりますが、後席の背もたれを倒して荷室を広げたときに傾斜ができています。そこで座面を水平基調にすることで、座ったときに適度に沈むため、座り心地は悪くありません。

 荷室は床が低いです。燃料タンクを前席の下に搭載したメリットで、リアゲートの開口下端部分までの高さ(地上高)も490mmに収まります。これだけ低いと、重い荷物を積むときに、高い位置まで持ち上げる必要はありません。

 ちなみにライバル車の場合、リアゲートの開口下端部分までの高さは、スズキ「ワゴンR」が700mm、日産「デイズ」は655mm、ダイハツ「ムーヴ」は660mmとなり、N-WGNの490mmは、200mm前後低いことになります。

 この状態で後席の背もたれを前側に倒すと、広げた荷室の床面に大きな段差ができます。そこで荷室に専用のボードを備えました。後席の背もたれを前側に倒して、ボードを高い位置にセットすると、段差が解消されて平らな広い荷室になります。しかもボードの下側にも収納スペースができて、棚のようになるから使いやすいです。

 そしてもうひとつ見逃せない装備が、後席の下に装着されたワイドなトレイです。傘や靴を収納できて便利です。先代型のユーザーから「汚れたときに洗いにくい」という意見が聞かれたので、トレイを取りはずせるようにしました。

■いざ、新型N-WGNに試乗! 実際の乗り心地は?

 新型N-WGNシリーズの運転感覚はどうでしょうか。ノーマルエンジンの動力性能は、ライバル車に比べると、実用回転域の駆動力に少し余裕があります。車両重量が850kgなので、660ccエンジンではパワフルとはいえませんが、平坦路では扱いやすいです。

 4800回転前後から速度上昇が活発になり、高速道路の合流もしやすいです。エンジンノイズは少し粗いですが、さほど気になりません。

 ターボエンジンは、ノーマルタイプに比べると動力性能が大幅に向上します。2500回転付近からターボが効果を発揮して、1リッターのノーマルエンジン並みに加速します。軽自動車はギヤ比が低く、小型/普通車に比べると速度に対する回転数が高いため、発進直後でも2500回転前後になります。従ってターボの効果が常に発揮されて運転しやすいです。

 ちなみにノーマルエンジンの最大トルクは6.6kg-m(4800回転)、ターボは10.6kg-m(2600回転)ですから、ターボは実用回転域で1.6倍の最大トルクを発揮します。この違いは大きいです。

 しかもWLTCモード燃費は、Custom L・Honda SENSINGのターボが21.2km/L、ノーマルエンジンは23.2km/Lとなり、9%程度しか悪化しません。ターボは動力性能が高い割に低燃費で、効率が優れています。

山道でもパワフルなターボ仕様山道でもパワフルなターボ仕様

 走行安定性は、全高が1600mmを上まわる軽自動車では、優れた部類に入ります。プラットフォームはN-BOXと共通ですが、N-WGNは全高が100mm以上低く、車両重量は40kgほど軽いです。そのために安定性がさらに向上しました。

 14インチタイヤを装着した標準ボディのL・Honda SENSINGでも、後輪の接地性は十分に高く安心感があります。その半面、峠道などを走ると、少し曲がりにくく感じます。ステアリングは、もう少し軽快で曲がりやすい設定でも良いでしょう。

 ステアリングのギヤ比も少しスローで、Uターンをするときなどは、ステアリングホイールをグルグル回す感覚になります。

 Custom L・Honda SENSINGは、足まわりの設定が異なり、後輪にもスタビライザー(ボディの傾き方を制御する棒状のパーツ)を装着しました。タイヤサイズも15インチに拡大しています。14インチの標準ボディに比べると、操舵感が少し機敏で車両の向きを変えやすく、峠道なども走りやすいです。

 乗り心地は、14/15インチタイヤともに低速域では少し硬いですが、粗さは抑えました。15インチは、ショックアブソーバーの設定などが14インチよりも少し硬いですが、タイヤの指定空気圧は低めで重厚感があります。

 ホンダセンシングに採用される運転支援機能も、注目の装備でしょう。車間距離を自動制御するクルーズコントロールは、十分な実用性を備えます。操舵支援は弱めですが、先行車に追従走行するときのアクセル/ブレーキ制御は良好です。

 N-WGNを総合的に判断すると、上質な軽自動車といえるでしょう。内装ではシートが良く、振動を吸収するので乗り心地にも優れた効果をもたらします。広い荷室とボードを使った収納性、後席下側のトレイなど、日常的な使い勝手も良いです。乗り心地の粗さを抑え、N-BOXに比べると安定性も良いです。

 大人気のN-BOXが欲しいと思ったときも、まずはN-WGNを検討するのが合理的でしょう。N-WGNをチェックして、もっと広い荷室やスライドドアが欲しいと思ったときに、N-BOXに話を進めるのが良いと思います。

 競争の激しい軽自動車とあって、N-WGNは価格も割安です。もっとも買い得なグレードは標準ボディのL・Honda SENSINGで、実用装備を充実させて価格(消費税は8%、以下同様)は133万9200円に抑えました。

 上級モデルを好むならCustom L・Honda SENSINGが良いでしょう。価格は166万3200円で、9灯式フルLEDヘッドライトや15インチアルミホイールが装着され、シート生地も上級になります。

 装備の違いを補正してターボの価格を割り出すと、標準ボディの場合は8万5000円ですが、カスタムは実質4万円で装着されています。つまり標準ボディならL・Honda SENSING、カスタムならCustom L・Honda SENSINGを選ぶのが良いです。

 N-WGNは、実力の高い軽自動車です。衝突被害軽減ブレーキ(通称:緊急自動ブレーキ)も、昼間の自転車や夜間の歩行者まで検知します。ちなみに自転車の検知能力は、高級セダンの「レジェンド」にも備わっていません。

 N-WGNは、軽自動車とあって、日本のユーザーと道路環境を見据えて開発されました。好調に売れると思います。

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