タフなモデルは美しい!? カッコよすぎるクロカン4WD車5選
くるまのニュース / 2019年10月19日 6時10分
近年、人気のSUVですが、その源流をたどると本格的な4WD車にたどり着きます。いわゆるクロスカントリー4WD車は悪路走破性に特化したクルマで、デザインも無骨なものが多いです。しかし、この無骨さが機能美としてカッコよさにつながっているモデルもあります。そんなクロスカントリー4WD車を5車種ピックアップして紹介します。
■本物の4WD車だけが持つカッコよさ
いま、世界中で人気があるクルマといえばSUVです。このSUVの成り立ちを遡ると悪路走破性に特化した、いわゆるクロスカントリー4WD車にたどり着くのではないでしょうか。
乗用車に近いデザインや使い勝手のSUVが多いなか、クロスカントリー4WD車は無骨なデザインでスタイリッシュではないものの、本物の道具が持つ機能美のようなものを感じます。
そこで、クロスカントリー4WD車のなかから「カッコイイ」と思わせるモデル5車種をピックアップして紹介します。
●三菱「パジェロ エボリューション」
1980年代から1990年代の三菱はモータースポーツへ積極的に参戦して、ブランドイメージを高めていました。とくに世界ラリー選手権(WRC)に「ランサー エボリューション」を投入して、パリ-ダカール・ラリーのような長距離クロスカントリーラリーでは「パジェロ」が活躍していました。
初代パジェロは1982年にデビュー。三菱には「ジープ」というストイックすぎる4WD車がありましたが、パジェロは悪路走破性と街なかでの走りの両立を目指しており、このコンセプトが広く受け入れられます。
そして、1991年に発売された2代目パジェロはRVブームの火付け役で、長くブームをけん引してきました。
ボディは3ドアのショートと5ドアロングの2種類で、このショートボディをベースに1997年「パジェロ エボリューション」を発売します。
エンジンは3.5リッターV型6気筒ガソリンで、280馬力を発揮。トランスミッションは5速ATと5速MTが選べました。
ボディは空力特性とオフロード性能を両立するように、大型フィン付リアスポイラーやステップ付サイドエアダムの採用と、車体の剛性アップ、アルミボンネットなどによる軽量化も図られていました。
ほかにも専用デザインのバンパーと、大きく張り出した前後フェンダーは「エボリューション」の名にふさわしい迫力を演出。
三菱はこのパジェロ エボリューションをベースにしたマシンで1998年のパリ-ダカール・ラリーに参戦し、2位の成績を収めました。
●トヨタ「FJクルーザー」
本格的なクロカン車ながら秀逸なデザインで人気の「FJクルーザー」
レトロなイメージの外観と、最新技術が融合したトヨタのSUV「FJクルーザー」は、先に発売された北米で人気に火が着き、日本では2010年から販売されました。
デザインのモチーフとなったのはFJ40系の「ランドクルーザー」で、1960年から1984年まで24年間も販売された超ロングセラーモデルです。
日本仕様のエンジンは4リッターV型6気筒のみで、シャシやドライブトレインは「ランドクルーザープラド」のものを採用し、悪路走破性が非常に高く、ユニークな見た目を裏切る本格的なオフローダーでした。
外観で特徴的だったのがドアで、前後方向に開くいわゆる観音開きの4ドアとなっています。
国内外でヒットしたクルマですが、2014年に北米での販売が終了。日本を含め多くの国でも次々と販売を終了しましたが、南アフリカや中東ではいまも新車の販売が継続されており、やはり優れたデザインと悪路走破性の高さが人気の秘訣ではないでしょうか。
●日産「サファリ」
無骨なデザインが機能美に通じている「サファリ」
日産はランドクルーザーに対抗すべく、大型クロスカントリー4WD車「サファリ」を1980年に発売しました。
1987年には2代目にモデルチェンジし、RVブームで人気が急上昇。ラインナップは2ドアのショートと、4ドアのロングがあり、初期は商用車のバンのみでしたが、後に乗用車のワゴンが追加されます。
エンジンは4.2リッター直列6気筒のディーゼルとガソリンを搭載(後に2.8リッターディーゼルが追加)。トランスミッションは4速ATと5速MTが選べました。
丸みをおびてスマートな印象の外観だったランドクルーザーに対して、サファリは直線基調のデザインでしたが、その無骨さが逆にカッコイイという評価もありました。
当時は「テラノ」と「ミストラル」というクロスカントリー4WD車を同時期に販売するという、いまでは考えられないほど贅沢なラインナップでした。
サファリは1997年にフルモデルチェンジをおこない3代目となりましたが、このモデルをもって日本での販売を終了しました。
■ホンダがクロカン4WD車を売っていた!?
●ホンダ「ジャズ」
斬新なデザインのクロカン車だった「ジャズ」
パジェロやテラノが人気を誇っていた1990年代に、ホンダは自社でクロスカントリー4WD車がなく、RVブームを傍観することしかできませんでした。
そこで、ホンダは他社とOEM供給の契約を締結し、その一社のいすゞから「ミュー」と「ビッグホーン」の供給を受けていました。
ホンダではミューが「ジャズ」、ビッグホーンが「ホライゾン」という名で販売されていましたが、なかでもジャズは2ドアのショートボディで、ユニークかつスタイリッシュで話題となりました。
エンジンは3.1リッター直列4気筒ターボディーゼルのみで、トランスミッションは4速ATと5速MTをラインナップ。
外観は全幅1780mmのワイドボディと迫力あるブリスターフェンダーによる個性的なスタイリングとなっていました。
1995年に新世代のSUVとして初代「CR-V」が登場すると大ヒットを記録し、一方でジャズは1996年に販売を終了します。
●トヨタ「ランドクルーザー70」
国内外で高い人気を誇っている「ランドクルーザー70」
トヨタ「ランドクルーザー」シリーズは、耐久性と信頼性、そして悪路走破性が認められ、世界中で人気を博しています。
歴代ランドクルーザー・シリーズは「ヘビーデューティ」「ライトデューティ」「ステーションワゴン」の3つに大きく分けられますが、なかでも現行型の70系は、あえてハイテクな装備を搭載せず、クロスカントリー4WD車の原点を追求したクルマです。
日本でランドクルーザー70が発売されたのは1984年で、翌年には70系のライトデューティもラインナップされ、後の「ランドクルーザープラド」になります。
2004年に国内の販売を終了しましたが、海外市場では過酷な使用環境での走破性や信頼性が評価されており、海外専用車種として生産が続けられました。
そして、ランドクルーザー70の誕生30年という節目を迎えた2014年に、期間限定で国内市場に復活します。
エンジンは4リッターV型6気筒ガソリンで、トランスミッションは5速MTのみ。昔ながらのレバーでトランスファーを操作するパートタイプ4WDとなっていました。
ボディは4ドアバンと、国内で初めてダブルキャブピックアップトラックがラインナップされ、発売直後は待ち望んでいたユーザーにより多くのバックオーダーを抱えるほどでした。
発売から約1年後に販売を終了し、現在も中古車が多数流通していますが高値安定傾向にあります。
※ ※ ※
ラダーフレームとパートタイプ4WDというのが、クロスカントリー4WD車の定番です。とくにラダーフレームはトラックなどにも用いられ、堅牢で高い耐久性の源となっています。
20万km、30万km走っているクロスカントリー4WD車は珍しくなく、そうしたクルマも中古車で販売されていますから、ある意味リセールバリューがもっとも高いモデルではないでしょうか。
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