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目の付け所は良かった!? 時代にウケなかった車5選

くるまのニュース / 2019年10月30日 6時10分

国内メーカーはこれまで多くのクルマを開発、販売してきました。そして売れなかった車種は、どれだけ良いクルマでもモデルチェンジすることなく1代で生産を終了します。そこで、目の付け所は良かったのに時代に合わずイマイチ売れなかった、そんなクルマを5車種紹介します。

■結構イイ線いっていたのに……初代で姿を消したクルマたち

 クルマの開発には莫大な費用と時間が掛かることから、売れなかったら会社は大きな損失を被ることがあります。そのため開発スタッフやデザイナーは、より良いものを作るために日夜努力します。

 しかし、現実は販売が低迷してしまうクルマも存在し、1代限りで生産を終えるケースがあることから、新型車開発は難しいということでしょう。

 今回は、目の付け所は良かったけど売れなかった、時代にウケなかったとされる車種を5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「S-MX」

 1996年に発売されたホンダ「S-MX」は、若年層をターゲットに開発されました。当時ホンダは「クリエイティブムーバー」というコンセプトのもと、「オデッセイ」や「CR-V」「ステップワゴン」に続くシリーズ第4弾としてS-MXが登場します。

 外観はいわゆるトールワゴンタイプで、運転席側が1ドア、助手席側が2ドアの変則4ドアハッチバックとなっています。

 シャシはステップワゴンと共有で、ショートホイールベース化して対応。室内は「セミダブルベッド」に近いサイズのフルフラットになる前後ベンチシートの4人乗りで、後に5人乗り仕様が追加されます。

 また、カスタマイズカーを意識した、車高が15mm下げられた「ローダウン」モデルも当初からラインナップされるなど、多くの若者から高評価を得ました。

 しかし、ミニバン人気のなか販売は徐々に低迷し、2002年に1代限りで生産を終了。同様なコンセプトで後発のトヨタ「bB」がヒットしたことを考えると、出るのが早すぎたのかもしれません。

●マツダ「ランティス」

スタイリッシュさを活かせなかったマツダ「ランティス」スタイリッシュさを活かせなかったマツダ「ランティス」

 1980年代の終わりから1990年代にかけてマツダは販売チャネルを5つに拡大し、車種を増やして販売増を狙う戦略をとりました。

 その真っ只中の1993年に「ランティス」が発売されます。

 ランティスは4ドアセダンと5ドアハッチバックの2タイプのボディで、デザインはどちらも流麗でいまのクーペセダンのようなイメージです。

 全長4245mm×全幅1695mm×全高1355mm(ハッチバック)のボディに搭載されたエンジンは、1.8リッター直列4気筒DOHCと2リッターV型6気筒DOHCの2種類で、当時、このクラスでV型6気筒エンジンはかなり珍しい存在でした。

 シャシは「ファミリア」などとは共有せずにランティス専用とされ、1996年には、国内の安全基準を評価する自動車アセスメントで衝突安全基準適合第1号に認定されるなど、開発にはかなりコストがかかっていたと思われます。

 また、全日本ツーリングカー選手権(JTCC)にV型6気筒エンジンで参戦するも、レースで好成績を残すには至らず、速さのアピールには繋がりませんでした。

 一定の評価はあったものの、同世代のファミリアと比べて奇抜なデザインだったためか販売は低迷し、1997年に販売を終了します。

●日産「ラシーン」

生産終了後に人気が出た日産「ラシーン」生産終了後に人気が出た日産「ラシーン」

 日産は1987年に初のパイクカー「Be-1」を発売。その後「パオ」「フィガロ」とパイクカーシリーズが続き、大人気となりますが、この3車種の生産を請け負っていた高田工業製の新型車「ラシーン」が1994年に発売されます。

 ラシーンは1993年の第30回東京モーターショーにコンセプトカーとして出展された際、ユーザーから市販化の声が多く寄せられ、量産化されます。

 このモーターショーでは、RVと呼ばれた本格的な4WD車から現在のSUVへの変化が始まり、ラシーンもその流れから出展されたといいます。

 デザインは一見、本格的4WD車のようなイメージですが、7代目「サニー」のシャシをベースにしていたため、全グレードが4WDながらも悪路走行には不向きとされていました。

 ラシーンは使い勝手の良いステーションワゴンタイプの4WD車だったものの、ヒット作とはいえず、2000年に生産を終了します。

 しかし、絶版車となってからスタイルなどが再評価され中古車が人気となり、いまではラシーンを専門に扱うショップもありますから、やはり出るのが早すぎたのでしょう。

■残念な結果となった2台の軽自動車とは!?

●ダイハツ「ミゼットII」

志はとても高かいクルマだったダイハツ「ミゼットII」志はとても高かいクルマだったダイハツ「ミゼットII」

 日本が高度成長期に突入していた1957年、町の酒屋さんや八百屋さんの配達の頼りになる3輪の小型トラックの名車ダイハツ「ミゼット」が誕生しました。

 それから40年ほど経った1996年、ダイハツからミゼットのデザインとコンセプトを継承した軽トラック「ミゼットII」が発売されます。

 ミゼットIIは3輪ではありませんが、1996年当時の軽自動車規格よりも小さく設計され、1人乗りとし(後に2人乗りも追加)、装備も可能な限り簡素化され荷物の運搬に特化したクルマでした。

 また、ミゼットIIの生産はベルトコンベアに乗ったラインやロボットを使わず、手作りの生産ラインでした。これは熟練者の技術を若い人に伝承することと、熟練者の技能を十分に活用する目的からでした。

 一見非効率な生産方法でしたが、価格は46万9000円(消費税含まず)からと非常に安価で、商売ではなく趣味で買うユーザーもいました。

 ミゼットIIは画期的なクルマでしたが、やはり普通の軽トラックの積載量や使い勝手にはかなわず、メリットである小ささも高度成長期ほど重宝されなくなり、2001年に生産を終了します。

 ちなみ1995年の第31回東京モーターショーに、乗用タイプのコンセプトカー「ミゼットIII」が展示されましたが、こちらは市販には至りませんでした。いまならEV化してシティコミューターとして復活すれば、需要があるかもしれません。

●スバル「R1」

デザインを重視したがために売れなかったスバル「R1」デザインを重視したがために売れなかったスバル「R1」

 2004年に発売されたスバルの軽自動車「R1」は、同社の5ドアハッチバック「R2」にも似た外観で、全長やホイールベースが短い3ドアハッチバッククーペモデルです。

 シニア世代や女性を主なターゲットとし、乗車定員は4名ですがリアシートはミニマムで、実質は大人2人が快適に過ごせることに特化していました。

 内装もR2に準じていましたが、R1専用にカラーコーディネイトされるなど、スペシャリティカーの要素がありました。

 搭載されたエンジンは、54馬力の660cc直列4気筒自然吸気で、4気筒ならではの滑らかな回転フィーリングと低振動を実現。2005年には64馬力を発揮する直列4気筒スーパーチャージャー付きエンジンに7速マニュアルモード付CVTを搭載する「S」グレードが加わります。

 スポーティな軽自動車を好む層からは高く評価されましたが、ハイトワゴンに代表されるように軽自動車も広さが求められる時代となっていたため、販売台数は低迷してしまいます。

 2010年に販売が終了したR1ですが、普段は送り迎えや買い物などがメインで、週末は2人でドライブというような使い方ならば性能も広さも十分ではないでしょうか。

※ ※ ※

 いつの時代も個性的なクルマは一旦脚光を浴びますが、販売台数が伸びなければ1代で姿を消してしまいます。しかし、いまではレアなクルマとして中古市場では高値で取引されるケースも多くみられます。

 大ヒットはしなくとも一部に根強いファンがいる「記録よりも記憶に残る」クルマでもいいのではないでしょうか。

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