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なぜ開発にGOサインが出た!? 存在理由が難解すぎる車5選

くるまのニュース / 2019年11月4日 6時10分

クルマの開発には莫大な費用と時間が掛かります。当然、メーカーは売れるという自信を持って開発しますが、なかには「これ売れると思った?」と首をかしげてしまうクルマもあります。そこで、存在理由が難解なクルマを5車種ピックアップして紹介します。

■常人では理解できないクルマがあった!?

 新型車の開発には莫大な費用と時間が掛かります。企画開始からデザイン、設計と試作、実験、製造設備の構築、宣伝など、新型車が世に出るまでのプロセスは多岐にわたります。

 そうして作られたクルマは、売れるという確信をもって開発されているはずですが、なかには本当に売れると思って作られたのか疑問に思ってしまうクルマもあります。

 そこで、いまとなっては理解し難いほどユニークなクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

●三菱「ミラージュ ザイビクス」

 1970年代中ごろから1980年代にかけて、爆発的に増えたのがFFコンパクトカーです。FFのメリットはいろいろありますが、とくに室内の広さについては定評があります。

 各メーカーともFFコンパクトカーを発売するなか、1978年に三菱が発売したのが「ミラージュ」です。三菱初のFF車で、新世代のコンパクトカーとしてデビューしました。

 その後、代を重ねるごとにエンジンとボディが徐々に大きくなり、1987年に登場した3代目ミラージュはミドルクラスのセダン「ギャラン」を意識したデザインのコンパクト・ハッチバック/セダンでした。

 この3代目ミラージュのハッチバックモデルには「SWTIFT(スイフト)」「CYBORG(サイボーグ)」「FABIO(ファビオ)」「XYVYX(ザイビクス)」と、4タイプが設定されます。

 なかでもザイビクスは2シーターで、リアサイドウインドウが鉄板で塞がれて暗窓化されており、まるで商用車のパネルバンのようで、三菱は「無限の可能性を秘めた新遊び提案車」と表現していました。

 1.5リッターと1.6リッターエンジンを搭載し、どちらも5速MTのみでサスペンションが強化されるなどスポーツ路線で、実際にモータースポーツ特別仕様車が限定発売されたほどです。

 オプション設定される装備もユニークで、後部の荷室でテレビが見られるキットなどがありました。

 しかし、このコンセプトは一般には理解されず、デビューから1年で生産を終了します。景気が上向きだった背景から誕生した、希代の珍車です。

●日産「アベニール GT4」

高性能エンジンを搭載しながら中途半端だった「アベニール GT4」高性能エンジンを搭載しながら中途半端だった「アベニール GT4」

 日産「アベニール」は初代が1990年にデビューしたステーションワゴンです。比較的オーソドックスなスタイルのワゴンでしたが、1998年に発売された2代目では、よりスタイリッシュなデザインに変わります。

 このアベニールには、「パルサーGTI-R」やS13型「シルビア」などに搭載され、名機といわれたSR20DET型エンジンと、高性能フルタイム4WDシステム「アテーサ」を組み合わせて搭載した「アベニール GT4」がラインナップされます。

 アベニール GT4のSR20DET型エンジンは2リッター直列4気筒ターボで、最高出力は230馬力を誇りました。当時、日産はSR20DET型を初代アベニールや、同じくステーションワゴンの「ルネッサ」、ミニバンの「プレーリーリバティ」にも搭載するなど、高性能モデルをさまざまなジャンルで一気に拡大します。

 ワゴンやミニバンに高性能エンジンと4WDという組み合わせは、ほかにはないユニークなものでしたが、トランスミッションは4速ATのみと、スポーティさでは中途半端感が否めません。

 どのモデルも後に車種整理によって消滅してしまい、後継車では高性能版は設定されませんでしたから、いまとなっては貴重なモデルです。

●スズキ「X-90」

デザイン、内容、すべてが難解だった「X-90」デザイン、内容、すべてが難解だった「X-90」

 1993年の東京モーターショーのスズキブースに展示されたコンセプトカー「X-90」は、来場者から高い評価を得て2年後の1995年に市販化されました。

 車名はそのままX-90としたTバールーフの2シーター車で、ベースとなったのはSUVの「エスクード」です。したがって、駆動方式はパートタイム式4WDが採用されています。

 当時のエスクードは本格的な4WD車が採用するハシゴ型フレームで、このフレームを流用して新たにX-90のボディを載せた形です。

 とてもユニークなスタイルで海外でも話題になり、輸出もされました。しかし、日本では2シーターSUVの市場などなく、2年ほどで販売を終了します。

 コンセプトカーが高評価だったにも関わらず、実際に発売してみると売れなかったという、残念な結果になりました。いまも中古車が流通していますが、非常に数が少なく、希少な1台です。

■唯一無二! ロータリーエンジンを搭載した意外なクルマとは

●ホンダ「インテグラSJ」

やっつけ感満載で存在理由が不明すぎた「インテグラSJ」やっつけ感満載で存在理由が不明すぎた「インテグラSJ」

 ホンダ「インテグラ」といえば「タイプR」に代表されるスポーティなモデルが思い浮かびますが、1996年に発売された「インテグラSJ」はそれとは真逆なモデルです。

 同時期に販売されていた「シビックフェリオ」をベースとしていて、外装もほぼシビックフェリオのままで、フロントマスクは、ステーションワゴンの「オルティア」から流用するという、かなり安直な作りでした。

 エンジンは4気筒1.5リッターのみで、VTECとスタンダードの2種類をラインナップ。トランスミッションは5速MTとCVT、4速ATが用意され、3グレードの展開。

 インテグラSJのコンセプトは「フォーマルなセダン」でしたが、とにかく中途半端な印象しかありません。実際は、当時の販売チャネル「ベルノ店」が販売するラインナップの隙間を埋める目的があったのでしょう。

 シビックフェリオの存在があったため、インテグラSJは当然ながら販売は低迷して4年で販売を終了し、いまではホンダでもトップクラスの珍車です。

●マツダ「パークウェイロータリー26」

ある意味画期的なアイデアだった「パークウェイロータリー26」ある意味画期的なアイデアだった「パークウェイロータリー26」

 現在、マツダの自社製品で商用車は「ボンゴ」のみですが、元々は3輪トラックの製造からスタートしていたからか、かつてはさまざまな商用車を作っていました。

 例えば1972年には、より豪華なマイクロバスを求めるニーズに対応して「パークウェイ26」が発売されます。

 外観はモダンなスタイルとなっており、室内も快適なシートを配した26人乗り(13人乗りもあり)で、ラジオや3段切り替えの強力ヒーターを標準装備し、ソフトな天井トリムを採用するなど、広く高級感のある室内のマイクロバスでした。

 そして、1974年には世界初のロータリーエンジンを搭載したマイクロバス「パークウェイロータリー26」がラインナップに加わります。

「ルーチェAPグランツーリスモ」と共通の654cc×2ローター13B型低公害ロータリーエンジンは、最高出力135馬力を発揮。車重2800kg以上ある巨大な車体を、最高120km/hで走らせることが可能でした。

 ロータリーエンジンならではの優れた静粛性と低振動は、かなりの高評価を得たといいます。さらに、当時の国内の排出ガス規制値を大幅に下回る優れた環境性能も発揮していました。

 しかし、燃費はディーゼルエンジンに比べると相当に悪く商用には向かず、生産期間は2年と短命に終わりました。その後、1982年に2代目パークウェイが登場しますが、エンジンはディーゼルのみで、1995年に販売を終了するとマツダはマイクロバスの製造から撤退します。

※ ※ ※

 今回、紹介した5車種はどれもユニークですが、販売に成功したとはいえないモデルばかりです。

 いまの自動車メーカーは、さまざまな面で成熟しているので、近年は失敗作といわれるクルマは、ほぼ無くなりました。

 その反面、遊び心のあるデザインや性能的に冒険するクルマが少ないのも、ちょっと残念に思います。

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