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スーパーカーへの憧れだった!? リトラクタブルヘッドライトを広めた昭和50年代の車5選

くるまのニュース / 2019年11月15日 6時10分

ヘッドライトを点灯すると開くリトラクタブルヘッドライトが、スポーツカーの証だった時代がありました。スポーティな外観を演出するアイテムとして、昭和の時代に一気に普及したスタイルです。そこで、現行車種では皆無となったリトラクタブルヘッドライトで一世を風靡した国産車5車種をピックアップして紹介します。

■「隠しライト」とも呼ばれたリトラクタブルヘッドライトを採用したクルマたち

 1970年代の日本で、小中学生を中心にスーパーカーブームが起こりました。子どもたちが熱狂した車種といえばランボルギーニ「カウンタック」とフェラーリ「365GT4 BB」です。

 両車ともスーパーカーならではの高い動力性能を持ち、空気を切り裂くようなクサビ型のボディに格納式のヘッドライトである「リトラクタブルヘッドライト」を採用していました。

 空気抵抗を低減させる策として登場したリトラクタブルヘッドライトは、当時、高性能車の証ともいえるもので、国産メーカーも続々と採用したのです。

 そこで、リトラクタブルヘッドライトが普及した昭和50年代(1975年から1984年)の国産車を、5車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「サバンナRX-7」

 1978年デビューのマツダ「サバンナRX-7(SA22C型)」は、ロータリーエンジンのコンパクトさを活かした低いボンネットと、その先端に配置されたリトラクタブルヘッドライトが特徴的なクルマです。

 リアの回り込んだグラスハッチとあわせて、誰が見てもスポーツカーらしいといえるスタイルでした。

 コーナリング性能を推し量るのに重要な前後重量配分も50:50に近く、この重量バランスをオーソドックスなFRレイアウトのシャシで実現したことは、当時のクルマとして驚異的なことだったといいます。

 1979年に海外でも発売されたサバンナRX-7は数々のレースで好成績を残し、アメリカではその速さから「ロータリーロケット」と称賛されました。

 1983年には国内モデルにターボ仕様が加わって動力性能も第一級のスポーツカーとなり、1985年に次世代のFC3S型へバトンタッチします。

 国産車初のリトラクタブルヘッドライト車はトヨタ「2000GT」でしたが、サバンナRX-7は日本でリトラクタブルヘッドライトを普及させた最初のクルマといえるでしょう。

●トヨタ「セリカXX」

ロングノーズが印象的なトヨタ「セリカXX」ロングノーズが印象的なトヨタ「セリカXX」

 1981年に登場した2代目トヨタ「セリカXX 2800GT」は、初代「ソアラ」と同じ2.8リッター直列6気筒DOHC「5M-GEU型」エンジンを搭載したGTカーです。

 セリカXXは北米市場を意識したセリカの上級車種で、初代はラグジュアリーなスペシャルティカーとしてデビューしましたが、スペシャルティカーの座をソアラに譲り、2代目では走行性能を重視しました。

 外観のデザインは直線基調の3ドアハッチバックで、空力性能を意識したリトラクタブルヘッドライトを採用。実際の動力性能もさることながら、見た目もスポーティさが強調されています。

 トヨタ2000GTの再来といわれたセリカXX 2800GTですが、当時、年間8万円超の自動車税を捻出できる人は限られており、金銭的に余裕のある年配のオーナーがほとんどでした。

 しかし、1982年に2リッター直列6気筒DOHC24バルブの「1G-GEU型」エンジンを搭載したグレード「2000GT」が発売されると、若者から絶大な支持を得て販売台数を伸ばし、街なかでリトラクタブルヘッドライトを見る機会が一気に増えたほどです。

●三菱「スタリオン」

鋭角なデザインが斬新だった三菱「スタリオン」鋭角なデザインが斬新だった三菱「スタリオン」

 1982年発売の三菱「スタリオン」は、1970年代後半にデビューしたスペシャルティカー「ギャランΛ(ラムダ)」と、若者を中心に人気があった3ドアクーペ「ランサーセレステ」を統合するかたちで登場しました。

 直線基調のボディのノーズにリトラクタブルヘッドライトを備えたスタイリッシュなフォルムによって、とくに欧米で人気を獲得。

 当初、トップグレードのエンジンはギャランΛと同じ2リッター直列4気筒SOHCターボ「G63B型」で、動力性能は標準的でしたが、スペシャルティカーからスポーツカーへのイメージチェンジに成功したといえます。

 デビュー後の改良ではターボモデルに国産車初のインタークーラーが装着され、「シリウスDASH3×2」と名づけられた可変バルブ機構エンジン搭載車を追加。1988年には輸出仕様と同じ2.6リッターターボエンジン搭載車「GSR-VR」が発売されました。

 GSR-VRのボディはブリスターフェンダーが標準で、迫力あるフォルムが話題となりますが、日本での販売は苦戦したため、1990年に後継の「GTO」へバトンタッチすることで生産を終えます。

 かつてスタリオンは、ジャッキー・チェンが出演した映画「キャノンボール」に登場することでハリウッドデビューを果たし、現在も北米では人気の高いクルマです。

■小型車にもリトラクタブルヘッドライトが普及!?

●日産「パルサーEXA」

FFながらスポーツカーのルックスを目指した日産「パルサーEXA」FFながらスポーツカーのルックスを目指した日産「パルサーEXA」

 1978年に日産のコンパクトハッチバック「チェリーF-II」の後継として発売された初代「パルサー」は、欧州市場を主軸としたグローバルカーでした。

 その後、1982年に2代目へモデルチェンジした際に、今度は北米市場を強く意識した「パルサーEXA」が派生車として登場します。

 初代パルサーが3ドアハッチバッククーペだったのに対し、パルサーEXAは当時人気が高かった「シルビア」と同様な、短いルーフと切り立った角度のリアウインドウの2ドアノッチバッククーペです。

 チェリーから続くFF車でありながら、リトラクタブルヘッドライトを採用したことで、スポーツカーのようなルックスを演出。

 搭載されたエンジンは当時の「サニー」と同じ1.5リッター4気筒SOHCの「E15E型」で、スペック的には平凡でしたが、サスペンションがスポーティなセッティングとなっており、パルサーEXAはキビキビとしたハンドリングで高く評価されます。

 1983年のマイナーチェンジでは国産車初のドアミラーを装着し、パワフルなターボエンジン搭載モデルの追加など、常にクルマ好きに注目された1台でした。

●トヨタ「スプリンタートレノ」

コンパクトFRスポーツの代名詞的存在のトヨタ「スプリンタートレノ」コンパクトFRスポーツの代名詞的存在のトヨタ「スプリンタートレノ」

 1968年、セダンのみだったトヨタ「カローラ」を若者向けにクーペスタイルにした「カローラスプリンター」が登場。1970年に「スプリンター」としてカローラから独立すると、1972年には「セリカ1600GT」に搭載された1.6リッター直列4気筒DOHCの「2T-G型」エンジンを搭載したスポーティグレード「スプリンタートレノ」を発売します。

 スプリンタートレノはカローラレビンと並び若者に大人気となり、2代目以降はフロントフェイスがカローラレビンと差別化されました。

 そして4代目の「AE86型」ではカローラレビンが固定式ヘッドライト、スプリンタートレノがリトラクタブルヘッドライトと、完全に異なるデザインを採用。

 搭載された新開発の1.6リッター直列4気筒DOHC16バルブの「4A-GEU型」エンジンは、当時としては高回転型で吹け上がりの良さが定評になり、軽量なFRシャシと相まって若者から絶大な人気を誇りました。

 5代目では全車FFとなり、一旦AE86型の人気は下火になりますが、峠道を舞台にした走り屋コミック「頭文字D」の影響で、近年になって再評価され再び人気が出ます。

 頭文字Dの主人公が乗る「スプリンタートレノ1600GT-APEX」のハッチバックがとくに人気となり、いまでは中古車市場で新車価格を上まわるケースもあるなど、かなりの高値となっています。

※ ※ ※

 サバンナRX-7から始まったリトラクタブルヘッドライトの普及は、急速に拡大しました。そして、1986年発売のトヨタ「カローラII リトラ」が、2BOXのコンパクトカーながらリトラクタブルヘッドライトを採用したほどです。

 しかし、重量増や部品点数が多いことによるコスト増、北米での法規改正、また北欧やカナダなどでヘッドライトの常時点灯が義務化されたことなどにより、リトラクタブルヘッドライトは世界的に急速に減少し、国内では2002年にRX-7が生産終了となると同時に装着車が無くなりました。

 公道ではメリットよりもデメリットが多くなってしまったリトラクタブルヘッドライトですが、いま見ても低いノーズのカッコ良さは健在です。

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