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メルセデス-AMGが独自開発した「GT 4ドアクーペ」は、直列6気筒モデルが狙い目!

くるまのニュース / 2019年12月9日 19時10分

メルセデス-AMGのフラッグシップである「GTクーペ」の4ドアモデルともいえる「GT 4ドアクーペ」に、直列6気筒エンジンを搭載した「GT 53 4MATIC +」がラインナップされました。V型8気筒エンジンではないGTには、どのような存在意義があるのでしょうか。

■見栄えもよくてちょうどいいのが「GT 53 4MATIC +」

 メルセデス-AMG社の独自開発車両といえば、2シーターの「メルセデス-AMG GT」が思い起こされますが、そのセダン版ともいえるのが「メルセデス-AMG GT 4ドアクーペ(以下AMG GT 4ドアクーペ)」です。

 AMG GT 4ドアクーペには、4リッターV型8気筒エンジンを搭載した「GT 63 S 4MATIC(以下GT 63 S)」と3リッター直列6気筒エンジンを搭載した「GT 53 4MATIC +(以下GT 53)」と「GT 43 4MATIC+(以下GT 43)」の3つのラインナップがありますが、AMGを積極的に購入検討している人には、じつはGT 53が狙い目です。

 AMG GT 4ドアクーペでGT 53を推す最大の理由に、車両価格があります。3つのラインナップの車両価格(消費税込)は次のとおりです。
 
・GT 43:1198万円
・GT 53:1623万円
・GT 63 S:2397万円

 上位機種になるにつれ、ハイスペック&豪華装備が標準装備になるため、エンジンの違いだけでの価格差ではありません。GT 43にGT 53と同程度の装備をオプションで追加すると、さらに200万円ほどプラスとなり、両車の車両価格の差は縮まります。
 
 AMG GT 4ドアクーペを選ぶ人は、まずAMG独自のエクステリアデザインを気に入っている人たちです。AMGの4ドアクーペならば、「CLS 53 4MATIC」もラインナップにありますが、通常モデルのCLSとの差異は非常にわかりづらくなっています。
 
 ロングボンネットとふたつのパワードーム、上下方向に細く、幅の広いデザインのマルチビームLEDヘッドライト、縦にルーバーの入ったAMG専用ラジエターグリルなど、あきらかにAMG GTファミリーであることがわかるAMG GT 4ドアクーペは、「AMGを所有している」という満足感を得やすいクルマです。
 
 コストパフォーマンスでいえば、GT 43がもっとも優れているように思われますが、AMGモデルを積極的に購入しようという人には、そのネーミングにひとつ大きな落とし穴があります。
 
 GT 43は直列4気筒エンジンを搭載したA45 Sよりも車格の上では格上ですが、直列6気筒エンジンを搭載したGT 43の方が、ネーミングでは格下に見えるという矛盾です。
 
 A 45 Sは421馬力、GT 43は367馬力であるので、そもそもエンジン屋であるAMGとすれば当然のネーミングといえます。むしろA45 Sがいかに凄いクルマであるかという証明でもあります。
 
 しかし、AMGのフラッグシップたるGTのセダン版として見ると、A 45 Sより格下に思われるのは心外です。AMGを積極的に選ぶ人にとっては、このAMGファミリー内でのヒエラルキーは非常に大切です。
 
 じつはGT 43とは、同門ではメルセデス・ベンツ「CLS 450 4MATICスポーツ」(車両価格1079万円)やポルシェ「パナメーラ4」(1283万3333円)などを購入検討している人にとっての競合車種であって、最初からAMGを指名買いする人が選ぶクルマではないのです。

■直6ならではのエキゾーストノートに酔いしれる

 GT 53の最高出力は435馬力、最大トルクは520Nmです。一方のGT 63 Sは、最高出力639馬力、最大トルク900Nmです。V型8気筒エンジンではなく直列6気筒エンジンを搭載しているGT 53は、AMGの名を語るにふさわしいポテンシャルを持っているのでしょうか。

前後トルク配分が50:50から0:100の範囲で可変トルク配分をおこなうAMG 4MATIC+。ハイスピードコーナリング、コーナー立ち上がりの加速などにおいて絶対的な安定性を誇る前後トルク配分が50:50から0:100の範囲で可変トルク配分をおこなうAMG 4MATIC+。ハイスピードコーナリング、コーナー立ち上がりの加速などにおいて絶対的な安定性を誇る

 ドライバーズシートに座ると、「GT クーペ」と同じく高いセンターコーンソールでナビシートとはっきりと分断されています。
 
 センターコンソール上のスイッチやタッチパッド、そしてステアリングホイールなど、GTクーペと同じなので、既視感のあるコクピットです。
 
 しかしGT 53は、最新のメルセデス・ベンツと同じく、メーターパネルとインフォテイメントディスプレイが、高詳細の12.3インチワイドディスプレイとなり、1枚のガラスカバーでフラットに収められています。
 
 また、タービンエンジンを想起させるエアアウトレットは、GTクーペほど主張せず、全体としてエレガントな仕上がりとなっています。
 
 着座したときに、GTクーペに比べるとずいぶんとゆったりした印象を受けるのは、後席の存在に加えて、シートそのものがGTクーペのスポーツシートとは違い、ゆったりしているからでしょう。
 
 エンジンを始動すると、V型8気筒エンジン「M177」の低いサウンドとは異なり、甲高いサウンドが心地よく室内に入ってきます。GT 53に搭載されるのは、直列6気筒エンジン「M256」です。
 
 じつはこの吹け上がりのよいM256が奏でる乾いたサウンドが、新世代AMGを象徴しているかのようで、エレガントなGT 53のコクピットにマッチしています。
 
 このM256には、インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(以下ISG)が組み合わされます。
 
 ISGはエンジンと9速ATのトランスミッションの間に配置され、最高出力21馬力、最大トルク250Nmを発生する電気モーターで、オルタネーターとスターターの機能も兼ねています。
 
 GT 53の技術的トピックはこのISGで、48V電気システムによって回生ブレーキによる発電をおこない、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電されます。
 
 この電力を利用した動力補助と電気スーパーチャージャーとの組み合わせで、あらゆる回転域で俊敏なエンジンレスポンスを発揮しています。
 
 アクセルペダルを踏み込むと、小気味よくシフトアップして加速します。減速のためにパドルシフトでシフトダウンしても、シフトチェンジによるショックはほぼ皆無です。
 
 このようにGT 53は、エンジンの回転によどみを感じることが一切ありません。これはISGがシフトチェンジの際にも利用され、理想的なエンジン回転数に達するまでの時間を最小限に抑えるためのアシストをおこなうためです。
 
※ ※ ※

 GT 53は、GT 63よりも実際のパワーは204馬力も劣ります。しかし、直列6気筒エンジンのサウンドは、V型8気筒エンジンよりもむしろスポーティで若々しささえ感じます。
 
 AMG製V型8気筒エンジンの熱烈なファンでなければ、直列6気筒のM256が奏でるサウンドはオススメに値します。
 
 GT 53は、紛れもなく「ワンマン・ワンエンジン」のAMGの魂が宿ったクルマです。

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