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日本車では作れないディーゼルPHEV「E350de」はメルセデス・ベンツの大本命!

くるまのニュース / 2019年12月17日 19時10分

メルセデス・ベンツが日本市場に投入した「E350de」は、日本初のクリーンディーゼル・プラグインハイブリッド乗用車です。このE350deに実際に試乗して、Eクラスのベストバイであることを確認してきました。

■日本初のクリーンディーゼル・プラグインハイブリッド

 日本に導入されたメルセデス・ベンツのディーゼルエンジン+ハイブリッドといえば、2015年の「S300h」が記憶に新しいですが、2019年10月23日から「E350de」が追加されました。E350deは、S300hと何が違うのでしょうか。

 E350deとS300hの大きな違いはふたつあります。ひとつめは搭載されているエンジンです。ともに直列4気筒ディーゼルターボですが、E350deはクリーンディーゼルへと進化しています。
 
 ふたつめは、S300hがハイブリッドであったのに対して、E350deはプラグインハイブリッドとなりました。
 
 S300hのモーターの最高出力と最大トルクは、27馬力と250Nmです。あくまでもモーターはアシストとしての役割です。
 
 E350deの最高出力は、ディーゼルエンジンで194馬力、モーターで122馬力、システム出力で306馬力です。最大トルクは、エンジンで400Nm、モーターで440Nm、システム出力で700Nmです。
 
 Eモードと呼ばれる電気モーターのみでの走行も可能で、満充電で約50kmのEV走行ができます。これならば、普段の買い物などで電気自動車のように使うことができます。
 
 ハイブリッドモードでは、電気モーターとエンジンを協調させることにより、低振動、低騒音でスムーズな加速が可能です。また、高速道路などでの長距離ドライブの際は、クリーンディーゼルエンジンの低燃費の特性を活かすことができます。
 
 給電ジャックは、右側のリアバンパーにあります。200Vの専用充電器でも100Vの家庭用コンセントからでも充電できる点が、E350deの特長です。200Vの専用充電器で充電した場合、100V(家庭用コンセント)から充電した場合の約半分の時間で満充電ができます。
 
 ちなみに、6.0kW(30A)対応の交流普通充電器本体が無償提供されるほか、設置にかかる費用負担を軽減するために、10万円のサポートが受けられます。
 
 自宅駐車場で夜間に充電しておけば、EVだけで近所の買い物などの外出を済ますことができる上、万が一バッテリーが切れても、ディーゼルエンジンで走行できるので、外出先での心配はありません。
 
 住宅密集地などでは、早朝の出発や深夜の帰宅の際に、静かなEV走行できるのは非常に助かります。休日のゴルフに出かける際など、EV走行で近所迷惑にならないE350deは、もってこいのクルマだといえます。
 
 実際に納車された後に便利だと思う機能に、プリエントリークライメート機能があります。これはコマンドシステムやスマートフォンで、エアコンなどの作動設定がおこなえるもので、出発前の車内を、夏は涼しく、冬は暖かくしておける機能です。エンジンが始動するわけではないので、気兼ねなく使える機能です。

■ランニングコスト、走行性能、トータルで考えたらEクラス最強

 試乗した車両は、「E350deアバンギャルドスポーツ」です。試乗コースには、残念ながら高速道路の長距離は含まれませんが、起伏に富んだワインディングロードです。

200Vの専用充電器でも100Vの家庭用コンセントからでも充電できる200Vの専用充電器でも100Vの家庭用コンセントからでも充電できる

 エンジンを始動した際に感じる、ディーゼルエンジン特有の始動音、アイドリング時の振動やサウンドは、もはや車内では明確に感じることはできません。まずは「ハイブリッドモード」で試乗します。
 
 ハイブリッドモードでは、エンジンとモーターとの協調により、低振動、低騒音でスムーズな加速が可能ということになっています。194馬力/400Nmのディーゼルエンジンを122馬力/440Nmのモーターがアシストしてくれるのですが、アクセルペダルを強く踏み込んだ際の加速は、ちょっと異次元の体験です。
 
 システム出力で306馬力/700Nmを絞り出すE350deですが、ディーゼルエンジンとモーターの双方から得られるレスポンスが尋常ではないのです。ガソリンエンジンに比べて鋭さに欠けるディーゼルエンジンのネガの部分を、モーターが補ってあまりあるレスポンスを生み出しているのです。
 
 積極的にアクセルワークでコーナリングを楽しみたい人にも、十分にオススメできます。燃費や環境性能だけではなく、走りの歓びをもたらしてくれるスポーツハイブリッド的要素も強く感じられます。
 
 その一方で、「Eモード」による完全EV走行の際には、モーター走行の限界点を知らせるために、アクセルペダルの抵抗を増してドライバーに知らせる「プレッシャポイント機能」なども装備しています。
 
 また、ドライバーが不要な加速操作をおこなっている場合、アクセルペダルに2回のノックパルスを発生してドライバーに知らせる「ダブルパルス機能」もあります。これはレーダーで先行車両との車間距離と速度差を計測して割り出しています。
 
 このふたつの機能を「インテリジェントアクセルペダル」と呼び、無駄なエネルギーの消費を抑えるドライビングをドライバーに知らせてくれます。
 
 約50kmのEV走行ができ、長距離移動は低燃費のクリーンディーゼルの恩恵に恵まれ、そしてディーゼルとモーターによる積極的なスポーツ走行もできるE350deは、現在考えうるプラグインハイブリッドのなかで、最高のモデルといって過言ではないでしょう。

※ ※ ※

 プラグインハイブリッドといえば、トヨタをはじめ日本車の得意とする技術です。どうして日本車にはクリーンディーゼルエンジンにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドが存在しないのでしょうか。
 
 その理由のひとつに、コストが掛かりすぎることが挙げられます。メルセデス・ベンツのようなプレミアム・ブランドであるならば、車両価格が多少高額になっても購買層にはあまり影響がないのです。
 
 E350deアバンギャルドスポーツの車両価格(消費税込)は、875万円です。直列4気筒ディーゼルエンジンを搭載した「E200d アバンギャルド」は757万円なので、プラグインハイブリッド化によって、単純に100万円近く高価になっています。
 
 しかし同じEクラスのラインナップと比べると、E350deアバンギャルドスポーツはお買い得であることがわかります。
 
 たとえば、V型6気筒ガソリンエンジンを搭載した「E450 4MATICエクスクルーシブ」は、最高出力/最大トルクが、367馬力/500Nmでありながら、1094万円もします。E350deのそれが306馬力/700Nmですから、実際に運転したときには、それほど遜色を感じることはないでしょう。
 
 むしろ純粋にFRの走りを堪能したい玄人には、E350deの方がオススメかもしれません。
 
 ただし、ランニングコストを考慮した場合、E350deアバンギャルドスポーツこそがまさしく大本命のEクラスといえます。
 
 唯一、ほかのEクラスに劣る点を挙げるとするならば、トランクスペースが170リッター少ない370リッターであることくらいでしょう。
 
 ちなみに、ディーゼルエンジンのフィーリングがどうしても馴染めないという人には、2リッター直列4気筒ターボエンジンにモーターを組み合わせた、「E350eアバンギャルドスポーツ」というプラグインハイブリッドモデルも用意されています。こちらの車両価格は852万円です。
 
●メルセデス・ベンツ E350deアバンギャルドスポーツ
・車両価格(消費税込):875万円
・試乗車車両価格(消費税込):921万4000円
・全長:4923mm
・全幅:1852mm
・全高:1475mm
・ホイールベース:2939mm
・車両重量:2080kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボチャージャー
・排気量:1950cc
・エンジン配置:フロント縦置き
・駆動方式:後輪駆動
・変速機:9速AT
・最高出力(エンジン):194馬力/3800rpm
・最大トルク(エンジン):400Nm/1600−2800rpm
・最高出力(モーター):306馬力
・最大トルク(モーター):440Nm
・最高出力(システム合計):306馬力
・最大トルク(システム合計):700Nm
・0-100km/h:5.9秒
・最高速度:250km/h
・最高速度(EV):130km/hオーバー
・公称燃費(WLTC):na
・サスペンション:(前)ダブルウィッシュボーン式、(後)ダブルウィッシュボーン式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)245/40R19、(後)275/35R19
・ホイール:(前)7.5Jx18、(後)8.5Jx18

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