平成を代表するスポーツカーとは!? 昔は超売れっ子ハッチバック車5選
くるまのニュース / 2019年12月26日 6時10分
現在、ほとんど見られなくなった3ドアハッチバックですが、かつては国産スポーツカーといえばハッチバックが定番でした。そこで、1990年代を中心に高い人気を誇った3ドアハッチバックのスポーツカーを、5車種ピックアップして紹介します。
■もはや絶滅寸前!? 3ドアハッチバックのスポーツカーたち
1980年代から1990年代にかけて、国内の高性能スポーツカーといえば2ドアクーペや3ドアハッチバックが主流でした。
しかし、スポーツカー人気の低迷や排気ガス規制の強化のため、スポーツカーそのものが2000年代に一気に姿を消してしまいます。
そこで、1990年代を中心に高い人気を誇った3ドアハッチバックのスポーツカーを、5車種ピックアップして紹介します。
●マツダ(アンフィニ)「RX-7」
復活が期待されるロータリースポーツの「RX-7」
マツダのパワーユニットで高性能なものというと、ロータリーエンジンです。レシプロエンジンとは異なるロータリーエンジン独特のフィーリングはいまもファンを魅了しています。
最後のロータリーエンジン搭載車は2003年発売の「RX-8」ですが、高性能モデルというと1991年に発売されたアンフィニ「RX-7」でした。
RX-7は最後のリトラクタブルヘッドライトを採用したモデルで、フロントからリアにいたる流麗なフォルムも高く評価されています。
搭載された1.3リッター2ローターロータリーターボは、初期モデルで255馬力を発揮し、1999年のマイナーチェンジで自主規制いっぱいの280馬力に到達。
また、アルミを多用した軽量なボディと、専用に開発された4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションにより、高い旋回性能を誇りました。
RX-7は2002年に生産を終了してRX-8が後継車となりますが、そのRX-8も2012年に生産を終了。その後ロータリーエンジンを搭載したモデルは出ていません。
●三菱「GTO」
三菱最後の本格スポーツカー「GTO」
バブル景気で高価なクルマが飛ぶように売れていた1990年に、三菱は「スタリオン」の後継となるスポーツカー「GTO」を発売しました。
エンジンやシャシは同社のセダン「ディアマンテ」のものを流用しながらも、スタイリッシュな「コークボトルデザイン(コーラの瓶のようにくびれたもの)」で、ひと目でスポーツカーとわかるルックスが魅力でした。
前期型はスタリオンと同様にリトラクタブルヘッドライトを採用していましたが、マイナーチェンジで固定式ヘッドライトになります。
搭載されたエンジンは3リッターV型6気筒DOHCツインターボもしくは自然吸気で、フロントへ横置きに搭載。ターボモデルは最高出力280馬力、最大トルク42.5kgmを発揮しました。
駆動方式はフルタイム4WDで、大柄なボディが加速する姿は豪快そのものです。当時、同じく280馬力の日産「スカイラインGT-R」よりもトルクが大きかったため、高速道路での中間加速ではスカイラインGT-Rを凌ぐほどでした。
また、重量級のボディに対応するために、国産車で初めてアルミ製4ポット対向ピストンブレーキキャリパーを採用しています。
1993年のマイナーチェンジでは過給圧を高め、最高出力こそ280馬力のままでしたが最大トルクは43.5kgmまでアップ。6速MTの採用と相まって、加速の鋭さが増しました。
しかし、人気低迷が続き、2001年に生産を終了。後継車はなく1代限りで消滅してしまいました。
●トヨタ「スープラ」
伝統の直6エンジン搭載ハッチバックの「スープラ」
1978年に発売された初代トヨタ「セリカXX」は、2.6リッター直列6気筒エンジンを搭載し、北米市場を意識したクルマでした。2代目は直線基調のボディに「ソアラ」と同じ2.8リッター直列6気筒DOHCエンジンを搭載し、走りを重視します。
そして、1986年にセリカXXから輸出名と同じ「スープラ」に車名変更を伴うモデルチェンジがおこなわれ、最高出力230馬力を発揮する3リッター直列6気筒DOHCターボエンジンを搭載した「スープラ3.0GT」が登場。
ロングノーズのスタイリッシュな3ドアハッチバックで、低速トルクも大きく市街地でも快適に走れるなど、スポーティかつオールマイティなGTとして人気を博します。
エンジンのバリエーションはすべて直列6気筒で、2リッターの自然吸気、同ツインターボ、2.5リッターツインターボがあり、1990年に登場した「2.5GTツインターボ」は、トヨタ初となる最高出力280馬力を達成しました。
また、市販車をベースとした「グループA」カテゴリーの全日本ツーリングカー選手権にも参戦することで高性能をアピールし、若いファン層も獲得。
後に続くスープラのスポーツカーとしてのイメージを盤石なものにしました。
■ライトウェイトな高性能ハッチバックとは!?
●ホンダ「インテグラ タイプR」
高回転高出力エンジンを搭載さいたストイックなスポーツカー「インテグラ タイプR」
1992年にホンダのスーパーカー「NSX」の高性能版として「NSXタイプR」を発売。サーキット走行をターゲットに開発されたため、街乗りが厳しいほどスパルタンなモデルでした。
そして1995年には、3代目「インテグラ」に、第2弾となるタイプRが追加され、3ドアクーペと4ドアセダンがラインナップされます。
インテグラ タイプRはNSXと同様にエンジン内部に手が入れられ、最高出力200馬力を誇る1.8リッター直列4気筒VTECを搭載。初期のモデルは手作業によるポート加工も施されていました。
また、ボディ各部の部品に材料置換や、快適装備などを廃止することによって約26kgもの軽量化を実現。
足まわりではスプリングや各ブッシュを強化し、シャシも剛性アップされて走行性能と旋回性能を向上させました。
外装には専用の前後スポイラーと赤地の「H」エンブレムを装着。内装もレカロ製シートやMOMO製ステアリング、チタン製シフトノブなどを採用してスポーティに演出されます。
そして、1998年のマイナーチェンジで「98スペック」と呼ばれる改良がおこなわれ、2001年には2代目インテグラ タイプRがデビューします。
しかし、インテグラは2006年に生産終了となり、この代をもってホンダのラインナップから姿を消しました。
●日産「180SX」
いまも走り屋に愛され続けている「180SX」
1988年というバブル景気真っ只中に発売された5代目日産「シルビア」は、優れたデザインと走りで、またたく間にヒット作になりました。
翌年の1989年にはハッチバック版の姉妹車「180SX」を市場に投入し、日産の若者向けスポーティカー2枚看板のポジションを確立します。
固定式ヘッドライトのシルビアに対し、180SXはリトラクタブルヘッドライトを採用し、全体のフォルムは完全に別のクルマに仕立てられていました。
発売当初に搭載されたエンジンは、1.8リッター直列4気筒ターボで175馬力を誇り、後に2リッターターボと自然吸気に換装されます。
見た目はまったく違うクルマだったシルビアと180SXですが、エンジンや足まわりだけでなく外装パーツにいたるまで互換性があり、180SXのフロントにシルビアのフロントを移植した「シルエイティ」、逆に180SX顔のシルビアである「ワンビア」といったクルマも話題になりました。
※ ※ ※
現行モデルの国産車、3ドアハッチバックのスポーツカーというと、スープラ、日産「フェアレディZ」、ホンダ「NSX」くらいです。
NSXの場合はエンジンへのアクセスハッチなので、昔ながらの3ドアハッチバックは2車種で、2シーターのみ。これが、かつては数多く存在した3ドアハッチバックの現状です。
さすがに使い勝手を考えると、2ドアという時点で選択肢に上がらないのも理解できますが、せめて4人が乗れるハッチバックならば、多少は需要があるのではないでしょうか。
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