最高速度300キロは本当だった!? 大ブームとなったスーパーカー5選
くるまのニュース / 2019年12月27日 6時10分
いまから40年以上も前に、日本では空前のスーパーカーブームがありました。欧州のメーカーが作ったスーパーカーに多くの少年たちが目を輝かせ、社会現象になったほどです。そこで、昭和の少年たちが熱狂した、往年のスーパーカー5車種をピックアップして紹介します。
■スーパーカーブームをけん引したヒーローたち
令和元年がもうすぐ終わろうとしていますが、時を遡ること40年以上も前の1970年代の中頃に、小中学生を中心にスーパーカーが一大ブームになりました。これが世にいう「スーパーカーブーム」です。
スーパーカーの定義はさまざまな意見があり、決着は難しいのですが、共通しているのは非日常的で前衛的なボディデザインに、高性能なエンジンを搭載したクルマといったところです。
そこで、昭和の少年たちが熱狂したスーパーカー5車種をピックアップして紹介します。
●ランボルギーニ「カウンタック」
スーパーカーの代名詞的存在の「カウンタック」
昭和のスーパーカーブームを象徴するクルマといえば、やはり1974年にデビューしたランボルギーニ「カウンタック」でしょう。
カウンタック最大の特徴であるガルウィングドア(いまではシザーズドアに分類)と、外観のデザインは、当時の国産車の常識では考えられないほどのインパクトがありました。
スーパーカーという言葉は、カウンタックのためにできたといっても過言ではありません。
初期のモデルでは最高出力375馬力を誇る4リッターV型12気筒エンジンをミッドシップに搭載し、最高速度は公称300km/hを誇りました。
しかし、300km/hというスピードは日本の少年たちにとって想像すらできない領域で、そんなことよりもカウンタックという存在そのものが、少年たちの胸を高鳴らせていたことでしょう。
カウンタックは改良されながら1990年まで販売されたロングセラーなスーパーカーでした。後継車の「ディアブロ」や「ムルシエラゴ」、そして現行モデルの「アヴェンタドール」は、V型12気筒エンジンとシザーズドアという、カウンタックのDNAを受け継いでいます。
●フェラーリ「365GT4BB/512BB」
スーパーカー2大勢力の1台だった「512BB」
ランボルギーニと共に有名な2大スーパーカーメーカーのひとつ、フェラーリですが、ブームのころは数々の名車が日本に紹介されました。なかでももっとも人気があったのが1973年にデビューした「365GT4BB」です。
当時、フェラーリのネーミングは1気筒あたりの排気量で表され、365GT4BBの場合は4.4リッターの12気筒だったため、1気筒が365cc。そして、4カムシャフトの水平対向(ボクサー)エンジンをミッドシップに搭載したGTでクーペボディ(ベルリネッタ)。
以上から365GT4BB(ベルリネッタボクサー)と命名されたということです。
最高出力は385馬力で最高速度は302km/hと発表されていましたが、当時のイタリア車は馬力表示もスピードメーターも甘いともいわれましたが、当時の少年たちにしてみれば302km/hというカウンタックを上まわる数字だけで満足でした。
1976年に365GT4BBは排気量を拡大し5リッターエンジンとなったことで、車名は512BB(5リッター12気筒)となりましたが人気に陰りはなく、フェラーリを代表するスーパーカーと認められていました。
●ポルシェ「930ターボ」
性能的には十分にスーパーカーだった「930ターボ」
ポルシェ「911」は50年以上前にデビューした長い歴史のあるスポーツカーです。現行モデルの911は2018年に発売され、あらゆる性能が高度に進化していますが、スーパーカーとはいえません。
しかし、1975年に発売された「930ターボ」(後に911ターボに改名)は、紛れもないスーパーカーでした。
911シリーズは1974年に大きな転機となるモデルチェンジがありました。いわゆる「ビッグバンパー」や「930」と呼ばれる第2世代ですが、もうひとつの歴史的な転機が1975年の930ターボの発売です。
これまでポルシェがレースで培ったターボの技術を初めて市販車に投入。ポルシェとしては930ターボを高性能なだけではなく、高級なスポーツカーとして開発したといいます。
流麗な911のクーペボディに、大きく張り出した前後のフェンダーと巨大なリアスポイラーを装着したスタイルは、当時の国産車ではありえない、まさにスーパーカーと呼ぶにふさわしいものでした。
3リッター空冷水平対向6気筒ターボエンジンは最高出力260馬力を発揮し、いまとなっては平凡な値ですが、当時の水準からすると驚異的なパワーでした。
■息を呑むほど美しいスーパーカーとは!?
●ランボルギーニ「ミウラP400S」
美しすぎるデザインのスーパーカー「ミウラP400S」
ランボルギーニはカウンタック登場以前にも、数多くのスポーツカーを製造していましたが、1967年に発売された「ミウラ」は、同社のなかでもひと際美しいスーパーカーです。
ミウラにはいくつかのバリエーションがありますが、なかでも「ミウラP400S」は初期の美しさとハイパフォーマンスを持ったモデルとして評されています。
ミウラP400Sのボディサイズは全長4360mm×全幅1780mm×全高1080mmと、現代のクルマと比較すると、かなりコンパクトです。エンジンは370馬力を発揮する3.9リッターV型12気筒で、これをリアミッドシップに横置きに搭載しています。
ミウラの生産は1967年から1973年までで765台を生産し、そのうちミウラP400Sの生産はわずか140台です。その希少性から、完璧にレストアされた車両は、オークションでは3億円以上の値をつけることもあるようです。
●デ・トマソ「パンテーラ」
見た目も音もは迫力満点だった「パンテーラ」
フェラーリとランボルギーニがあまりにも人気があったため、その影に隠れてしまった感があるのがデ・トマソです。
しかし、後述しますが、ある意味、日本ではかなりデ・トマソという名は浸透しているのではないでしょうか。
デ・トマソはイタリアのメーカーで、なかでもスーパーカーとして知られているのが、1971年に登場した「パンテーラ」です。パンテーラの特徴は、力強さがみなぎるデザインと、リアミッドシップに搭載されたエンジンにあります。
パンテーラのエンジンはアメリカのフォード製5.8リッターV型8気筒OHVを搭載。フェラーリとランボルギーニがV型12気筒DOHCエンジンを有していたのに対し、スペック的に劣っていたのは否めませんが、その分、安価な価格が設定されていたといいます。
また、排気音も甲高い12気筒にくらべて、アメリカンV8の腹に響く低音を奏で、見た目の力強さにマッチしていました。
シャシとボディはイタリアで作られ、伊米合作のパンテーラは1992年まで作られたロングセラーなスーパーカーです。
なお、デ・トマソは1984年にダイハツから発売された「シャレード デ・トマソターボ」として、日本にその名を知らしめます。
シャレード デ・トマソターボはダイハツとデ・トマソの提携により誕生。外装やホイール、タイヤなどがデ・トマソの監修によるものです。
※ ※ ※
今回、紹介したスーパーカーは、現在は常軌を逸した価格に高騰してしまいました。ひと昔前は、スーパーカーブームのころに憧れて、大人になってから頑張って働いて手に入れたという人もいましたが、いまでは庶民が手に入れることは、まず不可能です。
スーパーカーが投機の対象となってしまったことは残念ですが、その反面、後世に残るべきクルマとして、丁寧に扱われるのは良いことなのかもしれません。
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