1980年代のカクカクボディがカッコいい! 直線デザインがイカした車5選
くるまのニュース / 2020年2月12日 6時10分
近年のクルマの多くは、曲面を多用したデザインのボディですが、かつてはエッジの際立った直線基調なデザインのクルマが多く存在。そこで、1980年代に登場したカクカクしたボディがカッコいいモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
■シャープなラインは日本人好み!? カクカクがカッコ良かった昭和のクルマ
ファッションに流行があるようにクルマのデザインにも流行があり、近年は優れた空力特性や流麗なフォルムを実現するための、滑らかなラインを持つモデルが増えています。
一方で、1980年代にはエッジの効いたシャープなボディラインが好まれ、とくにスポーティなモデルほど直線基調なデザインを採用する傾向がありました。
そこで、カクカクしたデザインがカッコ良かった昭和のクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
●三菱「スタリオン」
のみで削ったようなフォルムが斬新だった「スタリオン」
1982年に発売された三菱「スタリオン」は、1970年代後半にデビューしたスペシャルティカー「ギャランΛ(ラムダ)」の後継車でありながら、若者を中心に人気があった3ドアハッチバッククーペ「ランサーセレステ」の後継車でもありました。
北米市場を意識して、当時アメリカで流行していた直線基調のボディラインを持ち、ノーズには空力特性を向上させるリトラクタブルヘッドライトを装備。
トップグレードに搭載されていたエンジンは、ギャランΛと同じ2リッター直列4気筒ターボ「G63B型」でしたが、シャープな外装デザインによって、スペシャルティカーからスポーツカーへのイメージチェンジに成功しました。
1982年から1990年までの販売期間に、インタークーラー装着車、「シリウスDASH3×2」と名づけられた可変バルブ機構エンジン搭載車、輸出仕様と同じ2.6リッターターボエンジン搭載車などが追加ラインナップされ、なかでも最終型のブリスターフェンダーが装着された「GSR-VR」は、現在も北米で人気のあるモデルです。
●日産「パルサーEXA」
FFコンパクトカーをベースとしながらスポーティに演出された「パルサーEXA」
1978年に日産「チェリーF-II」の後継として発売されたFFのコンパクトハッチバック「パルサー」は、欧州市場をターゲットとした世界戦略車です。
そして、1982年に登場した2代目では、一転して北米市場を強く意識した「パルサーEXA」(輸出名:パルサーNX)が派生車として加わりました。
初代パルサーが3ドアハッチバッククーペだったのに対して、パルサーEXAは、当時人気が高かった3代目「シルビア」と同様に、短いルーフと切り立った角度のリアウインドウとトランクを持つ、直線基調なデザインの2ドアノッチバッククーペです。
また、デザイン上のアクセントとして、フロントノーズに開けられた小さなエアインテークとリトラクタブルヘッドライトが、スポーツコンパクトカーとしての個性を主張。
搭載されたパワーユニットは1.5リッター4気筒SOHC「E15E型」エンジンで、スポーティなセッティングのサスペンションによって、運動性能が高く評価されます。
1983年のマイナーチェンジでは国内初のドアミラーが装着され、パワフルなターボエンジン搭載モデルが追加されるなど、若者を中心に注目された1台でした。
●トヨタ「MR2」
国産量産車初のミッドシップというエポックメイキングな「MR2」
トヨタ「MR2」は、1984年に国内自動車メーカー初の量産ミッドシップ・2シーターとして登場しました。
上級グレードは、コンパクトなボディに「カローラレビン/スプリンタートレノ」と同型の高回転型の1.6リッター直列4気筒DOHC「4G-GLEU型」エンジン(横置き専用)を搭載し、軽快な加速と高いコーナーリング性能で人気となります。
一方で、ミッドシップらしい速さを追求しすぎると、一般ドライバーには操縦性がシビアになってしまうことから、比較的マイルドなサスペンションセッティングを採用していました。
フロントフェイスにはリトラクタブルヘッドライトを配置し、シャープなラインが特徴的なデザインは、ミッドシップスポーツカーとして王道をいくもので、日本のみならず北米でも人気が高まります。
1986年のマイナーチェンジではアクセルレスポンスや出力特性に優れるスーパーチャージャー付きエンジン搭載車をラインナップ。
同時にサスペンションセッティングなどが最適化されたことにより、より速いコーナーリングも可能となり、スポーツカーのルックスに見合うスピードを手に入れました。
■初モノばかりのスバル車もカクカクだった!?
●スバル「アルシオーネ」
車体各部のデザインは徹底した空力特性の向上のためだった「アルシオーネ」
1985年に発売された2ドアクーペのスペシャルティカー、スバル「アルシオーネ」は、スバル初で唯一のリトラクタブルヘッドライトを採用したモデルです。
外観はまさに「クサビ型」という形容がぴったりなシャープで未来的なフォルムで、空気抵抗を極限まで抑えたデザインとなっていました。
実際に空気抵抗を推し量るCd値(空気抵抗係)は0.29と、国産車で初めて0.3を下回る値を実現。
内装のデザインも外観と同様に個性的で、ダッシュボードやハンドル周りは、飛行機のコクピットをイメージさせる作りでした。
初期のモデルでは1.8リッター水平対向4気筒ターボエンジンのみで、FFと4WDがありましたが、後に、これもスバル初となる2.7リッターの水平対向6気筒自然吸気エンジンが追加されます。
また、グレードによっては自動で車高を調整できるエアサスペンションが採用されるなど、見た目だけでなくメカニズムも先進的なクルマでしたが、販売面では苦戦し、記録よりも記憶に残る1台ではないでしょうか。
●日産「シルビア/ガゼール」
伸びやかな直線基調なデザインで美しさを表現していた「シルビア」
1965年にデビューした日産初代「シルビア」は、美しいボディで話題となりながらも、かなりの高額だったことから販売台数は極少数でした。
初代の生産終了から7年後の1975年に登場した2代目では、独特な外観デザインで好き嫌いが別れたのか、販売は低迷。
そこで、1979年にモデルチェンジされた3代目では2代目から一変して角型4灯式ヘッドライトを採用し、切り立った角度のリアウインドウの2ドアクーペと、フロントエンドからリアエンドにかけてシャープなラインとした3ドアハッチバックに生まれ変わり、若者から絶大な人気を獲得します。
また、販売チャネル違いの姉妹車初代「ガゼール」も同時にデビューしました。
発売当初に搭載されたパワーユニットは、1気筒当たり2本のスパークプラグを備える2リッターと1.8リッターの直列4気筒「Z型」エンジンで、1981年のマイナーチェンジでは最高出力135馬力を発揮する1.8リッター4気筒ターボ「Z18ET型」エンジン搭載車が追加。
1982年には「スカイラインRS」と同じ最高出力150馬力の2リッター4気筒DOHC16バルブ「FJ20E型」エンジンを搭載する「シルビアRS」がラインナップされるなど、高性能化が進み、高い人気を保ち続けました。
※ ※ ※
冒頭にあるように、近年はカクカクした直線基調のクルマは少なくなりしまた。
ところが、スズキ「ジムニー」の高い人気の背景として、直線基調のボディデザインがあり、既存のジムニーファンだけでなく女性ユーザーからも、デザインについて高い評価を得ています。
ファッションの世界では過去のものが再度流行する「リバイバル」という現象がありますが、クルマのデザインもリバイバルがありえるかもしれません。
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