「GT-R」は日産だけじゃない!? ほかにあったGTRモデル5選
くるまのニュース / 2020年2月28日 6時10分
「GTR」という言葉を聞いて、まず頭に浮かぶのは日産「GT-R」や「スカイラインGT-R」という人は多いと思います。しかし、GTRというクルマは日産以外のメーカーにもありました。そこで、GTRのグレード名が付いたクルマを5車種ピックアップして紹介します。
■意外とあったGTRを名乗るクルマたち
「GT-R」といえば、日産の高性能車が真っ先に浮かびます。かつては「スカイラインGT-R」として日本で浸透していましたが、いまや世界中でGT-Rというワードが知られています。
それほど「GT-R=日産」のイメージは強いのですが、かつてはさまざまなメーカーがGT-RもしくはGTRというグレード名を使ったモデルをラインナップしていました。
そこで、日産以外でGTRというグレード名を付けられたクルマを5車種ピックアップして紹介します。
●いすゞ「ベレットGTR」
フェンダーの「R」エンブレムが勇ましい「ベレットGTR」
1964年にデビューしたいすゞ「ベレットGT」は、「ベレG」の愛称で親しまれた2ドアクーペです。
日本初のディスクブレーキの採用や、4輪独立懸架による路面追従性の高さ、ラックアンドピニオン式ステアリングギアボックスによる鋭いハンドリングなどにより、高い運動性能を活かして国内レースで活躍しました。
コンパクトなサイズながら美しいラインを持つボディも人気で、当時は「和製アルファロメオ」ともいわれたほどです。
このベレットGTに、1969年の「鈴鹿12時間耐久レース」で優勝した「ベレットGTX」の市販バージョンとして、「117クーペ」用の1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載した「ベレットGTR」(最終型の名称は「ベレットGT typeR」)が追加されます。
そして、最高速度190km/hを誇り、強化されたサスペンションやブレーキブースターの装備、黒とオレンジが特徴的なボディカラーや、分割式フロントバンパーの間にセットされた補助灯など、GTRの名にふさわしい硬派なイメージのスポーツカーとして人気を博しました。
●トヨタ「セリカ2000GT-R」
すべてが一新された次世代のモデルとして人気を博した「セリカ2000GT-R」
1970年に登場した初代トヨタ「セリカ1600GT」は、1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載したスポーツスペシャルティカーです。
当時の日本車には珍しいグラマラスなルックスが、どことなくアメリカのスポーツカーを連想させ、若者を中心に高い人気となります。
そして、1985年に発売された4代目では、それまでのFRに代えて横置きエンジンによるFFを採用するという、大きな転機が訪れました。
シャシは同じくFFの「コロナ」「カリーナ」と共用し、ボディは3ドアハッチバックのみで、外観は3代目が直線基調だったのに対して、4代目では曲面を多用した「流面形」をテーマにデザインされています。
トップグレードの「セリカ2000GT-R」には160馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHCの「3S-GELU型」を搭載。このエンジンは「MR-2」などにも搭載され、モータースポーツでも長く活躍した名機です。
なお、1986年には、185馬力を誇る2リッター直列4気筒DOHCターボ「3S-GTEU型」を搭載した、フルタイム4WDモデル「GT-FOUR」を発売。トヨタが世界ラリー選手権への本格参戦を開始し、大いに話題となりました。
●マツダ「サバンナRX-7 GT-R」
走行性能と運動性能が一気に高められた2代目「サバンナRX-7」(画像は「GT-Limited」)
1985年にマツダのピュアスポーツカー「サバンナRX-7」はモデルチェンジがおこなわれ、2代目となりました。
初代に搭載されていた1.2リッターの12Aロータリーエンジンから、185馬力の1.3リッター13Bロータリーターボエンジンに換装され、大幅に動力性能を向上。
ロータリーエンジンのどこまでも回転が上昇し続けていきそうな独特なフィーリングに加え、リアにセミトレーリングアーム式マルチリンクを採用した4輪独立懸架としたことで、シャシ性能も大きく進化し、スポーツカーとして高い完成度を誇りました。
グレード構成は装備によって分けられ、「GT」「GT-R」「GT-X」、アウタースライドサンルーフを装備した「GT-Limited」が設定されています。
なお、GTはパワーウインドウすら無いストイックなモデルだったため、GT-RやGT-Xが人気のモデルとなりました。
■もとはファミリーカーなのに「GT-R」!?
●マツダ「ファミリアGT-R」
まさにエボモデルだった「ファミリアGT-R」(画像は欧州仕様)
1985年に発売された6代目マツダ「ファミリア」には、1.6リッター直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載し、日本初のフルタイム4WDシステムを備えたスポーティグレードが設定さました。
さらに、1989年に登場した7代目は、トップグレードのエンジンが180馬力を発揮する、1.8リッター直列4気筒DOHCターボエンジンに換装され、1989年の世界ラリー選手権でグループN部門のドライバーズチャンピオンを獲得するなど、ポテンシャルの高さを証明します。
しかし、ライバルが出力の向上を図ってきたことで、1992年に大径タービンと前置きの大容量インタークーラーを採用し、最高出力210馬力にまで高められた「ファミリアGT-R」が発売されました。
ファミリアGT-Rはインタークーラーの冷却効率をアップさせるために、開口部を大きくしたフロントバンパーや、エアアウトレットが付いたボンネットが採用されるなど、見た目にもハイパワーを確信できるデザインでした。
●BMW「M3 GTR」
究極の戦闘マシンに仕立てられた「M3 GTR」
BMWの高性能モデルに与えられる「M」は、モータースポーツ関連と高性能車の研究開発をおこなうBMW M社が出掛けたモデルです。
3シリーズをベースとし、2000年に第3世代となったBMW「M3」は、6連スロットルを採用し、レブリミットが8000回転という高回転型の3.2リッター直列6気筒DOHCエンジンを搭載。
ベースモデルから大幅に拡大されたフェンダーや、アルミ製ボンネットに設けられたパワーバルジ、エンジンルームの熱を排出するためにフロントタイヤ後方にエアアウトレットが設置されるなど、各部がスポーティに演出されています。
そんな、第3世代M3のなかでも特別な1台が、BMWが「ALMS(アメリカン ル・マン シリーズ)」に参戦するためのホモロゲーション取得を目的に、2001年に10台限定で販売した「M3 GTR」です。
搭載されたエンジンはドライサンプ仕様の4リッターV型8気筒DOHCエンジンで、公道走行を前提としてデチューンされていたとはいえ380馬力を発揮。
ボディも各所にカーボン複合素材が使用されるなど大幅な軽量化が図られており、「究極のM3」と呼ばれていました。
※ ※ ※
GT-Rに使われるGTは「グランドツーリング (Grand Touring)」または「グランドツアラー (Grand Tourer)」の略称です。
そこにレースをイメージさせる「R」を付加することで、そのクルマが特別な1台であることを直感的に感じさせます。
ほかにも「RS」や「タイプR」など、高性能さを示すワードはありますが、やはりGT-Rは別格といっていいでしょう。
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