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いま流行の定額制サービス「サブスクリプション」 輸入車で絶好調のサブスクとは

くるまのニュース / 2020年4月3日 19時40分

定額料金で一定期間サービスを受けられる「サブスクリプション」。いまAmazonプライムビデオやNetflix、Spotifyなど、動画や音楽を中心にこのサブスクは流行しているが、クルマにおいても新しい乗り方として注目されている。

■すでにボルボは新車販売の約10%がサブスク「スマボ」

 最近、よく耳にする言葉に「サブスクリプション」がある。

 サブスクリプションは長いので、「サブスク」と略して使われることも多いが、これは「モノを買い取る」のではなく、「使った期間だけ料金を払う」という、新しいモノの購入方法の呼び方となる。

 たとえば音楽を1曲ずつ購入するのではなく、聞き放題で月ごとに支払う音楽サービスや、コンピューターのソフトを買い取りではなく、月々で支払う方式などが代表的なもの。
 
 最近では「ラーメン食べ放題」などの飲食店や洋服のレンタルなどまで、さまざまな業界にサブスクが導入されているので、聞いたことのある人が多いだろう。

 そうしたなか、自動車業界も当然、流行を見逃すはずはない。たとえばトヨタは、「キント」の商品名でサブスクを開始。いま熱心にテレビCMもおこなっているので、それを目にした人も多いだろう。

 クルマのサブスクの場合、車両価格だけでなく、メンテナンスや税金といった諸費用も、月々支払いに入っていることが特徴となる。
 
 単純に、車両価格を月々で割っただけのふつうのローンと比較すると割高のように感じるが、長い目で見ると、意外と悪くなかったりするもの。
 
 ちなみに自動車業界には、古くから「リース」という、ほぼサブスクと同様のシステムが存在している。ただし、従来からあるリースは、どちらかといえば法人向けのイメージが強かったため、あまり個人が利用するものではなかった。しかし、昨今のブームで、個人向けとしてサブスクが注目されるようになってきたのだ。

 そんなクルマ用のサブスクには、輸入車向けも存在している。なかでも、大ヒット中だというのがボルボの用意するサブスク「SMAVO(スマボ)」だろう。これは「スマートにボルボに乗れる定額プラン」というのが名前の由来という。

 どれだけ人気なのかとボルボカージャパンの広報に尋ねれば、「最近では、新車販売の10%くらいがスマボになります」とコメント。これほど高い割合という話は、他の自動車メーカーからは聞いたことがないほどだ。

 ボルボのスマボは、なぜ、それほどに人気なのか。まずはスマボのシステムはどんなものなのかをチェックしていこう。

■3年ごとに定期的に乗り換えるユーザーには魅力的なサービス

 ボルボ広報はこうコメントする。

「スマボには『スマボ2/3』と『スマボ3/5』の2種類があります。

 スマボ2/3は、2年後になると車検費用分程度(20万円)で他の車種に乗り換えが可能になります。乗り換えるならば、引き続きスマボを利用して、また最初からやるという形になります。

 3年目であれば、乗り換えの清算金なしで他のクルマにお乗り換えできます。また、3年で基本的にはサービスが終了してクルマを返却することになります。3年を終えたユーザーは、新しいクルマでスマボを利用するか、そのままサービス終了にするのかを選びます。
 
 スマボ3/5は、3年後から乗り換え可能で、5年で終了というもの。乗り換え可能になるタイミングが違うほかは、基本的に同じ内容となります。

 また、スマボには、新車登録時の諸経費と毎年の自動車税、それにメンテナンス費用が含まれています。また、乗員に対する交通傷害保険やタイヤ、ホイール、ボディなどの補償サービスも含まれます」

「スマボ」のテレビCMではこのXC40が登場するためか、ボルボディーラーに「スマボください」と来店するお客もいるそうだ「スマボ」のテレビCMではこのXC40が登場するためか、ボルボディーラーに「スマボください」と来店するお客もいるそうだ

 ここまでの内容は、正直、驚くようなものではない。
 
 ただし、ひとつ大きいのが、残価の設定額だろう。それが「スマボ2/3」で50%、「スマボ3/5」で30%というもの。これは、相当に利用者には嬉しい数字だろう。
 
 新車購入から3年乗っても、残価を50%とした額で月々の支払額を決めるのだ。3年後に50%というのは、ボルボとしては相当に頑張った額だろう。

「確かに、3年落ちの中古車としては高いでしょう。でも、販売側にもメリットはあるんですよ。新車販売のときに値引きしていないんですから。逆に、ユーザーは新車で値引きがなくても、3年後の残価で回収できるというわけです」とボルボ広報。

 なるほど。確かに、新車を購入するときは値引きするというのが常識だ。それをおこなわない代わりに、残価を高く設定しているという。
 
 これはユーザー次第では嬉しい話かもしれない。なぜなら、誰もがセールスマンとの値引き交渉を得意とするわけではないからだ。
 
 トータルで考えると、スマボは、最大限の値引きがあったのと同じような額になるわけだ。
 
 たしかに値引き交渉の得意な人では、どちらでも同じだが、値引き交渉を苦手とする人であればスマボのほうが確実にメリットを享受できる。誰もが同じ額になるという意味では、フェアな制度といえるだろう。

「スマボを導入したのは2017年でしたが、最初のうちは販売の現場は“面倒くさいな”と、まったく乗り気じゃなかったんですよ。

 でも、やっているうちにメリットに気づいたんですね。3年、もしくは5年後に、確実にクルマが戻ってくる。中古車に売るための車両が手に入るわけです。また、値引き交渉をしなくてよいのも楽に思えたようです」とボルボ広報。販売の現場でも熱心にスマボを勧めているのも、利用者が多い理由だろう。

「とはいえ、弊社としてはスマボの人気の理由は、そうした価格だけではないと考えています。それは、ユーザーのボルボに対するニーズが先にあって、それにスマボが合致したからなんです」。

 ボルボユーザーのニーズとはなにか。

「それは、最新の安全性能です。事故自体がイヤ、加害者にもなりたくない、というユーザーが多いというのが特徴です。

 そうした安全性能のための装備は、日進月歩で進化します。3年も経てば、最新ではなくなってしまいます。それがボルボのユーザーは嫌なのです。
 
 だから、最新のモデルに乗り続けたい。そうしたユーザーに対して、スマボは、損することなく、簡単で、最新モデルに乗れるというサービスを提供したことで、大ヒットとなったのです」

「今のところスマボを利用する方は、期限がきた後も、ほとんど継続してスマボを使っていただいています」とボルボ広報はコメントした。

 とはいえ、誰もがスマボのようなサブスクを勧められるわけではない。
 
 まず、1台のクルマをできるだけ長く乗りたいという人には向いていない。また走行距離の多い人やカスタムしたい人も向いていないサービスだ。
 
 クルマのサブスクは、2年や3年など定期的に新車に乗り換えるという人には良いサービスだろう。またメンテナンスや税金などの、細かい支払いや管理が面倒くさいという人も、ワンストップですべてのサービスを利用できるサブスクが向いている。

 あくまでもサブスクは、クルマ購入の選択肢を拡大するものと思うのが正解だろう。
 
 一括払い/ローン/サブスクといった具合に、自分にベストな購入方法を選べるようになった。それがサブスク誕生のメリットではないだろうか。

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