まるでスポーツカーな大型セダンがあった!? 優れたハンドリングの車3選
くるまのニュース / 2020年4月3日 16時10分
ハイパワーなエンジンを搭載すれば速いのは当然ですが、コーナリング性能はそんな単純ではありません。そこで、かつて優れたハンドリングと評されたクルマのなかから、3車種ピックアップして紹介します。
■優れたハンドリング性能を持った往年のクルマたち
真っ直ぐな道をただ速く走るならば、高性能なエンジンを搭載すれば簡単です。しかし、カーブを速く駆け抜けるとなると、そんな単純ではありません。
カーブを曲がる速度を上げるには足まわりやタイヤ、ブレーキ、車体剛性など、さまざまな要素が関係してくるためです。
そこで、かつて優れたハンドリングと評されたクルマのなかから、記憶に残る3車種をピックアップして紹介します。
●日産「プリメーラ」
FFで世界一のハンドリングを目指した「プリメーラ」
日産は1980年代に『1990年までに走りにおいて世界一を狙う』というスローガンを掲げ、これを「901活動」と名付けプロジェクトをスタートさせました。
この901活動実現に向け、北米市場をメインターゲットして開発されたのが4代目「フェアレディZ」で、日本市場では3代目「スカイラインGT-R」、そして欧州市場をターゲットとしたモデルが初代「プリメーラ」です。
初代プリメーラは1990年に発売された4ドアFFセダンで、欧州車に匹敵する走りの性能と快適性の両立をコンセプトとしていました。
ボディはやや丸みを帯びたオーソドックスなフォルムですが、スタイリッシュながら派手すぎず、飽きが来ない優れたデザインと評されます。
エンジンは150馬力を発揮する2リッター直列4気筒もしくは、125馬力の1.8リッター直列4気筒を搭載し、トランスミッションは5速MTおよび4速ATを設定。
FF車のハンドリング世界一を目指すため、前輪にマルチリンクサスペンションを採用し、高いコーナーリングスピードでも安定した走りを実現して高い評価を得ます。
さらに、広い室内空間と大容量のランクなど、正統派セダンにふさわしいユーティリティも持っていました。
●三菱「FTO」
グラマラスなデザインと走りが好評だった「FTO」
1994年に発売された2ドアFFクーペの三菱「FTO」は、「GTO」よりかなりスリムでスタイリッシュなルックスが大いに話題となったモデルです。
搭載されたエンジンは、1.8リッター直列4気筒と、2リッターV型6気筒がラインナップされ、トップグレードには三菱が独自に開発した可変バルブタイミングリフト機構の「MIVEC」を採用し、最高出力200馬力を誇りました。
トランスミッションは5速MTのほかに、日本初のマニュアルモード付き4速AT(後に5速AT)「INVECS-II」を採用し、ドライバーの癖を記憶する学習機能を搭載するなど、高機能さが評判となり、スポーティなモデルながらもAT車が人気となります。
サスペンションはフロントがストラット式、リアにマルチリンク式を採用し、絶妙なセッティングによって、国産FF車のなかでも最高の運動性能と評されました。
■まさかの公道最速!? ハイテク満載だったビッグセダンとは
●ホンダ「レジェンド」
4輪の駆動力制御で安定かつ速いコーナリングを実現した「レジェンド」
1985年にデビューしたホンダ初代「レジェンド」は、ホンダらしさがあふれるスポーティなフラッグシップモデルとして開発されました。
代を重ね2004年にモデルチェンジされた4代目では、全長4930mm×全幅1845mm×全高1455mmの堂々としたサイズのボディに、それまでの280馬力自主規制値を日本車のなかで初めて超えた最高出力300馬力を発揮する、新開発の3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載。
ドライブトレインには、世界初となる4輪の駆動力を自在に制御することで、スポーツカー並の高いコーナリング性能を実現するシステム、「SH-AWD(スーパーハンドリングAWD)」を採用。
SH-AWDは、カーブの内側と外側それぞれのタイヤの駆動力だけでなく、前後の駆動力も制御し、4つのタイヤのグリップ力を最大限に保つことで、カーブのターンインから脱出までをスムーズかつスピーディにおこなえるというもので、現行の「NSX」にも受け継がれています。
実際に多くの自動車メディアや評論家から、ハイパワーなエンジンとSH-AWDは高く評価されました。
しかし、高級セダンに重要な押し出し感が弱いデザインだったためか、人気とならず販売は低迷。
2008年には排気量が3.7リッターとなり309馬力にパワーアップされ、重厚なフロントフェイスに一新するテコ入れがおこなわれましたが、販売台数は伸びることはなく2012年に販売を終了しました。
※ ※ ※
高い運動性能を実現する重要な要素のひとつに、車重があります。近年は先進安全装備や快適装備の充実、衝突安全性の向上、ハイブリッド化などにより、クルマの重量は重くなる傾向でした。
しかし、車体設計時の解析技術や加工技術の進歩、材料置換によって軽量化も進んでいます。
なかでも、スズキの軽量化技術は定評があり、たとえばコンパクトカーの「スイフト」および「スイフトスポーツ」は、全グレードで1トン未満を実現。
ハイブリッドシステムや、先進安全装備などを搭載しながらも軽量化に成功し、ハンドリングも高く評価されています。
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