日産「エルグランド」に兄弟がいた!? 5m超の大型ミニバン「クエスト」とは?
くるまのニュース / 2020年4月3日 18時10分
かつて日産は北米で「クエスト」という大型ミニバンを販売していました。最終モデルの4代目は、日本で販売されている現行「エルグランド」と基本設計を共通化していましたが、クエストとはどのようなモデルなのでしょうか。
■日本では大きすぎ? エルグランドの兄弟車「クエスト」とは
日本で人気のミニバンは、アメリカでもファミリーカーとして需要があります。かつて日産は北米で、「クエスト」という大型ミニバンを販売していました。
1992年に発売された初代クエストは、7人乗りの北米専用モデルとして投入されました。生産はオハイオ州の工場でおこなわれていましたが、1995年に日産の関連会社であるオーテックジャパンが輸入。左ハンドルのまま日本で販売されました。
1998年にモデルチェンジされた2代目は、初代から大きく変わらないキープコンセプトとしていましたが、フロントフェイスは一新。初代とくらべてアクの強い顔になり、2001年のマイナーチェンジでさらにフロントフェイスのデザインが変更されています。
2代目クエストは2002年に一旦販売を終了しますが2004年に3代目が登場し、デザインはすべて一新されました。
4代目クエストは、日本で販売されている3代目「エルグランド(E52型)」と基本部分を共通化して2011年に登場。両車は日産車体九州で生産されました。
フロントとリアのデザインは、エルグランドとクエストで異なりますが、サイドの見た目はよく似ています。
ボディサイズはエルグランドが全長4975mm×全幅1850mm×全高1805-1815mmに対し、クエストは5100mm×全幅1970mm×1855mmと、クエストのほうがひと回り大きくなっています。
内装についても共通化している部分がありますが、シートの大きさや足元空間については、アメリカ人の体格に合わせてエルグランドよりも広く取られました。
クエストは、ワンタッチで自動的にスライド開閉するサイドドアや多彩なアレンジが可能な2列目、3列目のシートを装備。3列目を前に倒すと広大な荷室が広がります。エルグランドも前方に倒すタイプですが、クエストのようにフルフラットにはなりません。
クエストのパワートレインは、最高出力253hpの3.5リッターV型6気筒エンジンにエクストロニックCVT(無段変速機)を採用。また、四輪独立サスペンションと四輪ディスクブレーキに加え、速度感応式パワーステアリングを搭載することにより、安定した走りと快適な乗り心地を実現しました。
エルグランドには3.5リッターエンジンに加え、2.5リッター直列4気筒エンジンも設定されています。
クエストは装備も充実しており、高度な空調システム(アドバンスド・クライメット・コントロール・システム)やプラズマクラスター空気清浄機、乗り降りのしやすい低いフロア高など、多人数で乗車する際に適した機能が多数採用されました。
さらに、日産のセーフティ・シールドのコンセプトのもと、さまざまな安全技術が新たに採用されています。
最上級のLEグレードでは、日産初のブラインドスポットワーニング(BSW)システムを搭載。BSWは、併走するほかの車両が運転者の視界範囲外で検知された場合に、表示灯が点灯するというもので、ドライバーが車両に気づかずに車線変更のためにウインカーを出すとドアミラーに設置された表示灯が点滅し、同時に音で警告をおこないます。
※ ※ ※
エルグランドは現在も販売中ですが、クエストは2017年に生産終了し、現在は販売されていません。
現行エルグランドは2010年の登場から10年を迎え、現在では設計も古くなりました。そのため、フルモデルチェンジを望む声も聞かれますが、その際はクエストの復活も期待したいです。
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